新型スペシャライズド・ターマックSL8、フレーム重量685gの軽量エアロロード|SPECIALIZED
Bicycle Club編集部
- 2023年08月07日
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SPECIALIZED(スペシャライズド)から新製品が登場。空力性能、軽さ、ライドクオリティーで前作を大幅に上回りTarmac(ターマック)史上最速となった第8世代の「ターマックSL8」がラインアップに加わった。最大の特徴はそのフレームの軽さでフレーム単体重量で685g(Sワークス、サイズ56cm)。日本での販売開始は8月18日(金)午前10時を予定。
すべてを征す一台、史上最速のバイクを目指した
ターマックSL8は、空力性能、軽さ、ライドクオリティーをこれまで不可能とされてきたレベルで達成し、先例のないスピードを実現。すでに世界選手権、ツール・ド・フランスなどの多くのタイトルを獲得してきたターマック、20年以上の開発を重ね第8世代となったSL8は、ターマック史上最速なだけでなく、世界最速のレースバイクとして登場した。その特徴をひも解くと、空力性能、軽さ、ライドクオリティーの3つを充実させていることがわかる。
空力性能 x 軽量性 x ライドクオリティー = 速さ
- 空力性能
距離40kmの走行で前作SL7に比べて16.6秒短縮
スペシャライズド史上もっとも空力性能に優れたロードバイク - 軽さ
わずか685gのフレーム
ワールドツアー出場バイク中最軽量 - ライドクオリティー
重量剛性比が33%、スムーズさが6%向上
過去最高のハンドリング性能、快適性、反応性
エアロ性能と重量のバランス
同社によると「エアロなだけ、あるいは軽いだけではレースに勝てない。速さが重要だからだ。その速さを実現するには、空力性能、軽量性、剛性、そしてコンプライアンスのどれにも妥協をせず、そのすべてを高いレベルで融合させる必要がある。ライドサイエンスチームは実際のデータを用いて複雑なシミュレーションを実施。ターマック SL8が主要レースのルートで最速であることを突き止めた」という。
ライドサイエンスチームとスペシャライズド開発チームが密接に手を取り合い、SL8の空力性能、重量、ライドクオリティーの基準も設定しました。重量を犠牲にして空力性能に長けていたり、その逆だったり、あるいは快適性にも操作性にも劣るようでは、当然速く走れません。そこで、SL8でミラノ〜サンレモ、グランツールのクイーンステージ、モニュメントなどを走ったと想定した複雑なシミュレーションを実施。SL7やVenge(ヴェンジ)だけでなく、最速と言われる他社製のピュアエアロバイクを含めても、ターマックSL8はダントツで最速のレースバイクという結果が得られたという。
SL8ではSL7に比べて重量剛性比33%、快適性を6%アップ
今回SL8ではボトムブラケット、ヘッドチューブ、フロントエンドの剛性目標を驚異的な軽さとともに達成し、重量剛性比はSL7より33%向上している。さらにライドクオリティーを向上、パワー伝達と精確なハンドリング性能を実現する部位の剛性を高めたいっぽうで、ライダーがシッティングで感じられるコンプライアンス(快適性)を6%向上させている。さらにタイヤクリアランスを32mmに拡大。コンディションに合わせてハイボリュームタイヤも使えるようになっている。
ターマックではエアロ性能、軽さ、ボトムブラケット、ヘッドチューブ、フロントエンドの重量剛性比はSL7より33%向上している。さらにハンドリング性能やペダリングレスポンスに加え、エートスの設計で見出した画期的な形状により乗り心地も改善している。
開発時間を短縮したフロントローディング開発
ターマックSL8とSL7を比較すると、エアロで15%、重量剛性比を33%高めている。そのバイクを作るためにスペシャライズドではフロントローディング開発と呼ばれる新手法を導入した。そのプロセスは、積層ごとの数値モデルを用いたカーボンモデリングと有限要素法(FEA)や数値流体力学(CFD)をコンピュータ上で繰り返し行った。このバーチャルな環境下では、最大で500枚の層を数時間で個別に修正し、テストすることで開発スピードを早めることに成功している。
試乗レビュー「うまく衝撃をいなしてくれるフロントまわり」
(中里 仁)
ここでは簡単に試乗した際のレビューを紹介していこう。今乗っている自分のバイクサイズから考えたサイズだと52サイズが近いため、52サイズを選択した。
まず初めに感じたのが軽さや速さではなく、フロントまわりの振動吸収性(正確には“吸収”ではなく、“いなしている”と個人的には思っている)は高く感じた。走り出した最初の道が荒れた道であった事が大きな理由だとは思うが、スピードの速さに関係なく、上手く衝撃をいなしてくれた。
そしてリア三角の反応の良さ。ダンシングで一気に加速する際に空母から戦闘機を射出するカタパルトのように発射される印象を受けた。その反面、リアは少し跳ねるかなという印象も同時に受けた。また、フロントに関してはかなりソフトに感じた。最初に振動吸収の良さを感じたが、このフロントのソフト感からきていそうである。かといって、剛性不足かと言うとそんな事はなく、ROVALハンドルが前作のSL7で使われていたセパレートタイプに比べてしっかり感があるので、ちょうどよくバランスが取れている印象を受けた。
いっぽう52サイズではハンドリングのピーキーさが気になった。ダンシング時は良く言えば振りが軽い、悪く言えばフラつく。こんなイメージだ。とにかく全体的に良く言えば軽快、悪く言えば不安定だと感じた。どうも全体的なフラつき、ピーキーさが気になったので、サイズを1つ上げて54サイズの試乗も行ってみた。
結果から言うと全く別の自転車になった。52サイズで感じた全ての角(ピーキーさや不安定さ)が取れて全てがマイルドになった。振動吸収はさらに良くなり、そして1番変わったのがハンドリングで、ニュートラルなハンドリングに変貌した。前後バランスも52サイズではフロント柔らかめ、リア硬めの印象だったが、54サイズでは前後バランスの取れた適正な剛性感を感じれた。決して52サイズがダメという訳ではないが、かなり乗り味が変わるというのは事実である。
改めて詳しいレビューをお届けする。
中里 仁
国内外でロード選手として活動、日本代表チームに選ばれたほかフランスで3年走るなど海外経験も持つ。現在はフルタイムワーカーとしてレースに参戦。JBCFのE1カテゴリーで勝利をあげるほか、過酷な全日本選手権ロードレースではプロ選手に混ざってエリート男子で完走するなどその実力、機材やトレーニングに関する探究心は衰えない。
ラインアップ
S-WORKS TARMAC SL8 – SHIMANO DURA-ACE DI2
価格:1,793,000円(税込)
サイズ:44、49、52、54、56、58
カラー:2色展開
S-WORKS TARMAC SL8 – SRAM RED ETAP AXS
価格:1,738,000円(税込)
サイズ:44、49、52、54、56、58
カラー:2色展開
S-WORKS TARMAC SL8 FRAMESET
価格:737,000円(税込)
サイズ:44、49、52、54、56、58
カラー:5色展開(SATIN FOG TINT / GREEN GHOST PEARL / RED GHOST PEARL FADEはDi2モデルと同色)
S-WORKS TARMAC SL8 READY TO PAINT FRAMESET
価格:737,000円(税込)
TARMAC SL8 PRO – ULTEGRA DI2
価格:1,100,000円(税込)
サイズ:44、49、52、54、56、58(GLOSS PINE GREEN METALLIC / WHITEのみ)
カラー:2色展開
TARMAC SL8 PRO – SRAM FORCE ETAP AXS
価格:1,045,000円 (税込)
サイズ:44、49、52、54、56、58
カラー:1色展開
TARMAC SL8 EXPERT
価格:825,000円(税込)
サイズ:44、49、52、54、56、58
カラー:3色展開
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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