ジャパンカップでチェック! トッププロの9割が使うBOAフィットシステム×シューズ
Bicycle Club編集部
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10月13〜15日、栃木県宇都宮市を舞台にジャパンカップサイクルロードレースが開催された。ジャパンカップはUCI(国際自転車競技連合)からワールドツアーに次ぐ“プロシリーズ”に認定されたアジア最高峰のワンデイロードレースだ。今年も国内外のトップチームや選手が参加し、激しいハイレベルな争いを繰り広げた。
今回は、多くの選手が履いていたシューズに搭載されているBOA®フィットシステムと、このシステムを搭載しているシューズを履いていた5人の選手を、ピックアップして紹介していく。
プロ選手109人中92人が使うBOAフィットシステムとは
まずBOAフィットシステムについて説明する。BOAフィットシステムとは、靴ひもの代わりにダイヤルとワイヤーレースで靴のフィット感を調整できる機構だ。ダイヤルを回すだけで、締め付けや緩めることができ、靴ひもと違ってほどけたり絡まったりする心配もない。ダイヤルによるミリ単位の微調節と、低摩擦設計のレースガイドによりプレッシャーポイントを作らない均一な締め付けでラチェットバックルやベルクロよりも、足にぴったりとフィットする。
改良を重ねるごとに耐久性も増しているが、落車など強い衝撃で万が一破損した場合でも、BOAライフタイム保証制度により無料で修理キットを取り寄せ、自分で修理可能だ。
BOAテクノロジー社が開発したこのシステムは、さまざまなブランドやカテゴリーの靴やヘルメットなどにも搭載されている。
選手が履いているシューズはスポンサーの絡みや好みなどもあり、さまざまだった。しかし、ジャパンカップのクリテリウムの際の調査では109人中92人がBOA搭載モデルのシューズを履いていた。BOAはシューズの性能や快適性を高めるだけでなく、選手のパフォーマンスにも影響する重要な要素と言えるだろう。
新城幸也 BOA Li2
沖縄県石垣島出身の39歳で、バーレーン・ヴィクトリアス所属。脚質はパンチャーで、全日本選手権ロードレースで3回優勝。今年はアジア選手権ロードレースで銅メダルを手にした。日本の自転車ロードレース界の重鎮として長く活躍している。ジャパンカップでは、チームメートのハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア)を追走集団に送るために、メイン集団から果敢にエスケープした。
シマノ・エスファイア SH-RC903
新城が履くシューズは、ARSRと書かれたシマノ エスファイア SH-RC903のスペシャルモデルだ。このシューズは、マイクロファイバーレザーのアッパーと、カーボンファイバーのミッドソールで作られている。軽量で通気性が高く、フィット感とパワー伝達性も抜群だ。2つのBOA Li2ダイヤルで微調整ができ、シームレスな構造で足にフィットする。剛性指数は12でペダリング効率も高い。シマノ ダイナラストとシルバーデュアのテクノロジーで快適さと耐久性も確保する。
ジュリアン・アラフィリップ BOA Li2
フランス出身の31歳で、スーダル・クイックステップ所属。脚質はパンチャーで、2020年と2021年に世界選手権ロードレースを2連覇を果たした。フレーシュ・ワロンヌでは3回頂点に立ち、クラシカ・サンセバスティアンやストラーデ・ビアンケ、ミラノ〜サンレモでも優勝経験がある。ツール・ド・フランスでは通算区間6勝を挙げ、山岳賞やスーパー敢闘賞を獲得するなどさまざまなタイプのレースで活躍しているロードレース界のスーパースターだ。今回のジャパンカップでは序盤から単独エスケープに挑み、観客を魅了した。
アラフィリップが履いていたシューズは、自身も開発に参加したスペシャライズド エスワークス アーレスだ。このシューズは、パワー伝達性と快適性を高次元で両立させることを目標に作られた。特徴的なクロージャーは、足にフィットしながらも、不快な圧迫感や痛みを和らげる。ボディジオメトリーデザインは、足やヒザ、股関節のアライメントを整えることで、パワーと快適性を向上させるとともに、ケガの予防にも役立つ。また、世界最高レベルの剛性を持ったカーボンアウトソールは、ペダルへの力をそのまま加速力に変える。科学的な実験によって、スペシャライズドが今まで作ったシューズの中で最も速いことが証明されている。
スペシャライズド・エスワークス アーレス
アーレスはBOA Li2を採用。BOA Li2は、軽量で小型、耐久性と防汚性に優れたダイヤルプラットフォームだ。締める方向だけでなく緩める方向にも回転し微調整が可能になっている。これにより、足の状態や走行状況に応じて最適なフィットを得られる。また、ダイヤルを引っ張ると一気に解放できる機能も備えていて、着脱も容易になっている。
ジュリオ・チッコーネ BOA IP1
イタリア出身の28歳で、リドル・トレック所属。脚質はクライマーで、2019年にジロ・デ・イタリア、今年のツール・ド・フランスで山岳賞に輝いた。今年はさらに、ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナで総合2位とポイント賞を手にし、ボルタ・ア・カタルーニャとクリテリウム・デュ・ドーフィネでは1勝ずつ飾った。
チッコーネはボントレガー XXX ロード サイクリング シューズを履いていた。このシューズはOCLVカーボンソールと通気性の高いTPUアッパー素材から作られている。足にフィットしながらも快適さをキープするフォームTXレースシステムや、滑りや擦れから足を守るヒールカップなど、端部までこだわった設計が特徴だ。剛性指数は14と非常に高く、ペダリング効率も抜群だ。
ボントレガー・XXX ロード サイクリング シューズ
XXX ロード サイクリング シューズはBOA IP1を採用。BOA IP1は、Li2の1世代前のダイヤルで、
アクセル・ジングレ BOA Li2
フランス出身の24歳で、コフィディス所属。脚質はパンチャーで、2020年にU23フランスロードチャンピオンになった。今年はクラシック・ロワール・アトランティックで見事に優勝し、アムステルゴールドレースでも10位という好成績を収めた。フランスを中心にワンデーレースでの活躍が目立つ選手だ。ジャパンカップではクリテリウムで3位表彰台、ロードレースでも7位と2日にわたり健闘を見せた。
ジングレは、タズマニアン・デビルの絵が書かれたガエルネ G.エスティエルを履いていた。このシューズは、カーボンソールと軽量で通気性の高いアッパーで作られている。カーボンソールは剛性指数12で、ペダルへの力を効率的に伝える。足裏のアーチに合わせた形状で、足の安定性も確保する。ソールには4つの空気口があり、アッパーはレーザーで穴をあけたマイクロファイバーで、通気性も抜群だ。
ガエルネ・G.エスティエル
G.エスティエルはアーレスと同じくBOA Li2を採用している。
谷 順成 BOA Li2
岐阜県岐阜市出身の29歳で、宇都宮ブリッツェン所属。脚質はルーラーで、2022年にはツール・ド・北海道で区間優勝し、総合4位に入った。今年はツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野、ツール・ド・九州で総合11位という成績を残した。ジャパンカップでは地元チームの一員として健闘し、日本人3位の28位でゴールした。
谷が履くシューズは、限定モデルのシマノ エスファイア SH-RC903Sだ。SH-R903と同じ機能を持ちながら、メタリックシルバーとブラックのツートンカラーが目立ち、BOA Li2のダイヤルがメタル仕様で高級感がある。
谷 順成に聞く進化したBOAシステム
BOA使ってみていかがですか?
じつはいままでシューレースのシューズを使ってきましたが、宇都宮ブリッツェンに移籍した今年からシマノのエスファイアを使い始めました。じつは以前も使っていたことはあるんですが、以前のものと比べるとダイアルを回す動作が軽くなり、さらに解放するときにダイヤルを引き上げてリリースするんでが、この操作も軽くなっていて進化を感じますね。
どんな使い方をしていますか?
BOAを採用していることで、シューレースを使ったシューズよりも設計の自由度が高くなると思います。いま使っているシマノ・エスファイアとBOAシステムの相性がよいので、ダイヤルを締めていっても足が痛くなることもなく、足全体に圧力が分散されてアッパーフィット感が高くなる感じです。自分は特にアッパーの当たり具合を気にするんですが、レース中にダイアルを調整する必要がないくらいです。まあ、スプリント前に心理的な意味で締めるかな~という程度です。
壊れても交換できるってご存じですか?
僕は壊したことはありませんが、チームメートが落車して交換しているので知っています。ダイアルだけ簡単に交換できて便利ですね。
取材協力:ボアテクノロジージャパン
https://www.boafit.com/
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