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マドリード・クリテリウムにマチュー・ファンデルプールが電撃参戦

10月28日と29日の両日、スペイン・マドリードの中心街で、マドリード・クリテリウムが開催された。今年で2回目の開催となるこのイベントは、マドリードの目抜き通りであるグランビアを舞台にした、サーキット形式のレースイベントである、今年は40人のプロサイクリストが参加し、開催直前に参戦を表明したマチュー・ファンデルプール(アルぺシン)がエリミネーションとロードレースの2種目を通じて、総合優勝を飾った。

今期での現役引退を表明したルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)のラストランともなったこのイベントの様子を、スペイン在住の對馬由佳理がお送りする。

ファンデルプールが直前に参戦を発表

アルベルト・コンタドール(写真右)と共に、ファンへのサインに応えるマチュー・ファンデルプール(写真左)。写真撮影:對馬由佳理

今年で2回目の開催となるマドリード・クリテリウムには、スペイン国内のトップ選手を中心に、40人のプロサイクリストが集まった。昨年はタデイ・ポガチャル(UAE)が出場し話題となったが、今年は世界チャンピオンのマチュー・ファンデルプールが参戦し、大きな注目を集めた。

ファンデルプールの出走が正式発表されたのは、このイベントが開催される約1週間前のこと。スペインでレースを走ることの少ないファンデルプールのマドリード・クリテリウム出場は、スペイン国内で大きな話題となった。

クリテリウム当日には、レース会場となったグランビアのカフェの一角で、ファンデルプールとアルベルト・コンタドールによるサイン会も開催され、多くの自転車ファンが店の前に長い列を作った。このサイン会は約1時間半に渡って行われ、ファンデルプールはファン一人一人との写真撮影にも応えていた。

イベント前日には、選手のサイン会も開催

レース前日のサイン会でのマーク・ソレール(UAE、写真左)と、スペインチャンピオンのオイエル・ラスカノ(モビスター、写真右)。ソレールが手にしているのは、チームメイトのファン・アユソの写真にいたずら書きをして、口ひげと眉毛を加えたもの。写真撮影:對馬由佳理

レース前日の10月28日は、スペイン人選手による記者会見とサイン会が行われた。記者会見では、ファン・アユソとマーク・ソレール(共にUAE)、オイエル・ラスカノとカルロス・ベローナ(共にモビスター)、ルイス・レオン・サンチェス(アスタナ)、オマール・フライレ(イネオス)、フアン・ロペス(リディル・トレック)、ラウル・ガルシア(エキーポ・ケルンファルマ)の8選手が登場し、今年1年を振り返るとともに、来年の予定について報道陣の質問に答えた。

アユソは、来シーズンのツール・ド・フランス出走を予定していることを明らかにし、「来年は特に厳しいコースが続くので、しっかりとツールに向けての準備をしたい」と語った。また、アユソのチームメイトのソレールは、「ツールでは、やはり ポガチャルがエースになるだろう。彼の力なら、3大ツールだけではなく、5大クラシックすべてを優勝することも可能だと思う」と話し、チームの絶対的なエースへの信頼感を見せた。

そして、今年での現役引退を表明し、このマドリード・クリテリウムがラストランになるサンチェスは、報道陣の質問に答え、「自分の競技人生の中で一番印象深い思い出は、初めてツールのステージ優勝をした日のこと。幼いころからの自分の夢がすべてかなった、夢のような1日だった」と話した。また「一番つらかったのは、同じ自転車選手だった兄が2005年に交通事故で亡くなったこと。当時の自分にとって、自転車に乗ることは一種のセラピーか精神的なリハビリのようなものだった。自転車に乗りながら、兄との思い出を何度も思い出したし、これから自分がどうすればよいのか考えていた時期だった」と語った。

記者会見の後は、自転車ファンのために、選手たちのサイン会が開催された。この日のサイン会には1000人以上が集まり、大好きな選手にサインと2ショットの写真撮影をお願いするファンの列が夜になるまで続いていた。

電動自転車に乗るプロの姿も

レース前に、マドリード市で導入された電動自転車でコースを1周する選手たち。マドリード市長も走る中、アユソがゴール前で集団から飛び出す。写真撮影:對馬由佳理

イベント当日は、気温も低く、舞台となったマドリードの目抜き通りであるグランビアは冷たい風が吹いており、雨の心配される中、マドリード・クリテリウムがスタートした。

まず、最初にパラサイクリングのマドリード選手権が、プロが使う同じサーキットコースを使って開催された。その後、子どもたちによるチームリレー形式のレースが開催された。このリレーには、5人の子どもたちと1人のプロサイクリストの合計6人で結成された5チームが参加しており、和気あいあいとした雰囲気の中で、子どもたちが真剣勝負を繰り広げた。

チームリレーで子どもたちと一緒にレースを楽しむサンチェス(写真右)。写真撮影:對馬由佳理

その後、マドリードが導入している公共自転車システムで使用する電動自転車で、選手全員がコースを1周した。ちなみに、この自転車の乗り心地については、プロの選手から「乗り心地もよいし、街中では相当頼りになる自転車だと思う。女性や子どもでも、この自転車があれば、マドリード市内の坂とか簡単に上れるんじゃないかな」という声もあったほど、好評だった。

マドリードの目抜き通り、グランビアで開催されたサーキットレース。写真撮影:對馬由佳理

そして最後に、プロサイクリストによるレースが行われた。この日の種目は、エリミネーションと通常のロードレースの2種類。距離1kmのコースをエリミネーションでは25周、ロードレースでは20周して、それぞれ順位を争うことになった。レースの結果、エリミネーションではサンチェスが、ロードレースではファンデルプールがそれぞれ優勝した。

ちなみに、この日のイベントは、ユーロスポーツなどの有料TV放送でも生放送されていた。また、主催者の発表によると、グランビアでこの日のレースを観戦した人の数は15000人を超えたとのことである。

ラストランはマドリードで

レース後の引退式にて。サンチェスが盟友フライレと最後のあいさつを交わす。写真撮影:對馬由佳理

ファンデルプールの参戦があったものの、今年のマドリード・クリテリウムの真の主役は、今季限りで20年の現役生活に別れを告げた、ルイス・レオン・サンチェスだった。

ラストランとなったこの日、サンチェスはエリミネーションで優勝すると共に、ちびっこサイクリストたちと一緒に走ったチームリレーでも自身のチームが優勝するなど、大活躍を見せた。

この日のレースが終わった後、サンチェスのための引退式が開催された。出場選手の全員が自転車を掲げた間の花道を、サンチェスが笑顔で通り過ぎると、会場から大きな拍手が湧きあがった。

「今まで僕は自転車に乗ることを最優先にしてきたけど、今日からは家族と一緒にいることができる時間を何よりも優先させたい」と最後に語ったサンチェス。引退後の予定については、まだ明らかにはされていないが、何らかの形で今後も自転車レースに関わっていくものと予想される。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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