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森の中の高速ジェットコースター!? 初開催のフィンランド・グラベルへ|竹下佳映のグラベルの世界

アメリカで活動するグラベル界の第一人者、竹下佳映さん。アンバウンド・グラベルを終えた竹下さんが次に向かったのは、フィンランド・ヘルシンキで行われる今年初開催の「FNLD GRVL(フィンランド・グラベル)」だ。

アンバウンドの翌週はFNLD GRVL、目的地はフィンランド!

米国カンザス州エンポリアでのアンバウンド・グラベル大会翌日の早々に引き上げてシカゴへ向かいました。10時間以上かかる長距離です。途中で、カリフォルニア州サンフランシスコからニューヨーク市郊外のニュージャージー州ティネックまでつながる州間高速道路80号線にある、世界一大きなトラックストップに立ち寄ってひと休み。

なぜか寒冷地に引かれる

夜中近くに到着し、翌日は荷解き、洗濯、バイクチェック。その次の日には海外遠征が待っていたので、すぐに荷造りしました。今回の目的地はフィンランドです! シカゴからの直行便がビックリするほど高額だったので、アイスランド航空を使ってアイスランド・ケフラヴィーク経由で移動しました。飛行機の中での観光広告や動画を見ていると、昨年2度行ったアイスランド遠征がとても懐かしく感じられましたね。アイスランドにはかなり魅了されていて、この国は隅々まで探索したいので近い将来また行くつもりです。

寒いのは苦手なのですが、北海道生まれ育ちのせいなのか寒冷地には引きつけられる何かがある感じがします。乗り継ぎで猛ダッシュした以外は特に何もなく、無事にフィンランド・ヘルシンキに到着しました!

フィンランドはムーミンの故郷。PHOTO:Kae
私はちょっと好きになれないけど、フィンランド人はみんな大好き(そういえばアイスランド人もみんな大好き)サルミアッキ。塩味のリコリス菓子。PHOTO: Kae
炎と氷の国アイスランドで開催されたグラベルレース「ザ・リフト」|竹下佳映グラベルの世界

炎と氷の国アイスランドで開催されたグラベルレース「ザ・リフト」|竹下佳映グラベルの世界

2022年09月08日

初大会の「FNLD GRVL」

今年初開催のFNLD GRVL(フィンランド・グラベル)という大会への出場が目的です。米国でこれまた有名なSBT GRVL大会の主催者が、フィンランド出身の現役F1ドライバーのバルテリ・ボッタスと彼のガールフレンドのUCIワールドツアー選手ティファニー・クロムウェルが一緒に企画したイベントで、去年開催告知が出た瞬間から絶対に行く!と決めていました。

主催者のAmy Charityと。彼女とはグラベルレースで表彰台を争ったりしました。PHOTO: Amy Charity
会場のSRAM/Zippブースにて。PHOTO: Kae

ヘルシンキから会場のあるラハティへは車移動。列車も走っているようです。大会2日前の木曜日は本当に寒かったですが、北欧に来るのは3回目なので準備万端でした。防寒厚手ジャージとロングビブ、ウインドジャケットで、冷たい風の湖沿いでのシェイクアウトライドも問題なし。太陽が沈むのは23:00過ぎ、昇るのは03:00頃で、時間に気を付けていないと就寝時間にも気付かないです。時差ボケがひどすぎて、朝の10時~11時は本当に体調が悪くて気持ち悪いくらいでしたが、どうにか乗り越えました。新たな地を探索するのって本当に楽しいですね。

コース下見中。PHOTO: Kae
厚手の上下にウインドジャケット。この明るさで22時近く。PHOTO:Kae
ホテルにある2つ目のシャワーヘッド。悩みに悩み、時間かけて検証した結果、ビデという結論に。PHOTO:Kae
アメリカのそこら辺の食糧品店にある「スシ」はちょっと食べられないけど、フィンランドのは結構いける。新鮮さの違いか。PHOTO:Kae

参加選手がとにかく豪華! いざレーススタート

PHOTO: FNLD GRVL

レース当日は最低気温が10℃、最高気温が15℃程。下見のときとは打って変わって日差しがまぶしいほどです。

1年目とはいえSBT GRVLと同じ主催チームなので、現地に来る前から運営レベルは高いと分かっていました。参加選手も豪華で、プロカテゴリーではグラベル選手だけでなく、UCIワールドツアーやコンチネンタルチーム選手も見かけました。

PHOTO: FNLD GRVL
PHOTO: FNLD GRVL
スタートラインで和気あいあい。PHOTO: Katherine Sheridan
PHOTO: FNLD GRVL

まるでジェットコースター!?

とても短いニュートラルスタートの直後にパンチの効いたジェットコースターのような森の中の急坂に入ります。最初全然脚がついてこなくて、これは先週末からリカバリーできていないので、睡眠不足なのか、それとも単にライダーレベルがものすごく高いだけなのか……と思いながら必死についていくだけでした!

12マイル地点でチェーンが外れて完全停止を余儀なくされたときはがっくり。私の無事を確認するためか、レースモトがゆっくり走って待っていてくれました。この時点でもしかしてすでにプロ集団の最後尾にいるのかと本気で思いました。実際そんなことはなかったのですが、スタートが混沌としていたので分からなかったです。

PHOTO: FNLD GRVL

森から出てしまえば、基本は広々とした高速フィールド。たまにゴロゴロしたグラベル路面、ふわふわの砂地、舗装路、ダブルトラック。テクニカル度は全体的に低く、とにかく速いコースでした。
後方から追いついてきた小さな集団と一緒になってからは、ゴールからの数マイルまでの森まではほぼ集団走行。前の集団に追いつくことはなさそうでしたが、前方からこぼれ落ちたライダーたちを拾いながら、いい速度で進みました。

ライダーの数も頻繁に増えたり減ったり。基本、レース中に心拍数やパワーを見ることはまずないのですが、かなり高強度で走っていたので、数値を見ずとも頻繁に自分自身にチェックを入れながら走り続けました。

北欧ならではの風景が広がる

針葉樹林に白樺の林、よく北海道でも見かける北欧住宅が目に入ります。空気が澄んでいると有名なフィンランドですが、気温の低さも相まって肺がすっきりする感じがしました。ちなみにおまけ情報、フィンランドには188,000もの湖があるそうです。

PHOTO: FNLD GRVL
PHOTO: FNLD GRVL

補給もギリギリ、無事ゴール!

この日はハイドレーションパックは持ってきていなかったのですが、当日は半分のライダー(特に多くのトップライダー)が用意してきていたので、マズかったかなと思っていました。天気は良かったですが暑くはならなかったので、たった2本のボトルと持参した補給食と途中のエイドステーションでのハンドアップでどうにかなりました。どうにかなって良かった……。

残り数マイル! PHOTO: FNLD GRVL

最後の最後の森道のアップダウンで集団がばらけるのを予期していたので、森の入口のコーナーでは一番に飛び込みました。すぐ登場する急な上りで思ったとおりグループはバラバラ。そこからはもうレッドゾーン突入しそう!という状態でしたが、これまたずっと前方にいた1~2人の女性選手を追い越すことができました。

フィニッシュは、スキージャンプ施設やアイスホッケー競技場のあるスポーツセンター敷地で、最後の最後に出てきた激坂にビックリしながらも、どうにかゴール! 177km、5時間50分。

1週間前のアンバウンドより約13km距離は長かったものの、実走行時間が40分程短く、TSS値も先週より高い。このレースは相当きつかったですね! あそこでメカトラがなければ……と思う瞬間はありましたが、そういうこともあるので仕方ない。大勢のプロ選手の中で全力出せたので言うことなしです。あとで自分のパワーデータを見たら、今年のピークの数値がたくさん出ていたので、自分のベストを尽くして頑張ったことは間違いないです。

セットアップ

バイク Lauf Seigla(リーフスプリング・フロントサスペンション)
タイヤ Panaracer Gravelking SS 43c
ハンドルバー Lauf Smoothie(カーボンファイバー・グラスファイバー)
ホイール Zipp 303 Firecrest
ドライブトレイン SRAM AXS XPLR(フロントシングル 44t)
カセット SRAM AXS XPLR 10-44t
サドル Fizik Vento Argo Adaptive
サイクルコンピューター Garmin Edge 1030
オーダーメードキット:Eliel
ヘルメット:KPLUS Nova

PHOTO:Kae

レース後の散策も楽しみのひとつ

PHOTO:Kae

さて、レース後はさっさと洗車して、その夜会場の街でもう一泊できたのですがすぐにヘルシンキへ。その夜と翌日は丸々散策に使いました!

写真も何枚かあるのでお楽しみください!
グラベル大会を通してあちこちで新しい経験をするのが本当に最高です。

そんなに大きな街でないので、簡単に自転車であちこち見れる! PHOTO:Kae
ヘルシンキ湾岸観光。しっかり着る物用意してきて正解。(ちなみに6月中旬)PHOTO:Kae
ヘルシンキのダウンタウンは石畳がたくさん。これは横断歩道。PHOTO:Kae
クロワッサンがうまい。たくさん食しました。PHOTO:Kae
カルヤランピーラッカ Karjalanpiirakka。米の粥をライ麦に包んだパイ。どこに行っても売っている。PHOTO:Kae
ものすごい数の個人所有のボートにヨット。PHOTO:Kae
あれこれ見るの楽しい。PHOTO:Kae

 

竹下佳映のグラベルの世界は
こちらから

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PROFILE

竹下佳映

竹下佳映

札幌出身、現在は米国シカゴ都市部に在住。2014年に偶然出会ったグラベルレースの魅力に引かれ、プロ選手に混ざって上位入賞するなどレースに出続けている第一人者。5年間グラベルチーム選手として活躍し、2022年からはプライベーターとしてソロ活動。ここしばらく飛んでいないが飛行機乗り。

竹下佳映の記事一覧

札幌出身、現在は米国シカゴ都市部に在住。2014年に偶然出会ったグラベルレースの魅力に引かれ、プロ選手に混ざって上位入賞するなどレースに出続けている第一人者。5年間グラベルチーム選手として活躍し、2022年からはプライベーターとしてソロ活動。ここしばらく飛んでいないが飛行機乗り。

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