BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

炎と氷の国アイスランドで開催されたグラベルレース「ザ・リフト」|竹下佳映グラベルの世界

2022年は北海道で開催されたニセコグラベルにも参加した竹下佳映さん。アメリカで活動するグラベル界の第一人者がアイスランドで行われた「The Rift (ザ・リフト)グラベルレース」に参加した。この大会は登録開始直後にエントリーがいっぱいになってしまう程の大人気の大会、今年は1000人もの参加者がアイスランド南部高地の溶岩地帯200kmコースを駆け抜けた。その様子をお伝えしよう。

映画「プロメテウス」のロケにもなった驚きの風景

これで、まあまあ荒れているほう。 PHOTO: Kae

北海道よりも広大な土地のアイスランドには、たったの32万人しか住んでいません。参考までに、北海道の人口が528万人です。首都圏エリアに国の全人口の3分の2が集中していて、首都Reykjavík(レイキャヴィーク)近郊を離れると、一気に人里離れた風景になり、「炎と氷の国」として知られているアイスランドの雄大な自然を見て感じられます。

地球っぽくない景色が沢山あることから、映画のロケ地にもなっており、リドリー・スコット監督が制作した映画「プロメテウス」のオープニングもアイスランドで撮影されています。

白夜、オーロラ、火山、温泉、氷河、巨大な滝などで知られている、同じ世界とは思えないような場所です。

一週間前に比べれば随分解けたのだとか。 PHOTO: The Rift, Gravel Race Iceland

Lauf が主催する人気殺到の「The Rift (ザ・リフト)グラベルレース」

Let’s Do It ! PHOTO: The Rift, Gravel Race Iceland

さて今回は、登録開始直後に売り切れてしまう程大人気の、「ザ・リフト グラベルレース」に行ってきました(2023年の申し込みは9月13日から、要チェック)。
今年の参加者は1000人。アイスランド南部高地の溶岩地帯を走る200kmコースの大会で、2019年に「Lauf Cycling(ラウフ・サイクリング)」が初めて企画し、今回3回目の開催となりました。大会の名前は、毎年2㎝ずつ広がり続ける北米の大陸プレートとユーラシアの大陸プレートの地溝から由来します。

アイスランド発のLauf Cycling(ラウフ・サイクリング)のショールームがレイキャヴィークにある。もともとサスペンションフォークだけだったのが、今ではグラベルレースバイクも製造・販売。 PHOTO: Kae
レース後のパスタとビール。缶にもLauf Cycling(ラウフ・サイクリング)のオリジナル缶が用意される PHOTO: Kae

アイスランドで最も活発な火山のひとつ、ヘクラ山を回るコースです。この活火山、10年周期で噴火するようですが、もう20年もご無沙汰で、レース当日に噴火したら最高だね!とアイスランドの知り合いや友人たちは楽しそうに話していました。どうやら噴火しても危険ではないみたいで、石が吹き飛ぶ噴火と言うよりは、溶岩が湧いて吹き出るタイプのようです。

毎日が曇りなアイスランド

自宅のあるシカゴと、開催地のクヴォルスヴォトルの、この気温差!!(摂氏)

大会週末の天気は、予報よりは若干ましになってきてはいたものの、晴れの日が圧倒的に少なく、気温も年中低いこの国の7月末の寒いこと(でも真冬は氷点下か少し低いくらいなので、私の住むシカゴに比べると暖かい)。

大会開催の町Hvolsvöllur(クヴォルスヴォトル)に向かったときは、厚い雲と霧雨であたり一面真っ白でした。友人から贈られたロパペイサというアイスランドの伝統的なウールのセーターをずっと着こんでいました。私がライドリーダーをした大会前日のグループライドでは、服装で誰がアイスランド人で誰がそうでないかがすぐに判断できました。ビックリするほどの薄着のライダーがアイスランド人ライダーです。

PHOTO: The Rift, Gravel Race Iceland

唯一ある植物は、蛍光黄緑色の苔。鳥も動物も見当たりません。雪で一面が覆われた地面がまだ残ります。

小川渡りは、そのまま走れる浅いものから、太モモまで水嵩のある深いものまで、滝や川からは、そのまま水が飲めます。レース開始後、グラベルロードに入った瞬間から最後までずっと、目を見張りたくなるような景色が広がり、途中で止まって見渡したくなるくらいでした。

いくつもある氷のように冷たい小川。そのまま渡ろうとして転んでしまった人の図。ここでのダイブはきつい!  PHOTO: The Rift, Gravel Race Iceland

トラブルが続くくらい激しい凸凹

PHOTO: The Rift, Gravel Race Iceland

この日私は不運にも、7km地点でチェーンが落ちてしまい、フロントシングルなのでペダリングで元に戻すことができず、完全に停止せざるを得ませんでした。ほんの数秒の停止時間なのですが、レース序盤で集団はかなりのスピードで飛ばしているし、完全に自分の勢いが削がれた感じでした。このセットアップでチェーン落としたことはこれ限りで、そこまで荒れた地面でもなかったのでかなり不可解な出来事でした。

斜度が随分急で、誰も乗って走れないところも数か所。 PHOTO: The Rift, Gravel Race Iceland

さらにレース後半には、サドルのクランプが何度も緩むという事態で、そのまま乗り続けるつもりだったのですが、お尻がサドル上に固定できない程サドルが滑ってしまったので、何度も止まって固定する羽目に。携帯工具では直すことができず(こんなこと初めてです)、チェックポイントで普通サイズの工具を借りる必要もありました。

シートポストはアフターマーケットのもので、このコースの荒れ具合があまりにひどかったので、ボルトが1本のデザインが良くないのかな、2本のデザインだったら良かったのかも、と思います。後日シートポストは速やかに交換しました。

どこを走っても、初めて見るような景色ばかり。 PHOTO: The Rift, Gravel RaceIceland

この日は特に後半かなり調子が良かったので、こんなことでタイムロス!と悔しく思いましたが、すぐに「今ここでレースをしている」をいう事実に対しての喜びの方が勝りました。

普段の生活では考えられない非現実的な風景に囲まれ、真っ黒な地面を走り抜けながら、心底、これすっごい楽しい!!という思いでいっぱいでした。

結果は女子プロカテゴリー4位

チームは違えど、同じLaufバイクに乗る友人たちと。 PHOTO: The Rift, Gravel Race Iceland

結果は女子プロカテゴリーの4位。完走した瞬間に、すぐにでも戻ってまた走りたい!と思いました。この日は途中からの雨が心配でしたが、結局雨に降られることはありませんでした。5℃前後での雨は本当に避けたかったのでホッとしました。翌週末の天気は2℃でミゾレだったので、レースが翌週でなくてよかった! 生きて帰れる気がしません……。

まだまだ見どころいっぱいのアイスランド

レース後日には、観光しました! 黄金の滝とも呼ばれる、Gullfoss(グトルフォス)。流れる水の威力が、すごい。PHOTO: Kae

帰国前には大自然の観光もしてきました。まだまだ見たい、行きたいところがたくさんあるし、名残惜しくて、アメリカに戻りたくなかったです。あと何日でも、何週間でもいたかったです。来年も機会があれば、ぜひ再チャレンジしたいです!

私がシカゴに戻ってから数日後に別の場所で火山の噴火があり、SNS等で見る、黒い地面から吹き出る真っ赤な溶岩に画面越しですが感動しました。そしてそれを間近で見るのにたくさんの人が集まっていて、私もそこにいたかった! 炎と氷の国は、魅惑の場所です。

私のInstagram(kae_tkst)のハイライト「The Rift 2022」にもっと写真がありますので、ぜひご覧ください!

バイクセットアップ

PHOTO: Kae

バイク:Lauf Seigla + SRAM AXS 12スピード
タイヤ:パナレーサー GravelKing SK 50c
サイクルコンピューター:ガーミンEdge 830
ホイール:Zipp Firecrest 303
ツールケース:食べ終わったピーナッツバターの空の容器

竹下佳映

札幌出身、現在は米国シカゴ都市部に在住。2014年に偶然出会ったグラベルレースの魅力に引かれ、プロ選手に混ざって上位入賞するなどレースに出続けている第一人者。5年間グラベルチーム選手として活躍し、2022年からはプライベーターとしてソロ活動。ここしばらく飛んでいないが飛行機乗り。
SNS:Instagram

The Rift 大会WEBサイトはこちら
https://www.therift.bike
2023年のエントリー開始は9月13日。参加希望者は、登録開始当日PC前で構えてないと! 人気殺到でおそらくすぐに完売かも!

「竹下佳映のグラベルの世界」一覧

Info

出典

SHARE

PROFILE

竹下佳映

竹下佳映

札幌出身、現在は米国シカゴ都市部に在住。2014年に偶然出会ったグラベルレースの魅力に引かれ、プロ選手に混ざって上位入賞するなどレースに出続けている第一人者。5年間グラベルチーム選手として活躍し、2022年からはプライベーターとしてソロ活動。ここしばらく飛んでいないが飛行機乗り。

竹下佳映の記事一覧

札幌出身、現在は米国シカゴ都市部に在住。2014年に偶然出会ったグラベルレースの魅力に引かれ、プロ選手に混ざって上位入賞するなどレースに出続けている第一人者。5年間グラベルチーム選手として活躍し、2022年からはプライベーターとしてソロ活動。ここしばらく飛んでいないが飛行機乗り。

竹下佳映の記事一覧

No more pages to load