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100点の走りで連覇を達成! 織田 聖がシクロクロス全日本選手権男子エリートを制す

1月13日から14日にかけ、栃木県宇都宮市にある道の駅うつのみや ろまんちっく村で第29回全日本自転車競技選手権大会シクロクロスが開催。
今大会最終レースとなった男子エリートは2周目に元全日本チャンピオンである沢田 時(宇都宮ブリッツェン)のチェーン落ちにより勝負が決まり、ライバルの様子をしっかりと確認していたディフェンディングチャンピオンである織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が圧倒的な走りで全日本選手権連覇を飾った。
本レポートでは改めてレースの展開を振り返るとともに、上位3選手からのコメントでレースを振り返る。

織田 聖がスタートでの遅れを実力で挽回して見せる

1月13日から14日にかけて栃木県宇都宮市にある道の駅うつのみや ろまんちっく村で開催された第29回全日本自転車競技選手権大会シクロクロス。
この全日本選手権の最終レースとして開催されたのがシクロクロス日本一を決める男子エリートだ。

男子エリートのスタートラインに並ぶのは、JCF公認大会でありここまで7戦開催されたJCXシリーズの各レースで30位以内に一度でも入っている50名の選手たち。
スタートグリッドの1列目にはディフェンディングチャンピオンである織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や、元チャンピオンである沢田 時、小坂 光(以上、宇都宮ブリッツェン)、竹之内 悠(/slash Cinelli-Vision)らが並ぶ。

14時30分にスタートが切られると、アウト側からダッシュを決めた竹内 遼(GHISALLO RACING)が先頭で1コーナーへと進入していく。
スタートループを終えて周回コースへと選手たちが入っていくと、砂場セクションを沢田、小坂、横山航太(PEDAL)、竹内、竹之内、織田の順で通過していく。
先頭6名の選手がパックでコース奥のキャンバーエリアに突入すると、スタートで少し番手を下げてしまった織田がラインを変えてパックの前方へとポジションを上げていく。

この動きを織田は「奥の180度ターンを曲がるタイミングで下のラインを誰も走っていないことが見えて。試走では下のラインでもしっかりと走ることができるのを確認していたので、下のラインを走ってパックの前方へとポジションを上げました」と語り、実力でポジションを上げることに成功する。

チェーン落ちで決まってしまった2023-2024シーズンの全日本選手権

先頭は6名のまま2周目に入ると、林間区間を終える頃には先頭は沢田、織田、竹内の3名に。
実力が拮抗している3名だけに、このまま後半までレースは進むかと思われた矢先、コース奥の180度ターンを曲がった先のキャンバー区間で沢田がチェーンを落としてしまう。

沢田は「ターンを上って自転車を押している最中にチェーンが跳ねたのか内側に落ちてしまって。過去にシケインでチェーンを落としてしまった苦い思い出があるので、今回はしっかりと対策をしてきたつもりだったんですが、別の場所でまたチェーンを落としてしまいました」とチェーンが落ちてしまったシーンを振り返る。

一方、沢田がチェーンを落としたタイミングでアタックに出たのはライバルの織田だった。
チェーンを戻すために止まる沢田の姿を後ろに織田は一気に差を広げていく。
「時さんがチェーントラブルで止まったのは見えていました。次の周回でアタックするつもりだったんですが、時さんが止まっているのを見て”ここだ”とアタックしました。タイミング的にはラッキーだったと思います」と織田はレースが決まったタイミングを振り返る。

沢田、織田と共にパックで走っていた竹内も、このトラブルの影響を受けてしまう。
竹内は「今回シューズにスパイクピンをつけてなくて、それもあって奥のキャンバーは今回苦手な場所になっていました。その場所で時さんにトラブルが起き、聖がアタックし、という形で全く反応できないタイミングとなってしまいました。(スパイクピンを準備する等)どんなコンディションにも対応できるように準備しておくべきだったと思います」とレース後に反省の言葉を口にする。

織田はアタック後もペースを上げ、1周目に比べて10秒近くラップタイムを上げる。
遅れた沢田と竹内はこの周だけで11秒のタイム差を織田につけられる形となってしまった。

最後まで後続とのタイム差を広げ続けた織田が全日本で連覇を達成する

織田は3周目に入ってもペースを上げ続け、この日最速となる6分13秒のラップタイムを出す(同日午前中に開催された男子U23の最速ラップタイムは6分23秒)。

織田が「アタックしてからは2~3周プッシュし続け、それ以降はコース上で後続との位置を確認しながらミスをしないようにペースで走りました」と語るとおり、4周目、5周目もペースを変えることなく6分16秒のラップタイムで走り抜け、1分ほどタイム差がついたタイミングで少しだけ落ち着きを見せる。

一方2位争いでは沢田が竹内に追いつき、2名のパックに。
平坦区間も多く、向かい風が吹く区間もあるため、パックの方が有利な区間もあるコース、当然沢田と竹内も懸命に織田を追う。
「(2名のパックになってからも)当然、聖のことは追っていました。竹内選手とパックだったことでキツイ区間でもペースを保つことができたと思います」と沢田は語りつつ、「それでも周回を重ねるごとに聖の姿が見えなくなっていって。悔しい展開でした」と織田との差がどんどん広がっていってしまったことを語る。

5周目には竹内が遅れ、2位は沢田単独に。
「2人でやりあってましたが、時さんの方が余裕があって。最終的には僕もチェーンを落としてしまって、そこで勝負が決まってしまいました」と力の差がある上にトラブルが決定打になってしまったと竹内は語る。

織田がペースで周回を兼ねる中でも沢田とのタイム差は徐々に広がり、最終的には1分40秒差をつける。
織田はホームストレート上で観客とハイタッチをしながらフィニッシュへと向かうと、フィニッシュライン手前で両手を大きく広げながら優勝をアピールする。
そして人差し指を天に掲げながらガッツポーズを見せると、フィニッシュラインを通過してから自転車を降りてバイクを掲げ、最後は父でありJCFオフィシャルフォトグラファーである達さんとハイタッチを交わした。

織田はレース全体を振り返り、「連覇できてホッとしています。連覇に対するプレッシャーよりは、タイトルを取れるかどうかに対するプレッシャーの方が大きかった。スタートで失敗したときは焦りましたが、2周目からは自分のペースで走れたので良かったと思います。(自己採点については)100点の走りができたかなと思います。これからも連覇を続けられるように頑張りたいです」と語ってくれた。

2位には2016年に同地で開催された全日本選手権で優勝している沢田が入る。
「悔しいし、トラブルもありましたが、周回重ねるごとに聖とはタイム差が広がっていたので、今日は聖が一番強かったな、実力どおりの結果かなと思います。(チェーン落ちが焦りによるものか問うと)焦りはありませんでした、体もしっかり動いていましたし。今シーズン一番体は動いていたかなと思います。ただ、聖はそれ以上に強かった」

そして3位には竹内が入る。
「この冬場はシクロクロスをしっかりと走るというよりは次のMTBシーズンに向けての準備期間に当てていて、今シーズンのシクロクロスはレース数も絞っての参戦となっていました。全日本に向けて準備はしっかりとしていましたが、この冬にやってきたことを考えれば(3位という順位は)良くも悪くも今の実力どおりの結果かなと思っています。来シーズンもどこまでやれるかは分かりませんが、シクロクロスという競技が好きなので、できる限りは参戦していきたいな、やるからには進化できるように。夏に向けてはMTBの全日本選手権で優勝したいと思います」

来年の開催もろまんちっく村にて開催されることが発表される

表彰式が行われた後、JCFの小野口裕朗副会長より2024-2025シーズンに開催予定の第30回全日本自転車競技選手権大会シクロクロスが今大会と同じくろまんちっく村で開催されることが発表され、開催時期も2024年12月開催となることが発表された。

11カ月後、この地で織田 聖が3連覇を達成するのか、それともライバルたちが全日本チャンピオンのジャージに袖を通すこととなるのか、今から楽しみだ。

男子エリート リザルト

1位:織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) 58分27秒
2位:沢田 時(宇都宮ブリッツェン) +1分40秒
3位:竹内 遼(GHISALLO RACING) +2分6秒
4位:竹之内 悠(/slash Cinelli-Vision) +2分44秒
5位:小坂 光(宇都宮ブリッツェン) +3分26秒
6位:加藤健悟(臼杵レーシング) +4分25秒
7位:横山航太(PEDAL) +4分49秒
8位:松田賢太郎(SUPACAZ) +4分57秒
9位:島田真琴(ペダル) +5分7秒
10位:丸山 厚(BOMA/ROND CX TEAM) +5分12秒

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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