富士山クリテリウムチャンピオンシップ、男子予選はキナン、ブリヂストンが躍進し決勝へ
Bicycle Club編集部
- 2024年03月03日
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3月2日から3日の2日間、静岡県富士市で富士山サイクルロードレース2024が開催。大会初日となる3月2日は、富士川沿いにある富士川滑空場で女子のレース及び富士山サイクルロードレースのメインレースである富士クリテリウムチャンピオンシップの予選が開催された。
女子のレースでは小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)と渡部春雅(明治大学)がフィニッシュライン上でハンドルを投げ合う接戦となり、僅差で小林が初日のレースを制す形となった。
富士クリテリウムチャンピオンシップ予選は、国内UCIコンチネンタルチームやJBCFのJプロツアー登録のクラブチームが予選1、2組目に、学連登録の大学チームが予選3組目に振り分けられ、1、2組目は上位25名が、3組目は完走した26名が翌日の決勝レースへと並ぶこととなった。
初開催となった富士川滑空場でのレース
3月2日から3日の2日間、静岡県富士市で富士山サイクルロードレース2024が開催。
大会初日となる3月2日は、富士川沿いにある富士川滑空場で女子のレース及び富士山サイクルロードレースのメインレースである富士クリテリウムチャンピオンシップの予選が開催された。
昨年までの2大会は2日間共に富士市中心街の青葉通りで開催となっていた富士山サイクルロードレースだが、今年は初日のレースを富士川沿いにある富士川滑空場で開催。
青葉通りのコースよりもよりシンプルとなった富士川滑空場のコースは片側700mの道路を往復する1.4kmのレイアウト。
レース前日のコース設営時に設営したテントが強風で飛ばされるなど、滑空場らしく強い風が吹きやすいコースでは、シンプルなレイアウトではあるものの、風によってレースの展開が左右されやすいことが予想された。
フィニッシュライン上でハンドルを投げ合う接戦となった女子レースDay1
昨年までは2日目のみの開催となった女子(ジュニア以上)のレースだが、今年は2日間・2レースでの開催となり、表彰も2日間の合計順位で決定される形へ変更となった。
U23全日本ロードチャンピオンである小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)や、トラック元日本代表でガールズケイリン選手である鈴木奈央(JPCU静岡)、渡部春雅(明治大学)ら10名の選手がスタートラインにつくと、定刻より約30分遅れの10時53分にレースがスタート。
序盤こそお互いに様子を見るような形で集団での展開となるが、小林のアタックをきっかけに先頭は小林と渡部の2名に。
2名は集団に対して徐々にタイム差を広げていき、最後は2名のマッチスプリントに。
小林が前で最後の180度ターンをクリアすると、残り200m付近で両者ともにスプリント体勢に。
フィニッシュライン上でハンドルを投げ合う大接戦となったスプリントは僅差で小林が制す形となった。
11名の逃げ集団がメイン集団ラップ寸前にまで迫る走りを見せた予選1組目
国内UCIコンチネンタルチーム9チーム、JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)のJプロツアー登録クラブチーム10チームの合計19チームのうち、以下の9チーム合計54名(出走は48名)が振り分けられた予選1組目。
・レバンテフジ静岡
・キナンレーシングチーム
・愛三工業レーシングチーム
・宇都宮ブリッツェン
・ヴィクトワール広島
・群馬グリフィン
・イナーメ信濃山形
・アヴニールサイクリング山梨
・稲城フィッツクラスアクト
レース序盤に4名の選手が抜け出すと、徐々に風が吹き出したこと、予選上位25名が決勝レースへと進む形となることもあってか、続々と追走が掛かり、最終的には以下の11名の先頭集団が形成される。
・畑中勇介/山本元喜/新城雄大/宮崎泰史(キナンレーシングチーム)
・渡邊翔太郎/西尾憲人(愛三工業レーシングチーム)
・高梨万里王/床井亮太(レバンテフジ静岡)
・本多晴飛/花田聖誠(宇都宮ブリッツェン)
・小野寺 玲(ヴィクトワール広島)
11名は協調してレースを進めると、後半にはメイン集団のすぐ後方にまで迫る形となり、安全面を考慮したコミッセールの判断でペースコントロールが図られる形に。
一方メイン集団からも更なる飛び出しを図る選手が現れ、谷 順成(宇都宮ブリッツェン)、久保田悠介(ヴィクトワール広島)、渡邉和貴(アヴニールサイクリング山梨)の3名が先行。さらに、サウル・エヴァー(レバンテフジ静岡)も飛び出し、この4名も最後まで逃げ切り、決勝進出への切符を手にした。
残り10枚の切符を争い、メイン集団は集団スプリントに。
愛三工業レーシングチームらが集団先頭に顔をそろえ、以下の25名が明日の決勝進出。キナンレーシングチームや愛三工業レーシングチームが出走全選手の決勝進出を決めた。
・孫崎大樹/畑中勇介/山本元喜/新城雄大/宮崎泰史/白川幸希(キナンレーシングチーム)
・渡邊翔太郎/岡本 隼/ 西尾憲人/草場啓吾/初川弘浩(愛三工業レーシングチーム)
・沢田 時/谷 順成/武山晃輔/花田聖誠/本多晴飛(宇都宮ブリッツェン)
・小野寺 玲/レオネル・キンテロ/久保田悠介/中村圭佑(ヴィクトワール広島)
・高梨万里王/床井亮太/サウル・エヴァー(レバンテフジ静岡)
・渡邉和貴/山里一心(アヴニールサイクリング山梨)
ブリヂストンが圧倒的な力を見せた予選2組目
予選2組目には以下の10チーム合計53名(出走は48名)が振り分けられた。
・チームブリヂストンサイクリング
・シマノレーシング
・スパークルおおいたレーシングチーム
・VC FUKUOKA
・弱虫ペダルサイクリングチーム
・シエルブルー鹿屋
・備後しまなみeNShare
・ベルマーレレーシングチーム
・Team Cyclers SNEL
・さいたま佐渡サンブレイブ
レースは序盤からアタックがかかる展開になるものの、チームブリヂストンサイクリング勢が積極的にペースをコントロールし、逃げを許さない状況を作る。
レース中盤に差し掛かる頃、チームブリヂストンサイクリング勢が先頭を固めると、メイン集団で中切れが発生し始め、先頭はチームブリヂストンサイクリングの6名と、シマノレーシングの3名に。先頭の9名はそのまま逃げ切りを決める形となった。
チームブリヂストンサイクリングのコントロールによって分裂した集団では、セカンドグループが13名となり、上位22名までが確定。残る3枚の切符を巡ってサードグル―プは集団スプリントとなり、田中亮祐(VC FUKUOKA)、阿見寺俊哉(弱虫ペダルサイクリングチーム)、黒枝咲哉(スパークルおおいたレーシングチーム)が決勝進出を決めた。
予選2組目から決勝進出を決めた25名の選手は以下のとおり。チームブリヂストンサイクリングやシマノレーシングが出走全選手の決勝進出を決めた
・窪木一茂/今村駿介/橋本英也/兒島直樹/河野翔輝/山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
・香山飛龍/中井唯晶/山田拓海/石原悠希/寺田吉騎/大仲凜功(シマノレーシング)
・黒枝士揮/黒枝咲哉/沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)
・吉岡直哉/宇賀隆貴/小泉響貴(さいたま佐渡サンブレイブ)
・古谷田貴斗/大河内将泰(シエルブルー鹿屋)
・山口凱生/米谷隆志(ベルマーレレーシングチーム)
・田中亮祐(VC FUKUOKA)
・阿見寺俊哉(弱虫ペダルサイクリングチーム)
・佐藤大志(Team Cyclers SNEL)
徐々に集団の人数が減っていくサバイバルレースとなった予選3組目
予選3組目には学連(日本学生自転車競技連盟)登録の大学チーム、以下の14チーム合計60名(出走は58名)が振り分けられた。
・日本大学
・中京大学
・立命館大学
・立教大学
・日本体育大学
・東京大学
・中央大学
・早稲田大学
・順天堂大学
・鹿屋体育大学
・作新学院大学
・慶應義塾大学
・明治大学
・明治国際医療大学
予選1組目、2組目、同様、3組目のレースも序盤からアタックがかかる展開となるも、ブリッジをかける動きによって集団が縦に伸びながら追いつく展開となる。
神村泰輝(早稲田大学)らがレースを積極的に動かすと、レース中盤にはコース上を走る選手の数が26名に。
この時点でコミッセールの判断によりレース周回数の短縮が決まり、完走した26名全員の決勝進出が確定した。
予選3組目から決勝進出を決めた26名の選手は以下の通り。
・津留 崚/安井悠真/福迫倖輔/梅澤幹太/並江優作(鹿屋体育大学)
・岡本勝哉/菅野蒼羅/新宮颯太/柚木伸元(日本大学)
・高本亮太/松井丈治/榊原健太(立命館大学)
・林原聖真/永野昇海/鈴木 澪(明治大学)
・玉城翔太/泉 颯太(日本体育大学)
・犬伏輝斗/大室 佑(中央大学)
・大前 翔/秋田圭佑(慶應義塾大学)
・中島 渉(立教大学)
・神村泰輝(早稲田大学)
・塩出晧成(順天堂大学)
・阿蘓来夢(作新学院大学)
・清水稜太郎(明治国際医療大学)
3月3日には、1.8kmのコースを30周回する合計54kmの決勝レースが14時25分から、その前段に決勝レースへ進出できなかった選手たちのうち各組45位までに入った選手たちによる1.8kmのコースを合計27kmの交流戦レースが13時25分から、静岡県富士市の中心街である青葉通り特設コースで開催予定となっている。
予選レースで圧倒的な力を見せたチームブリヂストンサイクリングが決勝レースでも力を見せるのか、キナンレーシングチームや愛三工業レーシングチーム、ヴィクトワール広島、スパークルおおいたレーシングチームがスプリント力を発揮するのか、人数をそろえる宇都宮ブリッツェンらがどのようなレース展開を作るのか、地元・レバンテフジ静岡がどのような走りを見せるのか注目だ。
大会WEBサイト
https://fcrr.fujicity.jp/
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