地元・静岡県出身のシマノ・寺田が決勝を制す! 富士クリテリウムチャンピオンシップ
Bicycle Club編集部
- 2024年03月04日
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3月2日から3日にかけて、静岡県富士市で富士山サイクルロードレース2024が開催された。
大会2日目となる3日は、富士市中心街にある青葉通りで富士クリテリウムチャンピオンシップの決勝レースを中心に、交流戦や女子、年代別のレースが開催された。
注目の富士クリテリウムチャンピオンシップ決勝は、最終周回の後半区間で早めに仕掛けた寺田吉騎(シマノレーシング)が大会初優勝を飾り、大会3回目にして初めて地元・静岡県出身の選手が優勝する形となった。
アタックとブリッジにより生まれた16名の逃げ集団がレース前半をリードする
3月2日から3日にかけて、静岡県富士市で富士山サイクルロードレース2024が開催。
大会2日目となる3日は、富士市中心街にある青葉通りで富士クリテリウムチャンピオンシップの決勝レースを中心に、交流戦や女子、年代別のレースが開催された。
メインレースとなる富士クリテリウムチャンピオンシップ決勝のスタートラインには、前日に開催された予選を突破した76名の選手が並ぶ。
開催地富士市の小長井市長によるあいさつを受け、14時29時にレースはスタート。
昨年は逃げ切りの展開となったこともあってか、序盤からアタックが続くなか、7周目に7名の選手が集団から抜け出すと、ブリッジを仕掛ける選手たちがさらにアタックをかけてメイン集団から抜け出し、最終的には以下の16名の選手が先頭集団を形成する。
・沢田 時/谷 順成/武山晃輔(宇都宮ブリッツェン)
・山本元喜/宮崎泰史(キナンレーシングチーム)
・梅澤幹太/並江優作(鹿屋体育大学)
・床井亮太(レバンテフジ静岡)
・中井唯晶(シマノレーシング)
・初川弘浩(愛三工業レーシングチーム)
・レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島)
・山里一心(アヴニールサイクリング山梨)
・佐藤大志(Team Cyclers SNEL)
・宇賀隆貴(さいたま佐渡サンブレイブ)
・玉城翔太(日本体育大学)
・林原聖真(明治大学)
16名の先頭集団は協調してペース維持し、メイン集団に対して40秒程度のタイム差で逃げていく。
BS勢による強烈なペースアップによりレースは振り出しに
16名の逃げ集団ができる中、メイン集団から一切動きを見せず、メイン集団後方に位置するのがチームブリヂストンサイクリング(BS)。
昨日の予選でも圧倒的な力を見せつけ、この決勝レースでも圧倒的な力を見せると思われたBS勢が集団先頭付近にすら姿を見せず、虎視眈々(こしたんたん)と状況をうかがうような走りを見せる。
そんなBS勢がレースを動かし始めたのはレース中盤。
15周目前後にタイムが1分程度になるとBS勢が先頭を固め出し、ラップタイムを10秒程度上げる強烈なスピードアップを見せ始め、先頭集団も少しペースアップを図るものの、1周あたり5秒から10秒ほどメイン集団とのタイム差は徐々に縮まりを見せていく。
タイム差の縮まりを嫌ってか先頭集団からはキンテロが抜け出しを図る場面も見られるが、徐々に先頭集団の人数が減り始めたこともあり、27周目に最後まで逃げ続けた中井と山本がメイン集団につかまる形でレースは振り出しへと戻る。
早めに仕掛けた寺田吉騎が地元出身選手として初めて大会を制す
レース終盤に振り出しへ戻ったこともあり、集団内では集団スプリントに向けて各チームのトレインが主導権争いを繰り広げ始める。
ラスト1周に入るタイミングでもBSやキナン、シマノ、愛三らが先頭を固める中、地元・レバンテフジ静岡所属で、出身も地元静岡県の 高梨万里王が集団後方からラインを1人変え、フィニッシュライン手前の上り坂を利用してアタックしていく。
この動きが惜しくも集団にキャッチされると、富士市役所側の180度ターンで橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)が抜け出し、さらに大前 翔(慶應義塾大学)も飛び出す。
この大前の動きに合わせて寺田吉騎(シマノレーシング)も集団から飛び出すと、残り250mほどで単独で先頭に。
集団先頭からはBSや愛三がスプリントを開始するも、フィニッシュ前が上り坂であったことも影響してか、寺田をつかまえるには至らず、寺田はそのままの勢いでフィニッシュラインを通過。
両手を2回、3回と広げて優勝を喜ぶ寺田が、大会3回目にして初めて地元・静岡県出身者として優勝を飾ることとなった。
寺田はレース前半を「チームとしては前半組と後半組に分かれる作戦を取り、前半組の中井さんが逃げに入ってくれた。中井さんが先頭集団に入ってくれたことで集団コントロールはBSに任せ、チームは集団内で良い位置をキープ。チームとしては先頭集団が逃げ切ったとしても中井さんで勝負することができるし、僕はスプリントに備えて待機していました」と振り返る。
「チームとしては大仲もスプリントができるし、僕もいけるしと、2人ともスプリントできるように話をしていました。途中チームとしてトレインを組める場面もありましたが、最後はなかなか難しい部分もありました。終盤には山田と中井さんが前に引き上げてくれて、ラストは大前さんの動きに合わせて早掛けし、最後は一度踏み切ってしまったんですが何とかもう一度踏みなおして。映像を見直すまで後ろとあんなに離れてるとは思っていませんでした」と最終盤を振り返った寺田だが、自身としては1週間前に開催されたJプロツアー・志布志クリテリウムに続く連勝という形となった。
寺田は「チームとしても個人としても幸先の良いスタートを切ることができました。Jプロツアーでの総合優勝を今年もチームで取れれば、個人としてはUCIレースでの勝利も目指したいです。上りの厳しいレースは難しいですが、平坦なレースやTOJ・相模原ステージぐらいのアップダウンであれば対応できると思うので」と今シーズンの目標を語りつつ、「今年はツール・ド・ラヴニールにも出場したいです。前半の平坦やアップダウンのあるステージで結果を狙いたいですし、でも上りがかなり厳しいので、ラヴニールに向けては体をより絞っていければなと思います」とU23最終年の目標を語った。
交流戦やアジアチャンピオンらが参加した年代別レースの模様
富士クリテリウムチャンピオンシップ決勝の前には、惜しくも決勝レース進出を逃した選手たちによる交流戦や、年代別男子のレースや女子レースが開催。
交流戦では地元・レバンテフジ静岡の夏目天斗がスプリントを制し、女子レースでは前日のレースで2位に入った渡部春雅(明治大学)が小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)とのスプリントを制し、2日間の総合で争われるレースで優勝を飾った。
また、年代別男子のレースでは男子ジュニア+U17のレースに、直前にインドで開催されたアジア選手権のトラックレースで2冠を達成している三浦一真(湘南工科大学附属高等学校)らが出場し、高体連のレースを中心に結果を残す望月 蓮(吉田高等学校)が3名でのスプリントを制した。
リザルト
富士クリテリウムチャンピオンシップ決勝
1位:寺田吉騎(シマノレーシング) 1時間18分24秒
2位:岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +0秒
3位:窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) +1秒
周回賞
10周回目:山本元喜(キナンレーシングチーム)
20周回目:山里一心(アヴニールサイクリング山梨)
敢闘賞
河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング)
富士クリテリウムチャンピオンシップ交流戦
1位:夏目天斗(レバンテフジ静岡)
女子
1位:渡部春雅(明治大学) 31分9秒
女子総合
1位:渡部春雅(明治大学)
2位:小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)
3位:岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)
男子エリート+U23
1位:橋本晴哉(TRYCLE.ing) 40分20秒
男子マスターズ
1位:末岡正充(TONY racing) 28分26秒
男子ジュニア+U17
1位:望月 蓮(吉田高等学校) 27分17秒
U15
1位:倉谷希輝(ORCA CYCLING TEAM) 8分42秒
大会WEBサイト
https://fcrr.fujicity.jp/
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