エロイカジャパンヴィンテージバイクの祭典を走るための「エロイカ入門」|機材編
Bicycle Club編集部
- 2024年04月05日
5月11-12日に静岡県伊豆で開催されるヴィンテージ自転車の祭典「エロイカジャパン」。どんな自転車&スタイルで走ったらいいか古い自転車好きの編集部ニシヤマがやさしくガイド!
今回はエロイカに参加に向け、知っておきたい「エロイカ規定バイク」について詳しく解説する。
エロイカ規定はそれっぽいのでもアリ
世界的ブームであり、日本に上陸して10周年となるエロイカ。ヴィンテージ自転車でちょいキツめ、もしくはゆったりライド楽しめる自転車の祭典だ。つまり、ちょっと古めの自転車×スタイルというコスプレで集うことがポイントで、それゆえ持ってない人には、ややハードルが高い。
発祥のイタリアでは、古い自転車などどこの納屋にも転がっているもので、新車を買うよりむしろ手軽だ。日本では旧車マニアのお宝というイメージがついてしまって、そこが難しいところ。そのハードルを下げたいというのがこの企画だ。
エロイカ規定バイクとは?
エロイカは、本家のレギュレーションがある。分かりやすく解説したい。
基本は1987年以前にあった機構というのがある。超簡単にいうと、①シフターはダブルレバー、②ペダルはビンディングでない、③ブレーキはディスクじゃない、④ホイールは32スポークの手組みっぽいもの、となる。
詳しくはこの後説明するが、いちばん言いたいのは、厳密な旧車じゃなくて、それっぽいのもアリというところ。エロイカに興味があるというニューカマーをBCはサポートします!
Wレバーのシフター
Wレバーの使用がいちばんの鬼門だ。「変速機は、1987年までに開発された機構を使用すること」とある。つまり、89年に登場した手元変速システムが使えない。現在いちばん普及しているシマノのSTIなどが使えないのはキビしいが、ここは乗り越えるしかない。エロイカだと基本鉄フレームになるが、多くはダウンチューブにWレバー用の台座が付いている。左の写真は比較的安く入手しやすいカンパニョーロ・ビクトリーだがオールドパーツだ。Wレバーは現在生産されているものもある。ダイアコンペのエネWシフトレバーが入手しやすい。レバー台座がないという場合は、バーエンドシフターという手も。Wレバーよりバーエンドのほうがレバーが近いので、操作に慣れない人にもいい。このほか、ステムシフター、サムシフターなども使える。
スポーク数32穴以上のホイール
ホイールに関するレギュレーションには「原則32以上のスポーク穴数でサイズ不問、カーボン素材以外のものであるが、1987年以前のリムであれば32穴以下のものは可」ということだ。つまり20インチのミニベロでも大丈夫。古いリムなら、28穴でも使える。カーボンホイールとか飛び道具などでちょっとラクしてない(速さを競うわけではないが)ということだ。とはいえ当日検車があって、スポークを数えたりはしないので、ここはシマノの鉄ゲタ完組みホイールでも大丈夫。旧車のレーサーだとチューブラーだけど、当日パンクからの完全復旧を考えるとクリンチャーのほうが安心かもしれない。もちろんチューブラーの乗り味で楽しみたいなら、交換タイヤを携えていくのもエロイカらしくてよい。それぞれ自分が納得するエロイカスタイルでいいと思う。
シフターなしのブレーキレバー
STIレバーが使えないことにともなって、ブレーキレバーはシフト機構なしのシンプルなものになる。旧タイプのアウターケーブルが触覚のように出ている上出しのレバーも現行品が販売されている。エロイカの常連でもある編集部ニシヤマは、この触覚ケーブルがジャマに感じるので、ケーブルがバーテープの下に入るエアロタイプのブレーキレバーを使っている。エアロレバーは、シマノが80年に開発したものなので大丈夫。ブレーキに関して気になるのは、シマノのデュアルピポットブレーキが使えるかどうか。87年にはなかったけれど、機構自体はドイツのアルテンバーガーが古くに開発したものなので、デュアルピポットブレーキは使える。伊豆のコースは長い下りもあるので、不安を感じる人は制動力の高いブレーキを使ったほうがいいだろう。
トークリップペダル
SPDなどのビンディングペダルは使えないことになっている。なのでペダルに足を固定したい場合は、昔ながらのトークリップ&ストラップを使うことになる。普通よく使われるのは、ケージペダル(踏み板が縦に付いているペダル)だが、通常の柔らかい靴底だと、ケージが足に食い込み、長距離では疲れることも。また靴底に横の溝がある場合、とっさのときに引っかかって足が抜けず慌てるケースもある。ニシヤマのオススメは、ペダル上面がフラットで広い、MKSのGR10だ。トークリップはゼファールのプラスチック製が安価かつ、誤って踏んじゃっても曲がらないのでクリップ初級者向き。ちなみに無理にトークリップを使う必要はなく、フラットペダルで走ってもいい。いろいろ煩わしくなく、自由な踏み面はヒザにやさしかったりする。
フットサルシューズがいいかも!
いまやレアなのがトークリップ対応のサイクリングシューズ。ヴィンテージな革靴など高価だ。代用品として、フレンチブランドのパトリック製スニーカーがよく使われる。ニシヤマが見つけたお気に入りはフットサル用シューズ、先に厚みがなく、靴底もフラットでそこそこ固い。これでイタリアのエロイカミドルを走った。踏み心地は抜群、かつ押し歩く場面もあり、靴としての歩きやすさもいいのでおすすめだ。
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▼イベントの魅力はこちらの記事をチェック!
エロイカライドイベント
5月11日(土)
・エロイカフレンドライド30、80(仮称)
・パレードラン
5月12日(日)
・エロイカクラシック: Samurai(Long)、Odoriko(Middle)、Fuji80、Fuji30
エロイカビレッジフェスティバル
5月11日~5月12日
・チャオイタリア(メイン会場)
備考
主催:エロイカジャパン(株式会社EXプランニング)
主管:エロイカジャパンイン伊豆半島実行委員会
問:エロイカジャパン本部(japan@eroica.cc)
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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