シマノのグラベル用コンポ、12速の新型「GRX」が遂にDi2化へ|SHIMANO
Bicycle Club編集部
- 2024年05月24日
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シマノが誇るグラベル用コンポ、新型GRXにDi2仕様が追加された。ここでは「2×12スピードの電動変速Di2仕様」となったコンポの特徴やスペックを見ていこう。
2×12スピードのDi2仕様のグラベルコンポ「RX825」シリーズ
シマノが誇るグラベル用コンポ、新型GRXにDi2仕様が追加された。
初代GRXが発表されたのは2019年。当時は10速と11速のラインナップだったが、2023年には12速となった第二世代へと進化。ただし、12速となっていたのは機械式変速の「RX820シリーズ(アルテグラグレード)」と「RX610シリーズ(105グレード)」のみだった。
そこに、Di2仕様の「RX825シリーズ」が追加される。快適性と悪路でのコントロール性をさらに高めたデュアルコントロールレバー、正確なシフティングを実現するフロントディレーラー、チェーンスタビライザーシステムを搭載したリヤディレーラーの3製品が加わった。なお、今回発表されたのは2×12速仕様のみ。
現行のデュラエース・アルテグラ・105と同様に、Di2システムはレバーがワイヤレス/前後ディレーラーがバッテリーと接続されるというセミワイヤレスシステムを採用。
ギヤ比の選択肢は、フロントが48-31T(RX820クランク)、スプロケットは11-34T(R9200系デュラエース、R8100系アルテグラ、R7100系105)と11-36T (HG710)の2種類。計4種類の組み合わせが可能で、さまざまな地形に対応する。
SHIMANO GRX ”RX825” シリーズの特徴や進化ポイント
グラベルライドに集中できる新型レバー(ST-RX825)
価格:9万3,474円(ペア)
デュアルコントロールレバーは悪路走行にフォーカスした新設計。ブラケットにはリブ状のテクスチャー、ブレーキレバーには滑り止め加工が施され、路面の振動が激しいライドでも安定した操作を可能とする。フレアハンドルに最適化されており、ブラケット~ハンドルバーがシームレスにつながるようなデザインとなった。
前モデルであるRX815シリーズと同様に、ブラケット先端の内側に3つめのDi2ボタンを配置。変速スイッチとしてはもちろん、サイクルコンピューターの画面スクロールなどの操作にも使用できる。電源はボタン電池(CR1632)で、電池の寿命は3.5~4年。
オプションとしてDi2サテライトスイッチも用意され、変速、ライトやサイクルコンピューターの操作、ワークアウト中のラップボタンとしての機能を割り当てることが可能となる。
SPEC
- 2×12スピード
- ワイヤレスDi2接続
- 油圧ディスクブレーキ対応
- グラベルライドに特化したレバーとブラケット形状
- 3つのボタンはE-TUBE PROJECT Cyclistアプリでカスタマイズ可能
- ボタン電池使用(CR1632×2、交換時期3.5~4年)
- 重量:415g(ペア)
荒れた路面でも正確な変速を可能とするリアディレーラー(RD-RX825)
価格:4万8,601円
新型GRX Di2のリアディレーラーは、SHIMANO SHADOW RD+テクノロジーを搭載し、荒れた路面でのチェーンのバタつきを抑えて静かでスムーズな変速を実現している。また、充電ポートとファクションボタンを備えており、バッテリー残量の確認、Bluetooth経由でのペアリング、調整モードへの切り替えなども操作可能。対応するスプロケットは11-34Tと11-36Tの2種類。
スタビライザー機能
RX825リアディレーラーには、SHIMANO SHADOW RD+テクノロジーを搭載。SHIMANO SHADOW RD+はスタビライザーのオン/オフスイッチを備えており、ライド時にオンにすることで、ドライブトレインに張力がかかり、荒れた路面でもチェーンのバタつきを抑え、より静かな乗り心地とより正確なシフトが可能になる。
受信機側の操作はリアディレイラーでおこなう
またリアディレーラーは自身がワイヤレス通信機能を持ち、シフトレバー、互換性のあるサイクルコンピューター、およびE-TUBE PROJECT Cyclistとの接続を行える。
さらにシステムの充電ポートとファンクションボタンも搭載。ディレーラーのバッテリー残量の確認や、Bluetooth経由でのペアリング、調整モードへの切り替え等もリアディレーラーで操作可能。
SPEC
- 12スピード
- SHIMANO SHADOWRD+ チェーンスタビライザー
- ワイヤレス通信に対応
- 充電ポート付き
- 最大フロントギヤ歯数差:17T
- トータルキャパシティ:40T
- 対応トップスプロケット:11T
- 対応ロースプロケット(最小/最大):34T/36T
- 重量:310g
ワイドなタイヤに最適化された専用設計(FD-RX825)
価格:2万4,736円
これまでのGRXシリーズと同様に、ロード用フロントディレーラーに対し+2.5mmのチェーンラインを採用しタイヤクリアランスを確保。より幅広いタイヤの使用や高い泥抜け性能を発揮するフロントディレーラー。
新機能となる「FRONT SHIFT NEXT」が加えられたこともトピックだ。「FRONT SHIFT NEXT」は、これまでシフトアップとシフトダウンを別々のボタンで操作していたフロント変速を1つのボタンで実行できる、12スピードのDi2製品に搭載された新機能。これにより、シンプルで直感的なシフト操作を実現する。E-TUBE PROJECT CyclistアプリとDi2のファームウェアを最新版にアップデートすることで設定が可能となる。
フロント変速の操作を容易にするだけでなく、カスタマイズ性が広がることもメリット。例えばこれまでフロント変速に使用していたスイッチの1つを、サイクルコンピューターの操作やライトのオン/オフといったアクセサリーの操作に設定することで、レバーから手を離すことなく安全な操作が可能となる。レバーから手を離しにくいグラベルライドでは大きな利点となるだろう。
SPEC
- 2×12スピード
- チェーンライン:47mm(ロード用FD比+2.5mm)
- 対応アウターギヤ:48T
- キャパシティ:17T
- 重量:142g
クランクとスプロケットはそれぞれ2種類から選択可能
メカニカル変速のRX820シリーズと同様に、ライダーは48/31Tのクランクが使用可能。同様に、カセットは11-34Tまたは11-36Tのいずれかを選ぶことで、使えるギア比が多く、様々なフィールドでも快適なケイデンスでのペダリングも可能になる。
GRX RX825 Di2 対応ギアコンビネーション
- 48/31T RX820 クランク
- 11-34T R9200 , R8100 , R7100 カセット
- 11-36T HG710 カセット
グラベルライドに対応する「GRX Di2」は、現行の「12スピードDi2コンポ」と同様のパフォーマンスを発揮
12スピードのDURA-ACE、ULTEGRA、SHIMANO 105 Di2と同様に、新しいGRX Di2はフロントとリアのディレーラーに長時間安定した電力を供給する内蔵バッテリーと直接接続し、従来のDi2仕様で必要だったジャンクションは不要。また、バッテリーはフレームに内蔵されるため、グラベルライダーが遭遇する様々な路面や気候の変化にも安心して使える。
操作ボタンが増えたDi2 ワイヤレスコックピット
グラベルライドに求められる、ライドに集中できるコックピットを提供する。デュアルコントロールレバーには、リブ状のテクスチャーを備えたブラケットフードと滑り止め加工を施したブレーキレバーを採用。路面の振動が激しいライドでも安全性を提供する。
前モデルGRX RX815 Di2のデュアルコントロールレバーと同様に、ブラケット先端の内側に3つめのDi2ボタンを配置。安全なブラケットポジションから操作が可能に。変速スイッチとしてはもちろん、サイクルコンピューターの画面スクロール等対応アクセサリーの操作にも使用できるこのボタンで、シマノDi2システムの快適性を体験できる。
デュアルコントロールレバー形状は、グラベルライドに最適化されたボディを採用し、フレアハンドルバーとのシームレスな統合を実現。丸みを帯びたフォルムにより、ハンドルバーとブラケット間で手の移動がスムーズに行える。また、手のひらの位置にフラットなスペースが生まれることで、手のひらへの圧迫感を軽減する。
オプション:Di2 サテライトスイッチ
さらに新しいGRX Di2では、サテライトスイッチが使用可能で、グラベルレースでのDHバーにも対応する。ハンドルのフラット部、下ハンドル、エアロバー、いずれのポジションであっても、サテライトスイッチを配置することで、ライダーは体勢を変えることなくライディングに集中できる。GRX Di2デュアルコントロールレバーの3つめのボタンと同様に、これらのサテライトスイッチには、変速、互換性のあるライトやサイクルコンピューターの操作、ワークアウト中のラップボタンとしての機能を割り当てることが可能だ。
既存システムの「E-TUBE PROJECTカスタマイズ」と新機能「FRONT SHIFT NEXT」
E-TUBE PROJECT Cyclistアプリでは、マルチシフト(多段変速)の設定や、シフトボタンへの機能設定、シンクロナイズドシフトやセミシンクロナイズドシフトのカスタマイズ等、様々なモードの設定を行うことが可能。GRX RX825 Di2もこの既存アプリ&システムに対応している。
“FRONT SHIFT NEXT”はこれまで2つのボタンで操作をしていたフロント変速を、1つのボタンで実行できる12スピードのDi2製品に搭載された新機能。E-TUBE PROJECT CyclistアプリとDi2のファームウェアを最新版にアップデートすると、E-TUBE PROJECT Cyclistアプリからの設定が可能だ。
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