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よりよいパフォーマンスを求めて――新城幸也とRC9 S-PHYREの良い関係|SHIMANO

日本のプロロードレーサーで高い知名度を誇る選手といえば、新城幸也(以下、新城選手)だろう。世界の3大グランツール、ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャを完走し、39歳のベテランとなった今もUCIワールドツアーチームの強豪、バーレーン・ヴィクトリアスに所属し第一線で活躍を続けている。

プロチームといえば、使用する自転車やコンポーネント、ヘルメットなどの機材にはすべてスポンサーがついている――と思う人もいるかもしれない。しかし、バーレーン・ヴィクトリアスでは2020年のシーズンからシューズ選びを各選手に委ねるようになり、新城選手が選んだのはシマノだった。2024年の現在にいたるまで、シマノのハイエンドモデル、RC9 S-PHYRE(エスファイア)シリーズを履いている。

バーレーン・ヴィクトリアスの創設時から活躍する新城幸也選手。日本代表として2012ロンドン五輪、2020東京五輪、2024パリ五輪の自転車ロードレース代表に選出されるなど、名実ともに日本のトップ選手だ

転機は2019年のサイクルモード

新城選手がシマノを選んだ理由はどのようなものだったのだろう? シューズに対するこだわりなども紐解いてみたい。

新城選手がビンディングシューズを履き始めたのは高校生のころ、「確かシマノでした」と話す。プロ選手になってからはチームをサポートするメーカーによる提供を受けてきた。2003年~2008年がシマノ、2009年がシディ、2010年~2015年がスペシャライズド、2016年がノースウェーブ、2017年~2019年に再びシディだ。
そして、2020年にシューズの契約がフリーになるのを機に、自分はどのメーカーのシューズを履きたいかを考えて、シマノにコンタクトを取ることを決めた。
その理由は、「『信頼できる、多くのプロ選手が履いている、過去に履いて良かった印象を覚えていた』からですね」、と新城選手。2019年のサイクルモードの会場でシマノのブースに足を運び「来年のシューズを探しています」と切り出した。
「シューズが自身の足に合うかどうか、そこが重要でしたので試し履きをお願いしました。以前、僕もシマノを履いていたとはいえ、S-PHYRE(エスファイア)が生まれる前のことでしたし……」。
全長が違うサイズ、横幅がノーマルタイプ、ワイドタイプなどをひと通り試すなかで、シマノのシューズに、「ソールの反りが穏やかになった」「革がやわらかい」「ボアダイヤルが機能的でいい」などの進化を感じるとともに、履いたときに足にピタッと合う感触が気に入った。
「もしよろしければサポートをお願いできますか」と話が進み、新城選手はシマノと契約を結んだ。

プロ選手となって多くのメーカーのシューズを履き、2020年に自らの意思でシマノを選択

シューズは肌身離さず持ち歩く

長年、選手生活を続けてきた新城選手はシューズの扱いも丁寧だ。
「自転車やヘルメット、アイウエア、ジャージなどは他人のものでも使えますが、シューズはさすがに自分のものでないと良いパフォーマンスが発揮できません。常に手元に置いておきたいので、飛行機で遠征する際にシューズは必ず機内持ち込みにしています」
自転車を始めたばかりの方は、クリートの位置などはあまり気に留めないかもしれないが身体に合わないものを使うことは、コンマ一秒のタイムを競うプロには致命的。シューズは肌身離さずに機材ロストによるトラブルを避けている。これは海外の多くの一流選手も実践しているそうだ。
「メンテナンスについても、自転車やヘルメットはチームが保管してスタッフが整備しますが、シューズは自分で行っています。プロ選手として多くの人に見られる立場ですので、レース前はもちろん、トレーニングで汚れしまったら必ず清掃して綺麗に保っています」

シューズの持ち運びやメンテナンスは自身が責任をもって行う

ちなみに、シューズのクリートの位置は、ペダル軸の上に母指球が来るようにセッティングしている。左右の位置も対象で、片脚が真っすぐ踏めるのに、もう一方の足は内側に入ってしまうor外側に出てしまうといったことにならないようにしている。
「結果的に母指球で合わせるとどんなペダリングもしやすいです。もしも、この状態でかかとの上がりが早いなどを感じるなら、それはペダリングのクセですので、クリート位置をつま先寄りにするなどして調整を進めていくといいと思います」

クリートはつま先寄りでも後ろ寄りでもなく、ペダル軸に上に母指球がくるスタンダートな位置に合わせている

ベストな選択、それがRC903

シューズに求める要望は、「痛くない」「疲れにくい」「強く締められる」「通気性がいい」、「高いケイデンスでペダリングしやすい」「パワーを出しやすい」など人それぞれにある。新城選手は次のように話す。
「僕の優先順位は、『ストレスなく快適に200kmを走れるシューズ』です。たとえば、気温の低い日のレースは快適でも、暑い日には足がむくんでシューズに当たったりすることがあります。そうなると、パワーを出しやすいとかを語る以前に、単に足が痛いだけのシューズになってしまいます。どんな状況でも痛みが出にくいものを選ぶのが一番です」

シューズ選びはストレスなく履けることが大切。それが良いパフォーマンスにつながる

今履いているRC9(RC903)の印象はどうだろう?
「一つはロードレース用シューズとして軽く仕上がっていること。もう一つは、2つのボアダイヤルで足全体を同じように締めることができ、締めたときに足全体が包み込まれるようなフィット感を気に入っています。1カチ(ボアダイヤルを1クリックする)ごとに細かく調整できるのもいいですね」

さらに、雨の日のライド後にシューズの乾きが早いとも。
「雨水を含んで重量が重くなってしまうシューズがあるなかで、RC903は水はけが良いというか濡れても乾きやすいですね。使われている革(マイクロファイバーレザー)の特性なのかもしれません」
サラサラな状態を保ちやすいと快適性は高くなるし、水を含みにくいならペダリング時に足が重くなるようなことも少ないといえるだろう。

RC9はライダーの足を包み込む360°サラウンドラップ構造を採用。ボアダイヤルの調整も細かく望んだフィット感を得られやすい

新城選手からシマノに提案することもある。
「僕の場合、足の外側のちょっと膨らんだ筋肉みたいなところにボアの位置がくるので、それを少しずらせたらと思い、『足首側、甲のストラップを5mm伸ばしてほしい』と話しました。ただ、エンジニアの方はいろいろ計算したうえで製品化していますので、一部分を変えるとせっかくの良いフィッティングが変わってしまう可能性もあります。そうした事情も含めて『何か役に立てればいいな』と考えています」

新城選手&ARSRシューズに注目!

RC9には新城選手専用のスペシャルカラーのモデルもある。それが彼の故郷の石垣島の青い海をモチーフにしたARSR(アラシロ)モデルだ。かかと部のS-PHYREのロゴの下には、出走した各グランツールの国名コード(IT、FR、ES)とそれぞれの出走回数、ならびに五輪の出場回数が記されている。
「シューズのサイドに入ったARSRのロゴは青色のグラデーションのように見えますが、実は石垣島の風景の写真を加工して使っています。細部まで作りこまれていて自身のレース歴も入れていただけるなど、とてもうれしかったです」

本稿のインタビュー時は、まだチームメイトにお披露目できていなかったそうだが、今後、出場するレースで履いていくとのこと。バーレーン・ヴィクトリアスは10月に開催される宇都宮ジャパンカップの出場を予定しているので、新城選手&ARSRシューズの雄姿を間近に見られる可能性も高い。要チェックだ。

石垣島の風景をアクセントに入れたARSRモデル
赤×黒の日の丸デザインのRC903は、2022年の全日本選手権優勝を記念してシマノからプレゼントされたもの。ある日、新城選手と同じアンドラに住んでいるジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ→2025年はUAEチームエミレーツへの移籍情報あり)から、「僕も一足欲しい」、といわれたことも(笑)

シューズは欠かすことできないマテリアル

「2020年はチームに所属していた選手にとってキーになる年だった」、と話す新城選手。今日までの4年間を次のように振り返る。
「シマノのサポートを受けて、ジロを走り、ブエルタを走り、東京五輪、パリ五輪も走ることできました。良いパフォーマンスを続けてこられたのは、マテリアル(機材)がすべてそろっていたからこそ。とりわけ、シューズがもたらす力は大きく、シマノさんとのつながりは非常に良い巡り合わせ、良い出合いだったと確信しています」

RC9 S-PHYRE(SH-RC903)

価格:56,650円(税込)
カラー:ブルー、ホワイト、ブラック
サイズ:スタンダード36~48、ハーフサイズ39.5~43.5
ワイドタイプあり
ソール剛性:12
重量:225g(サイズ42)

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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