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4年の渡邉和貴が有終の美を飾る!大学対抗は日本大学が4連覇を達成|インカレロード

9月16日に群馬県みなみかみ町の群馬サイクルスポーツセンターにて文部科学大臣杯第79回全日本大学対抗選手権自転車競技大会(インカレ)の男女個人ロードレースが開催された。

台風10号の影響で当初の予定から2週間遅れとなり、開催地も長野県大町市の美麻地区公道周回コースから群馬サイクルスポーツセンターの6kmサーキットに変更となった今大会、女子はトラックパリ五輪代表の池田瑞紀(早稲田大学)が、男子は渡邉和貴(順天堂大学)がそれぞれ優勝。

トラックレースとロードレースでの総合で争われる大学対抗は、女子は早稲田大学が、男子は日本大学が優勝という結果となった。

日程延期による代替地での開催となった2024年のインカレロード

9月16日に群馬県みなみかみ町の群馬サイクルスポーツセンター(以下、群馬CSC)にある6kmサーキットコースにて、文部科学大臣杯第79回全日本大学対抗選手権自転車競技大会(以下、インカレ)の男女個人ロードレースが開催された。

当初は9月1日に昨年同様長野県大町市の美麻地区公道周回コースにて開催予定だったインカレロードだが、大会直前に日本列島へ上陸した台風10号の影響で9月1日の開催を日本学生自転車競技連盟(以下、学連)は断念し、延期もしくは中止を検討。

その後9月16日に群馬サイクルスポーツセンターでの開催が可能となり、学連は日程延期および開催地を変更する形でインカレロードを開催。群馬CSCでは3年ぶりのインカレロード開催となった。

また、男女それぞれのスタート前には一昨年のインカレロードで亡くなられた塩谷真一朗さん、昨年のツール・ド・北海道で亡くなられた五十嵐洸太さんへの黙祷が捧げられた。

早大・池田瑞紀が女子ロードレースでも優勝し、トラック・ロード通じて4冠を達成

スタート時には霧が立ち込めた
BBモトのBBにはぐんまちゃんが!

6kmのコースを10周回する合計60kmのレースとして開催された女子個人ロードレース。

人数を揃える早稲田大学が積極的にレース展開する(先頭は大蔵こころ)
5周目には集団は4人に絞り込まれた

23名の選手がスタートを切ると、序盤から人数を揃える早稲田大学勢や昨年2位の渡部春雅(明治大学)が積極的にアタックや集団コントロールを繰り返し、4周回目には先頭は7名、そして5周回目には以下の4名が先頭集団という形に。

  • ・石田唯/大蔵こころ/池田瑞紀(早稲田大学)
  • ・渡部春雅(明治大学)
積極的にアタックを繰り返す渡部春雅(明治大学)
4名のまま最終周回へ

 

その後も渡部が積極的にアタックを繰り返し、一時は池田との2名になるような展開となるも、石田と大蔵も追いついて4名のまま最終周回へ。

石田唯(早稲田大学)が落車により脱落し、3名に

最終周回で石田が落車する場面があり、残り1km地点に先頭が姿を見せると先頭集団は大蔵、池田、渡部の3名に。

池田瑞紀(早稲田大学)が渡部春雅(明治大学)とのマッチスプリントを制す

最後は池田と渡部のスプリントとなり、池田が6月に開催された学生選手権個人ロードレースに続き、見事インカレロードを制す形に。池田はトラック・ロード通じて今大会4冠を達成した。

優勝した池田は「結果的に優勝することはできましたが、先頭4名の中では一番力がなかったです。(石田)唯さんが終始先頭を牽いてくれて、(大蔵)こころさんや(渡部)春雅さんのアタックにも反応することができなくて。」と言う。

渡部のアタックで2名と2名に分かれたように見えた場面について伺うと、「私としてはあれは2名、2名に分かれたのではなくて、1名、1名、2名です。春雅さんについていかなきゃいけなかったのについていくことができませんでしたし、あの後こころさんと唯さんにもついていけなくて。」と池田は納得できる走りではなかったと語る。

「4冠達成はできましたが、上で走るならもっと力をつけなければならない。パリオリンピックで学ばせてもらったことは本当に大きいですし、この経験をロサンゼルスオリンピックにつなげることが私の役目だと思っています。もっと力をつけて、直近では10月の世界選手権に向けてしっかりと練習していきたいと思います。」と今後の目標を池田は語ってくれた。

トラック・ロード通じても早稲田大学が優勝した

大学対抗では、ロードレースでは早稲田大学が、トラック・ロード通じても早稲田大学が優勝という結果となった。

順大・渡邉和貴が有終の美を飾る、大学対抗は日本大学が4連覇を達成

レーススタート前に天候が急転、雨の中でのレースとなった

6kmのコースを25周回する合計150kmのレースとして開催された男子個人ロードレース。女子のレースでは好天の中での開催となったが、男子のレーススタート前に天候が急転、雨の中でのレースとなった。

1周回目から森本凛太郎 (日本大学)がアタックし、集団から先行

148名の選手がスタートを切ると、1周回目から森本凛太郎 (日本大学)がアタックし、集団から先行。

2周回目の上り区間では森本から集団が見える位置でレースが展開される

2周回目の上り区間では森本から集団が見える位置でレースが展開されるも、日本大学や中央大学が集団先頭を固め、森本とのタイム差が徐々に広がっていく。

日本大学や中央大学が集団先頭を固め、森本とのタイム差が徐々に広がっていく

森本と集団とのタイム差は4周回目で1分以上、7周回目には3分以上開き、半分程度の距離を消化したタイミングで5分近くまで広がる。

集団からも時折飛び出す選手が現れるものの、追走のような動きとはならず、どちらかと言えば様子見、集団の人数を減らすような動きに留まる。

残り10周回を切ったタイミング数名の選手が追走の動きを見せる(左は大山航平、右は佐藤愛祈)

そんな中、残り10周回を切ったタイミングで佐藤愛祈(明星大学)が集団からアタックすると、数名の選手が追走の動きを見せ、最終的に以下の10名の追走集団が出来上がる。

  • ・北嶋桂大/鎌田晃輝(日本大学)
  • ・佐藤愛祈/遠藤大樹(明星大学)
  • ・渡邉和貴(順天堂大学)
  • ・中島渉(立教大学)
  • ・山田拓海(早稲田大学)
  • ・島崎将男(中央大学)
  • ・宇田川塁(法政大学)
  • ・森田叶夢(京都産業大学)
10名の追走集団(先頭左は島崎将男、右は宇田川塁)

この追走の動きにより、森本とのタイム差が徐々に縮まり始める。

メイン集団は明治大学が積極的にコントロール

一方、メイン集団は追走集団に選手を送り込むことができなかった明治大学が積極的にコントロールし、こちらも森本とのタイム差を縮めていく。

終盤までレースを単独でリードした森本

残り4周回の時点で森本とのタイム差が追走集団は1分30秒、メイン集団も2分30秒程度まで縮めると、残り3周回でメイン集団が追走集団を吸収し、さらに残り2周回で森本も吸収。最終盤でレースは振り出しへと戻ることとなった。

この時点でメイン集団は30名~40名程度にまで絞られると、その後レースの展開を左右するような動きがないまま残り1kmのバックストレート区間へと集団が姿を見せる。

集団スプリントを制した渡邉和貴(順天堂大学)

最後は近年のインカレロードでは珍しく集団スプリントとなり、残り100mを切って先頭に立った渡邉がそのままの勢いでスプリントを制し、大学4年生で初めて大きなタイトルを獲得、有終の美を飾ることとなった。

大学対抗では3位、4位、5位を獲得した日本大学がトラックレースに続き、ロードレースでも優勝、トラック・ロードを通じた総合でも圧勝を見せる形となった。

優勝した渡邉和貴(順天堂大学)

優勝した渡邉は「最高です」と優勝の喜びを口にすると、選手権では2位、3位が続き、今回が初めてのタイトルだと言う。

序盤の展開については「順天堂大学としても個人としても前半の逃げには反応しないと決め、後半勝負に備えていました。10名以上が逃げる形になるのはまずいなと思っていましたが、森本選手が単独で飛び出してくれたので安心して後半に備えることができました。」と渡邉は語り、「ただ森本選手の逃げが予想以上に強くて、少し焦る部分もありました。一番マークしていた山田(拓海、早稲田大学)選手が後半に入って目の前でアタックして、これは反応しなきゃという思いですぐにチェックに入りました。」と10名の追走集団ができたタイミングについて語る。

「追走集団としてのペースコントロールは狙い通りでしたが、予想以上にメイン集団のペースも早くて。少人数でのスプリントを狙っていて、メイン集団にキャッチされると日大の岡本(勝哉)選手とかとのスプリントは分が悪いなと考えていた中でメイン集団にキャッチされてしまったので少し焦りはありました。」と渡邉は思い通りのレース展開に持ち込むことはできなかったと語るが、「最終周回は鎌田(晃輝、日本大学)選手の番手を離さないようにして、スプリントでは残り100mを切ってから前に出た感じです。勝つ自信はありました。」と自信をもっての勝利だったという。

「選手を続けていきたいと思っていますし、目標としては25歳までにエリートの全日本選手権を優勝したいと思っています。全日本選手権を勝てていないのに海外へというのは僕個人としては早すぎると思っているので。」と渡邉は今後の目標を語ってくれた。

速報リザルト

女子個人ロードレース

1位:池田瑞紀(早稲田大学)
2位:渡部春雅(明治大学)
3位:大蔵こころ(早稲田大学)

女子ロード部門総合成績

1位:早稲田大学
2位:明治大学
3位:中京大学

女子総合成績

1位:早稲田大学
2位:鹿屋体育大学
3位:日本体育大学

男子個人ロードレース

1位:渡邊和貴(順天堂大学)
2位:中島 渉(立教大学)
3位:阿部 源(日本大学)

男子ロード部門総合成績

1位:日本大学
2位:順天堂大学
3位:立教大学

男子総合成績

1位:日本大学
2位:中央大学
3位:早稲田大学

高木秀彰賞

女子:早稲田大学
男子:順天堂大学

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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