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最初の一台にも、ステップアップの2台目にも、あるいは行き着く先として|Specialized Aethos

バイクインプレッション記事で取り扱う車種の多くが、プロレーサーが乗るハイエンドモデルであり、扱いこそピーキーかもしれないが、そこには自然と美辞麗句が並ぶことになる。今回はスペシャライズドの「Comp」「Sport」グレードのバイクに乗る。S-WorksProExpertに続くCompそしてSportは、入門者や中級者のための価格帯設定とグレードに位置づけられるが、果たしてそのバイクの素性はいかほどか。私見だが「最もスペシャライズドらしい」バイクであるAethosで、その真価を見極めたい。

スペシャライズドの提唱する「3 Icons」はブランドの中核をなす3車種Tarmac、Aethos、Roubaixを表現したもの。Tarmacには「勝利」、Roubaixには「挑戦」が掲げられているが、Aethos が「自由」を体現するバイクであることはS-Worksモデルのライドですでに記した通りだ。だが販売価格では1/3以下のCompグレード、1/4以下(!)のSportにそのエッセンスは息づいているのだろうか?

誰でも長く付き合えるバイク、Aethos

先にAethosのことを「最もスペシャライズドらしい」バイク、と書いた。テクノロジーによって超軽量フレームに仕上げらながらも、それをレース用ともヒルクライム用とも定義せず、語弊を恐れず言えばサンデーライダーのための上質バイクとして作り込んでしまったからだ。そんな芸当、技術面でも発想面でも、あるいはマーケティング面でもスペシャライズドにしかできないことだ。

そしてその走りが本当に素晴らしい。私は個人的にAethos Proに乗っているが、癖が少なく、常にこの自転車に乗っていたいと思わせるマジックが働く。軽く取り回しのよいこと、軽快なライドフィールに直接起因するものだと思われるが、シンプルで所有欲の向こう側に位置するデザインもまた、飽きずにこのバイクに乗りたくなる理由だと思う。

今回乗ったSportは、105機械式コンポにDTスイスのアルミホイールであるR470を履くなど上位グレードと比べると重量のかさむアッセンブル(それでも56サイズで完成車重量7.8kgという脅威的な数字ではある)。しかし、一度走り出してしまえば、まったくもってパーツやフレームのグレードのことなど気にならなくなる。そこには、Aethosの走りがちゃんとある。走りが損なわれていると感じたなら、それはカタログスペックに毒された凝り固まった思考を疑った方がいい。Aethosはパーツグレードによるバイク全体の印象が最も変化しないバイクだという印象だ。その意味で、「スペシャライズドらしい」一台を妥協せず求めるのに最適な一台だ。

ではAethosの走りとはどのようなものか。それは、軽快さに裏打ちされた加速感、とりわけ登り坂での踏みに直接答えてくれる絶妙な剛性バランスであり、下り坂で狙ったライン通せる安心感であり、ロードバイクに乗る喜びが常に湧き上がってくるような、その走りにある。S-Worksモデルはそれが先鋭化されていたが、私が乗るPro、さらにこのCompには、スタンダードなロードバイクとしての基礎型がある。最初の一台にも、ステップアップの2台目にも、あるいは行き着く先として選べる。Aethosとは真に稀有なバイクだ。

女性ランナーの目線で見たAethos

今年からAethos Compに乗る福内櫻子さんは、生粋のランナー。ロードバイクに乗り始めたのは最近だというが、「ランニングよりも速度が速いから、走っている最中は集中力を問われる。研ぎ澄まされて、もっとスピードを出そうと頑張っちゃう。それが楽しい」と笑う。

「ランニングもそうですが、運動している時にはしっかり追い込みたいタイプなんです。自転車はランニングと違って立ち止まれないし、バイクを降りて一息つく、なんてことはしたくない。先日も野沢温泉村の13kmのヒルクライムイベントに出場して、すごくきつかったけれど、走り切れました。きつい坂では蛇行して進むんだ! なんて走りながら新たな発見もあって」と目を輝かせる。

数あるバイクにあって、Aethosは福内さんのようなライダーにぴったりだと思える。決してレース文化を押し付けるのではなく、自らの走りたい欲求のまま、走りたいスタイルでのロードライドをもたらしてくれるバイク。そしてやはり、他に類するもののないデザイン性も魅力に感じたという。

「そもそもはカッコいいから自転車を始めたいと思ったんです。ロゴが大きい、ゴツゴツしたバイクもあると思いますが、Aethosのシンプルで細身なデザインが気に入りました。スマートなバイクだと思います。」

福内さんとAethosは、長い付き合いになりそうだ。そしてその間、彼女を失望させることはないだろう。なおも笑みをたたえて、こう締めくくるのだった。

「今日初めてヤビツ峠を走りましたが、これぐらいの登りならば全然いけます。」

Aethos

Aethos Sport SHIMANO 105 完成車価格:385,000円

商品詳細はこちら

Aethos Comp SHIMANO 105 DI2 完成車価格:495,000

商品詳細はこちら

シンプル・イズ・ベストなヘッド周りのグラフィック
Compに設定されるグロスデューンホワイト/メタリックスプルースカラーには気品すらある
Sportに採用されるコンポは機械式の105。シマノにおける現行の機械式コンポとしては最新のものであり、引きは軽くなんら不満はない
Sport CompにもS-Works と同じカーボン製のRoval Alpinistシートポスト
SportCompに用いられるカーボンはFACT CARBON 9RS-Works12Rとここに違いがある
丸型シートポストを採用しているため、好みのものに入れ替えることも可能。だが付属のRoval Alpinistシートポストも136g300mm)と完成されている印象だ
ホイールはSport、CompともにDTスイスのR470。タイヤはスペシャライズド・ターボプロの28C
機械式コンポでも、ダウンチューブ上部からワイヤーを引き込めるため、全体としてバイクのルックスはスマート
105のクランクセットで剛性が足りないという者はそうそういないだろう
自転車の価格高騰が叫ばれる昨今だが、Aethosの走りがアンダー40万円で得られるSportグレードはマーケットキラーになりうると実感した

▼Guest rider: 福内櫻子

ランニングインフルエンサー、モデル。学生時代は5000m、10000m、ハーフマラソンに取り組み、現在はランニングが身近なライフスタイルを表現。「ランニングもサイクリングも、ハァハァ言いたい」と根っからのアスリート。Instagramはこちら

それぞれに個性豊かなスペシャライズド 3 Icons

スペシャライズド が提唱する3 Iconsのバイク「Tarmac」(勝利)「Roubaix」(挑戦)「Aethos」(自由)全てのS-Worksグレードにこれまで乗った。

勝利を命題付けられた、スペシャライズドのピュア・ロードレーシングマシン、Tarmac。そのS-Worksグレードに乗った最初の感覚は意外にも「楽しい!」というものだった。

▼金精峠を走った「Tarmac」の記事はこちらから

溶け合うクライミングバイクとエアロロードの境界線|Specialized S-WORKS TARMAC SL8

溶け合うクライミングバイクとエアロロードの境界線|Specialized S-WORKS TARMAC SL8

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フューチャーショックを搭載し、走れる道を拡張するロードバイクRoubaix。その走行性能の高さは登坂とグラベルが入り交じるコマクサ峠のライドで真価を発揮した。

▼コマクサ峠を走った「Roubaix」の記事はこちらから

未だ見ぬ地平へ飛び込むためのバイク|Specialized S-Works Roubaix SL8

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2024年07月19日

「ライドをそのものとして楽しむ」ためのバイクがAethos。軽量バイクとして注目されることも多いが、その本質は優れたライド体験にある。富士スバルラインの20kmに及ぶ登坂では、このバイクをじっくりと味わった。

▼富士スバルラインを走った「Aethos」の記事はこちらから

富士スバルラインで味わった自由の感覚|Specialized S-WORKS AETHOS

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2024年05月20日

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PROFILE

小俣 雄風太

小俣 雄風太

アウトドアスポーツメディアの編集長を経てフリーランスへ。その土地の風土を体感できる方法として釣りと自転車の可能性に魅せられ、現在「バイク&フィッシュ」のジャーナルメディアを製作中。@yufta

小俣 雄風太の記事一覧

アウトドアスポーツメディアの編集長を経てフリーランスへ。その土地の風土を体感できる方法として釣りと自転車の可能性に魅せられ、現在「バイク&フィッシュ」のジャーナルメディアを製作中。@yufta

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