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マイヨ・ヴェールで走ったギルマイがさいたまクリテリウム初優勝

ツール・ド・フランスで活躍したスター選手が会するビッグイベント「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」が11月2日にさいたま新都心で開催された。第10回の記念大会となった今回、クリテリウムメインレースを制したのは、今年のツールでポイント賞を獲得し、マイヨ・ヴェールでさいたまに乗り込んだビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)だった。終盤独走したプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)をフィニッシュ前で猛追。残り50mでかわし、フィニッシュでは高らかに両手を掲げた。

第10回の記念大会 ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム

ツール・ド・フランス さいたまクリテリウムは2013年に初開催。その年のツールで主役になった選手たちを中心に、さいたま新都心の高層ビル群を走る一大イベントとして回を重ねるごとに定着した。選手はもちろん、運営スタッフやメディアもツール本番と同様で、看板などの小道具も実際にツールの現場で使われたものが採用されている。

第10回の節目となる2024年大会。高層ビル群を走りぬける迫力は変わらず、さいたまスーパーアリーナのメインアリーナを通過するなど、演出もさいたまならでは。今年のツール本戦でポイント賞のマイヨ・ヴェールを獲得したギルマイや、ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のログリッチ、ツールで史上最多のステージ35勝目を挙げたマーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタンチーム、イギリス)ら、そうそうたる面々がスタートラインに並んだ。

© Keita YAMAUCHI

マイヨ・ヴェールのギルマイが逃げを狙ったログリッチを差し切る

49選手がさいたまスーパーアリーナを出発し、ニュートラル走行の後にリアルスタート。オープニングは3人の逃げとなったが、メイン集団も活発。新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)やログリッチが追う姿勢を見せ、2周目途中にはキャッチ。この周回の最後には1回目の中間スプリントポイントが設けられ、2年前の覇者ヤスペル・フィリプセン(ツール・ド・フランス クリテリウムレジェンズ、ベルギー)が1位通過。早掛けした新城やカヴェンディッシュらに先着した。

© Keita YAMAUCHI

この直後に再び逃げが生まれ、今シーズン限りでの引退を表明している畑中勇介(キナンレーシングチーム)が牽引。それをクリストファー・フルーム(ツール・ド・フランス クリテリウムレジェンズ、イギリス)、ロマン・バルデ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL、フランス)ら5人が続く。協調態勢を組んで快調に飛ばした5選手だが、2回目の中間スプリントポイントが設けられた6周目の途中で集団がキャッチ。再びフィリプセンが加速して、2連続で中間スプリントを獲った。

© Keita YAMAUCHI

雨脚が強まる中、新たに形成された逃げグループは8人。メイン集団との差を着実に広げにかかったが、アリーナ通過中に数人がタイヤを取られ落車するハプニング。これで逃げメンバーが態勢が崩れて3人まで減ると、3回目の中間スプリントポイントが設置される10周目に集団が追いつく。ここもフィリプセンがポイントを狙って動くと、カヴェンディッシュとギルマイも追随。今度はカヴェンディッシュが先着した。

© Keita YAMAUCHI

いったんペースが緩んだところから6人が飛び出し、これを新城がメイン集団を率いる形で追走。12周目に置かれた3回目の山岳賞は逃げに入ったエミル・ヘルツォーク(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)が1位通過。この逃げも中間スプリントポイントまでにメイン集団がキャッチ。再びフィリプセン、カヴェンディッシュ、ギルマイが競って、みたびフィリプセンが1位通過を決めた。

© Keita YAMAUCHI

この直後に大きな局面がやってきて、新城、バルデ、ログリッチが集団から抜け出すことに成功。脚のそろった3人が動いたことで、メイン集団はスプリントフィニッシュを見据えてアンテルマルシェ・ワンティやアスタナカザクスタンチームが牽引。16周目に設けられた山岳ポイントはバルデが4・8周目に続く1位通過。このレースの山岳賞を確定させると集団へと戻り、先頭は新城とログリッチになった。

© Keita YAMAUCHI

いよいよ残り1周。最終周回の鐘を聞くと同時にログリッチが新城を振り切り独走態勢に。集団はなおもアンテルマルシェ・ワンティが引っ張って、ログリッチを追いかける。一時は20秒近くあったタイム差は数秒まで縮まって、集団がログリッチを捕まえるのは時間の問題と思われた。しかし、残り1kmを切って再びログリッチが踏み直すと、その差は再び拡大。数秒差のまま最終局面に突入し、逃げ切りかスプリントか、絶妙な情勢となった。

© Keita YAMAUCHI

雨中の熱戦を制したのはスプリンター陣だった。残り200mを切ってスプリンターたちが加速すると、一気にログリッチに迫る。そして最後の50m、集団の最前線に出たギルマイがその勢いのままログリッチをパス。ツールで3勝を挙げマイヨ・ヴェールを獲得したアフリカンスプリンターが、初めてとなるさいたまでの栄光を勝ち取った。

© Keita YAMAUCHI

ギルマイ「世界中を転戦し充実したシーズンだった」

ツール本戦でのセンセーショナルな走りに続き、さいたまでも勝ったギルマイ。レース前にはエスティファノス・アフォワキ駐日エリトリア国大使と対面し、ツールでの活躍への祝福とこのレースに向けた激励を受け、大きなモチベーションをもってさいたまのコースを走っていた。

今回が初来日で、「2年前から走ることを望んでいた」というさいたまで力強い走り。今季は1月にオーストラリアでシーズンインし、最後は日本での勝利締め。「たくさんの国に行けて充実していた」という今シーズンを象徴する走りとなった。

なお、2位には逃げで魅せたログリッチ、3位には引退を控えてこれが最後の雄姿となる見込みのカヴェンディッシュが続いた。

© Keita YAMAUCHI

その他各賞は、ポイント賞がフィリプセン、山岳賞がバルデ、ヤングライダー賞はギルマイがそれぞれ受賞した。

チームタイムトライアルはシマノレーシングが優勝

クリテリウムメインレースに先立って行われたチームタイムトライアルでは、シマノレーシングが優勝。雨によるウェットな路面をものともせず、2番時計だったバーレーン・ヴィクトリアスに5秒差をつけた。

チームタイムトライアルは、クリテリウムメインレースにも臨んだ国内外のトップ選手全員が参加。各チーム3人ないし4人が出走し、2番目の選手のフィニッシュタイムが採用された。

ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム クリテリウムメインレース 結果

1 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ、エリトリア)1時間35分09秒
2 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+0秒
3 マーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタンチーム、イギリス)
4 ヤスペル・フィリプセン(ツール・ド・フランス クリテリウムレジェンズ、ベルギー)
5 ニコラス・ヴィノクロフ(アスタナカザクスタンチーム、カザフスタン)+2秒
6 ジョン・デゲンコルプ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)
7 初川弘浩(愛三工業レーシングチーム)
8 サンディ・デュジャルダン(トタルエネルジー、フランス)
9 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
10 天野壮悠(シマノレーシング)

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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