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レインボーブリッジを6000台の自転車が渡った 3年目のレインボーライド開催

12月1日(日)に東京の臨海部でサイクリングイベント「GRAN CYCLE TOKYO 2024」が開催された。参加者約6000人がレインボーブリッジを駆け抜け、サイクリングを楽しんだ。ママチャリから電動アシスト付きのシェアサイクルまで参加する都市型サイクリングイベントのため、普段の愛好家だけのサイクリングイベントとは違う風景も見られた。この影響でレインボーブリッジとゲートブリッジが封鎖され、首都高速台場線ならびに、お台場、青海、有明、若洲エリアの一部の道路がお昼過ぎまで通行止めとなった。

PHOTO:GRAND CYCLE TOKYO実⾏委員会提供

UCIミチェル理事から小池都知事へUCI BIKE CITY LABEL授与式

「レインボーライド」のスタートセレモニーには東京都小池百合子都知事をはじめ、清家愛港区長、大久保朋果江東区長、トニー・ミッチェル国際自転車競技連合(UCI)理事、GRAND CYCLE TOKYO アンバサダーの稲村亜美さん、神田愛花さん、小島よしおさん、武井壮さん、団長安田さんが登壇した。

小池都知事(写真左)とともにUCI BIKE CITY LABELの授与式に登壇したミチェルさん(写真左)

2024年10月に東京は東アジア地域では初めての「UCI BIKE CITY LABEL」認定された都市となった。セレモニーの小池知事の挨拶ではこの「UCI BIKE CITY LABEL」についての紹介があり、トニー・ミッチェルUCI理事からの授与式が行われた。

「グランドサイクル東京は、市民がサイクリングに取り組むきっかけとなる完璧な例です。東京が私たちUCIが認める28のバイクシティおよび地域ネットワークに加わったことを非常に喜ばしく思います」とミッチェル理事が祝辞を述べた。

参加者が6000人とさらに増えたレインボーライド

GRAND CYCLE TOKYO アンバサダーの武井壮さん、団長安田さん、稲村亜美さん、小島よしおさんらもライドを楽しんだ

セレモニーのあと、小池都知事に見送られてライドはスタート。

コースはレインボーブリッジに加え、ゲートブリッジを渡る、レインボーロング(35km)このほかレインボーブリッジを渡るレインボーミドル(19km)、ショート(8km)の3コースが用意された。朝から快晴の好天にも恵まれた、まさにサイクリング日和。参加者は普段自転車では走ることができない東京の都会の風景を眼下に、遠くには富士山から関東の山々、さらに千葉房総から鎌倉方面の山々までを見渡せる大パノラマを楽しんだ。

レインボーロングコース(35km)

レインボーロングコースには約4,500人が参加。スタート地点のお台場海浜公園を出発し、レインボーブリッジを抜けた後、東京港海の森トンネルを通過。さらに、海の森公園やオリンピックのボート競技で使われた海の森水上競技場の脇を抜けて東京ゲートブリッジを渡り、若洲海浜公園を巡るルートとなった。

PHOTO:GRAND CYCLE TOKYO実⾏委員会提供

東京ゲートブリッジを渡るという壮大なルートを走った。ゲートブリッジでは勾配5%の坂道が待っていたが、上った頂上からは周囲のパノラマビューが満喫できた。東京湾岸の美しい景観とともに、普段あまり見ることができない富士山や筑波山の眺望を楽しむことができた。

昨年に引き続き、今年も多くの愛好家がタンデム自転車でのライドを楽しんだ

レインボーミドルコース(19km)

東京港海の森トンネル内ではライトアップが行われ、参加者はその光景を楽しんだ PHOTO:GRAND CYCLE TOKYO実⾏委員会提供

約1,000人が参加したミドルコースは、ロングコースの魅力を凝縮したコース。スタート地点は同じくお台場海浜公園。レインボーブリッジを経由して東京港海の森トンネルを通過し、海の森公園とその周辺の美しい自然を楽しみながらゴールへ向かった。距離も短く、家族連れや余裕を持って楽しみたい参加者に適した選択肢となった。

レインボーショートコース(8km)

子乗せ自転車だけでなく、子供を載せたトレーラーを曳いて橋を渡ることも認められるのはグランドサイクル東京ならではの光景

初心者や子供連れのファミリーに最適なショートコースは、約500人が参加した。レインボーブリッジを往復するシンプルなルートで、全体的にフラットなコースとなった。

フィニッシュしてからはマルチスポーツも満喫

「メダルがもらえる!」というテレビCMを見て、今回初めてサイクリングイベントに参加した女性2人はショートコースを楽しんだ。「また出たい」と感想を語った

レインボーライドのほか、メイン会場では「マルチスポーツ」を開催。大人から子どもまで楽しめる様々なスポーツが体験できるイベントや、GCTアンバサダーの稲村亜美さん、神田愛花さん、小島よしおさん、武井壮さん、団長安田さんを始め、アスリートの中村輪夢さん(BMX)、Shigekixさん(ブレイキン)、杉浦佳子さん(パラサイクリング) など多彩な出演者が登壇するステージやトップライダーによる迫力あるデモンストレーションが行われた。

オリンピアン中村輪夢さんらが、持ち込まれたトレーラーランプの上で繰り広げるアクションに観客らを魅了していた
最新自転車展示&試乗会やEroica Japanサイクルフリーマーケットin GCT2024も開催。エロイカジャパンブースではビンテージ自転車が体験できた。ダルマ式自転車にまたがるデブジャパンのメンバー

東京・パリパラリンピックで金メダルを獲得した杉浦佳子さんコメント

今回は、みんなと話しながら走れたことがとてもありがたかったです。先日、別の地域でライドイベントがありましたが、道路を専有しないとそのような走行は難しいと感じました。今後はレンタサイクルやシェアサイクルを活用し、自転車趣味の方以外も気軽に参加できる環境を整えて、裾野を広げていけると良いですね。

トニー・ミッチェルUCI理事コメント

今回のイベントは本当に素晴らしいものでした。東京の景色を自転車で楽しむという、人生で一度きりとも言える貴重な体験ができました。天気にも恵まれ、多くの方々と会話を楽しみながら走れたのが良かったです。都市でのイベントは運営が難しいものですが、今回の東京でのサイクリングイベントはスペクタクル(壮観)だったと思います。UCIでは、世界選手権やオリンピックだけでなく、市民が参加できるイベントを推進しています。例えばロードの世界選手権では、マスパーティシペーションイベント(一般参加型イベント)も併催されます。ぜひ東京にも世界選手権に立候補していただきたいと思います。

東京を訪れるのは初めてではありません。じつは1987年、高校時代にラグビーチームの一員として訪問しており、当時は東京での試合の合間にディズニーランドでスペースマウンテンにも乗ったのを覚えています。私はラグビーの怪我をきっかけに自転車に乗り始めました。自転車は人と話をしながら走れるし、グルメライドも楽しめます。さらにメンテナンスも自分でできることも魅力ですから。

白戸太朗都議会議員コメント

東京都では自転車をより身近にするため、自転車走行空間の拡充やマナー啓発、駐輪場整備、シェアサイクル推進など、多岐にわたる取り組みを進めています。その象徴的なプロジェクトが「GRAND CYCLE TOKYO」であり、今回の「レインボーライド」はその一環として開催しています。普段は自転車で走行できないレインボーブリッジやゲートブリッジを走る唯一の機会であり、約6000台の自転車が一堂に会した光景はまさに壮観でした。ただし、このイベントの感動は体験しないとわかっていただけません。素敵な東京湾の風景をいまよりも、もっと多くの方に味わっていただくために、さらに多くの人に伝えていきたいと思います。

ただ、日本初の都市型大型自転車イベントとして「GRAND CYCLE TOKYO」が少しずつ定着しつつある一方で、キャパシティの制約やコースの短さといった課題も浮き彫りになっています。将来的にはニューヨークやロンドンのような大規模な、3万人規模まではハードルが高いと思いますが、さらに大規模で多様な参加者が楽しめる形へと成長させたいですね。特に、海外からのインバウンド観光客にも体験してもらえるような仕組みを構築し、東京が「自転車に優しい街」として国際的に認知されることを目指すことができればと思います。

 

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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