狙い目はリムブレーキのロードバイク!? 編集部員がパーツリペアにチャレンジ
ニシヤマ
- 2024年12月30日
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安くても走る自転車を目指して、コスパ高いネオレトロパーツをさらにリペアして乗る。ある意味とことん修理する倹約精神は、地球にやさしくもある。ここではネオレトロなパーツのメンテナンスに編集部ニシヤマが挑戦、その様子をレポートする。
▼「クロモリロードチープカスタム」前回記事はこちら
リムブレーキモデルが狙い目!? 懐かしのあの頃は、時代とともに変わる
近年さまざまな分野で流行の兆しを見せている、ネオレトロ、もしくはネオクラシックと呼ばれるもの。90年代くらいのクルマなど「ネオクラ」と呼ばれブームで高騰している。
自転車での定義は決まってないが、90年代のオールドМTBがちょっと前から盛り上がっており、すでにパーツなど高くなりはじめている。各地に、中古パーツを扱うおもしろそうなカスタムショップができて、一時のピストブームをほうふつとさせるものがある。
ロードのほうでも、ちょっとあの頃感のあるパーツで組んで楽しんでいる人が増えているよう。いわゆるWレバーの60〜70年代のクラシックというよりは、手元シフターのロードだ。懐かしいと感じる世代が推移しているから、当然だ。
ただ今熱いのは、MTBブーム世代で、中古のロードフレームはさほど注目されてない。かつディスクブレーキ化でリムブレーキ用の良質なホイールが中古市場にあふれているので、安さなら今が狙い目ではある。やがて、アルミやカーボンのリムブレーキモデルが懐かしさを伴ってネオレトロに降りてくるのだろう。時代は変わるが、火が付く前に楽しむほうがリーズナブルなのは確かだ。
ということで、ここではリムブレーキロードバイクパーツをメンテナンスしてみた。
国民的鉄ゲタホイールを修復
数多くのエントリーモデルに搭載されたシマノ・WH-R500は、ハイコストパフォーマンスという意味では最強の定番ホイールといえる。完成車から外した後に、ローラー台用、さらには外置きの自転車用として10年酷使してきた。さすがにガタが出てきたので、分解クリーニング&リペア。ハブ構造は、一般車と同じカップ&コーン式だ。ベアリングなどを交換して再調整すれば、走りを取り戻せる。
ベアリングを交換
フリーボディーを交換
時折フリーが空転してしまうという深刻なトラブルが発生していた。固まったグリスや汚れでフリー内部ののツメが上がらなくなっているのが予想される。ここは安全性も考えて、フリーホイールユニットごと新品に交換。それほど年式の古くないリペアパーツなら、アマゾンにあるパーツコーナーで手軽に入手できる。購入時価格は2381円。
振れ取り
さほど振れてないようだったが、振れ取り台にセッティングしてチェック。10年酷使しても、1mm程度しか振れはなかった。特にエントリーグレードのシマノ製品の性能と強度は、他社に比べ圧倒的。若干の振れをニップル回しでスポークテンションを整えて修正。
コスパタイヤDURO
コスパを求めるユーザーに噂のDURO(デューロ)・ストリンガーHRを試してみることに。台湾メーカーだが、実測224gでこの価格(モノタロウが安く、1本2189円)は魅力的。軽い走りやグリップは申し分ない。耐久性に関しては運用を始めたところで未知数。
STIレバーのネオレトロ的運用術
9速ティアグラレバーで1×運用
息子はSTIレバー育ちなので、操作に慣れた9速レバーを導入。失敗したのは、レバーフードのない中古を入手したこと。ST-4500では適合するフードはもう廃版。以前の壊れたレバーのものがあったので装着した。フードなしは要注意だ。
レトロなスレッドステム&サドル
レトロなスレッドステム。剛性は低いが、高さ調整しやすいので成長期の若者にはよいかと。
ちなみに激安サドルは、モノタロウのMTBサドル、604円(やぐら付き!)。主張しないクラシックスタイル。あんこもあり街乗り向き。
SLRブレーキは前期か後期かに注意
時代での互換性に注意。デュラエース7900シリーズからSUPER SLR からNEWSUPER SLRになり引き率が違う。ST-4400は、SUPERSLR世代なので旧タイプを使う必要がある。新タイプを装着すると効きは125%となり使えない。
Wレバー台座をアウター受けに変更
レバー用の台座があるが、Wレバーは使わない。カンパニョーロタイプの台座に合うアウターストッパーを装着する。この手のパーツをショップで見ることも少なくなったが、リペアパーツとして入手できる。今回フロントメカは使わないので、左側の台座にはアルミのベルを装着する。この手のスタンダードなベルのバンド部分に付くネジ径がレバー台座と同じだ。使われない台座のモヤモヤを解消。
左レバーはシフターなし
フロントメカは使わないので、左ブレーキレバーにシフター部分はいらない。ブレーキのみのレバーを装着する。シマノにあるブレーキレバーは、形がこの時代のティアグラSTIと違いすぎるので、テクトロのRL340を装着したら、意外と見た目が悪くない。ブラケットの太さも同じくらいで、引き心地も違和感が少なく、これはアリ。
「クロモリロードチープカスタム」として連載
パーツのレストアの模様はここまで、次はドライブトレインの取り付けだ。「クロモリロードチープカスタム」として引き続き連載していく。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 編集:Bicycle Club 文&写真:西山 貴之
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