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リドレー、最新鋭エアロロード「Noah Fast 3.0」を発表 第3世代で大幅な進化|RIDLEY
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Bicycle Club編集部
- 2025年01月23日
INDEX
リドレーは、同社のフラッグシップエアロロードバイク「Noah」シリーズの最新モデルとなる「Noah Fast 3.0」を発表した。一体型シートポストやフレームとフォークに一体成型されたブレーキ、内装ケーブルなど、エアロロードバイクにおける革新的な技術を先駆けて採用してきたリドレーによる、完全な新設計となる第3世代モデルだ。
歴史あるNoahシリーズの系譜
Noahシリーズは2006年のツール・ド・フランスで初代モデルが実戦投入されて以来、ロードレース界においてエアロロードを象徴するモデルとして確固たる地位を築いてきた。ロビー・マキュアン、アンドレ・グライペル、カレブ・ユアンといった世界最高峰のスプリンターたちが歴代のNoahを駆り、ツール・ド・フランスでのグリーンジャージ獲得や、パリ・シャンゼリゼでのステージ優勝など、数々の勝利を収めてきた。
2012年にはNoah Fastへと進化を遂げ、そして今回、設計を一から見直したNoah Fast 3.0の開発に至った。
エアロダイナミクスを徹底追求した新設計
Noah Fast 3.0の開発において、リドレーはエアロダイナミクスに重点を置いた設計を意図的に選択している。これは現代のロードレースにおいて、スピードと空気抵抗が指数関数的な関係にあることから、エアロダイナミクスの要素が極めて重要であるという認識に基づいている。
開発チームは、CFD(数値流体力学)による流体の流れの数値解析と、自社風洞実験から得られたデータを基に、あらゆるヨー角における空力性能の向上を追求。その結果、全てのチューブ形状や角度を最適化することに成功した。
特筆すべきは、最新のUCI規制であるチューブの比率8:1ルールに基づいた形状の改善だ。自社風洞実験施設「バイクバレー」での繰り返しのテストにより、UCI規制の限界まで空力性能を追求したチューブ形状を実現。フロントフォークとシートステーは、全面投影面積を最小限に抑えつつ、空気を効率的に切り裂く最適なエアロ形状となっている。
さらに、UCI規制で許可される補強三角形ルールを最大限に活用し、後方へと伸びる特徴的なヘッドチューブやシートチューブ周辺の表面積を最適化。切り裂いた空気の流れを後方へと導き、乱流を抑制しながらフレーム後部へと抜けていく設計となっている。また、大口径の新しいダウンチューブ形状を採用することで、ボトル周りの空気抵抗を最小限に抑える工夫も施されている。
風洞試験で実証された空力性能の向上
風洞試験では、時速50km/h巡行時において前モデルのNoah Fastと比較して8.5ワットの空気抵抗削減を達成。同社の軽量モデルであるFalcn RSと比較しても7ワット少ない空気抵抗を記録している。
高剛性化による効率的なパワー伝達
Noah Fast 3.0は空力性能の追求だけでなく、全てのワット数をスピードに変換できるよう設計されている。ドイツの自転車製品テスト機関であるゼドラー(Zedler)のテストでは、ヘッドチューブとBBの剛性がFalcn RSより10%高い結果を示し、高剛性によるエネルギーロスの低減と、加速時の最大限の効率発揮を実現している。
新開発の専用エアロコックピット
Noah Fast 3.0専用に開発された「Nimbus Aero Cockpit」は、フレーム開発プロセスにおける重要な要素として位置づけられた。エアロダイナミクスと快適性のバランスを重視し、コックピットとトップチューブを一体化することで、従来の形状と比較して乱気流を大幅に軽減している。
ハンドルバーは現代のロードレーストレンドに合わせた360mm幅(STI C-C)のフレアドロップを採用。上部は人間工学に基づいてわずかに後方に傾けた形状とし、自然な手首の位置を実現している。フレアハンドルによりシフターが自然に内側にセッティングでき、エアロポジションの強化と全面投影面積の削減に貢献している。なお、全ての設計はシフターの位置に関する厳格なUCI規制に準拠している。
最新のジオメトリー設計
長年にわたるレーシングバイクのスポンサーシップから得られたデータにより、近年のレーシングバイクは前方に重心を置く傾向が強まっていることが判明。これを踏まえ、開発エンジニアは76度のシート角度を平均値として採用した。この立ち気味のシート角度により、ペダルへの体重のかけやすさが向上し、パワー伝達効率の改善を実現している。
また、タイヤ幅のワイド化による重心の上昇を考慮し、BBの位置を従来より低く設計。これにより、現代のワイドタイヤに対応しながら、優れたハンドリング特性を確保している。
プロチームでの実戦テストを経てデビューへ
UCIプロチームのUno-X Mobility(ウノエックス・モビリティ)による数ヶ月におよぶ実走テストを経て、2025年シーズンからレースデビューを果たす予定となっている。
Noah 3.0も同時発売
Noah Fast 3.0の発売と同時に、そのテクノロジーを継承したミドルグレードモデル「Noah 3.0」も発売される。カーボン素材とハンドル形状が異なり、それに伴いヘッドチューブの形状も変更されているが、基本的な設計思想は共有している。
Noah Fast 3.0
価格:770,000円(税込、フレームセット)
バイククラフト
R9250 Di2仕様:1,223,200円(税込)
R8150 Di2仕様:1,026,300円(税込)
R7150 Di2仕様:943,800円(税込)
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- フレーム:Elite HMカーボン
- フレーム重量:1,028g(XXS)/ 1,032g(XS)/ 1,050g(S)
- フォーク重量:509g(コラム長300mm)
- 対応コンポーネント:シマノDi2、カンパEPS、スラムeTap(メカニカル非対応)
- サイズ:XXS、XS、S
- カラー:Matt UD Carbon、Candy Red
- 付属品:
- Forza Nimbus Aero Cockpit(XXS:85mm-360/400mm、XS/S:100mm-360/400mm)
- Noah Fast 3.0 Aero シートポスト(セットバック0mm)
Noah 3.0
価格:484,000円(税込、フレームセット)
バイククラフト
R9250 Di2仕様:951,500円(税込)
R8150 Di2仕様:754,600円(税込)
R7150 Di2仕様:672,100円(税込)
R7100仕様:591,800円(税込)
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- フレーム:Essential HMカーボン
- フレーム重量:N/A(XXS)/ 1,195g(XS)/ 1,210g(S)/ 1,218g(M)
- フォーク重量:509g(コラム長300mm)
- 対応コンポーネント:メカニカル(シマノのみ)、シマノDi2、カンパEPS、スラムeTap
- サイズ:XXS、XS、S、M
- カラー:Pearl White、Empress Grey
- 付属品:
- Forza Cirrus Pro Integrated Cockpit(XXS/XS:90mm-380/400mm、S:100mm-400/420mm)
- Noah Fast 3.0 Aero シートポスト(セットバック0mm)
問:ミズタニ自転車 https://www.ridley-bikes.jp/
- BRAND :
- Bicycle Club
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PROFILE
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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