ヴィンテージはワインだけじゃない!粋な男は、「古酒」を極めよ

“時間”を肴に楽しむ、長期熟成日本酒BAR

今、「日本酒の熟成酒」が静かなブームだ。その火付け役ともいえる店が、東京・品川にある長期熟成日本酒BAR『酒茶論』である。

酒の世界でヴィンテージといえば、ワインやウイスキーをイメージする人が多いが、実は日本酒にも古来より熟成の文化があった。『酒茶論』のエグゼクティブ・マネジャー、井上裕司さんは語る。
「日本酒のヴィンテージ『古酒』は、鎌倉時代から明治初期まで珍重されてきました。江戸時代には9年熟成した『九年酒』が高級酒とされ、宮中のお祝いごとにも用いられていたようです」

こうして定着していた古酒文化だが、明治政府が酒蔵に課した「造石税」の影響もあり、残念ながら一気になくなってしまった。そして今、古酒文化の復権を目指す酒蔵が徐々に増えつつある。『酒茶論』は、そんな全国の酒蔵40社とともに運営する店。いわば、消えた日本酒文化を復権させる前線基地と呼べる存在なのだ。

この店に置かれている古酒は約100種。1970年代から現在まで、全年代が揃う。壁にずらりとボトルが並んだ様子は、さながらミュージアムのよう。タイプの異なるものや、同じ銘柄の年代違いを飲み比べても楽しい。「時間」を肴にする――そんな贅沢な楽しみを教えてくれる空間だ。

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アニバーサリーにもふさわしい、時を超えた味わい

店内にずらりと並ぶ古酒を見ると、ボトルの形が実にさまざまなことに気づく。
「日本酒は一升瓶というイメージが強いですが、古酒には多種多様なボトルがあります。ヴィンテージという性格から、アニバーサリーを祝う酒としても愛されているのです」と井上さん。『酒茶論』の店内に並ぶスタイリッシュなボトルは、「記年美酒」と銘打たれたオリジナル商品だ。
「結婚した年、お子様の産まれ年など、思い出を振り返りつつお酒とともに年月の経過を感じられるのが古酒の魅力ですね」
古酒は味に深みが増すため、料理との組み合わせも幅広い。
「熟成年数が長いものは、こってりした肉料理など濃厚な味と相性抜群です。万能選手は燻製ですね。互いを引き立てあって新たな味わいを生み出すので、是非試してみて下さい」

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琥珀に変化する色とまろやかな味わい、二日酔いになりにくい?

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古酒の特徴の一つが、色の変化。醸造方法や貯蔵方法によっても変わるが、新酒のときは透明だったものが年数を経ることで淡い黄金色、そして琥珀色へと変化していく。30年以上熟成したものの中には、濃い赤になるものもあるという。そして味や香りも、同じように深まっていく。銘柄によって異なるが、共通するのは「まろやか」になること。甘味や酸味などのバランスがよくなり、口当たりもやわらかくなる。余韻が長く残り、香りも甘く深くなるので、『酒茶論』のように最初はぜひワイングラスで楽しんでほしい。
こうした味の変化には科学的な根拠がある。新酒はアルコール分子がむき出しの状態のため刺激臭が強く、味もとがっている。しかし熟成されると、アルコール分子が水の分子の隙間に入り込み、水に包まれた状態になる。そのため、香りも味もまろやかになるというわけだ。胃腸への負担も軽いため、酔いが醒めやすい。つまり二日酔いになりに くい、理想の酒だとも言えるのではないだろうか。

DATA
酒茶論(しゅさろん)
住所/東京都港区高輪 4-10-18 ウィング高輪WEST-II 2F
03-5449-4455
営業/17:00~24:00、土・日・祝日 15:00~24:00(フードL.O. 各23:00、ドリンクL.O. 各23:30)
休み/元日

(出典: 日本酒のこころ

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