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【最強道具レビュー】ビタクラフト スーパー鉄フライパン

料理研究家が行き着いたフライパンって?

あの人の道具レビューということで、料理にまつわる様々な人が使っている調理道具を覗いちゃおうという連載企画、第一回の圧力鍋に引き続き、料理研究家ロー・タチバナがお届けいたしますよ。今回のテーマは、正解にたどり着かない人も多いのではないかと思われるフライパンであります。今回は最後にお知らせもあるので、要チェック。

永遠の旅、それはフライパン

昨今は魔法っぽいネーミングのフライパンや、抜群に性能が良いホーロー鍋を作っているあのメーカーのものだったり、フライパン界隈は盛り上がっていますね。正直なところ、かくいう僕も今まで数多のフライパンを買っては試し、ちぎっては投げ、と渡り歩いてきたクチです。おびただしい数の摩擦実験に耐えました! コーティングに使ったダイヤモンドが! いや、石を吹き付けて! とか、それはもう出るたびにいろんなものを試してきたのですが、結果、使っているうちに使いづらくなってきて新しいものを購入という流れが止まりませんでした。この時はまだ、ああ、もっと高くて良いフライパンだったらコーティングも剥がれないし長持ちするのかなー、なんて考えていて、そんな時に出合ったのが某米国メーカーの重厚なフライパン。持った瞬間の重さと、値段の高さ、洗練されたデザイン……。求めてきたものはコレかもしれない! とウッキウキで使っていたのですが、まんまと1年経たずしてコーティングが死亡してこびりつくようになったのは言うまでもありませんね。話の流れ的に。

いや、もうそれならニトリとかで安いフライパンを買って、半年置きとかで買い替えて使い捨て感覚でいくのが一番コスパいいじゃんね。と、思いつつもまだ手を出していない分野があることを僕は知っています。それは、今をときめく鉄のフライパン。最初に言った魔法っぽい名前のやつとか、バ……ホーロー鍋メーカーのやつとかも、材質は基本的に鋳鉄を使っていますよね。それなー、と思ってはいるんですけれど、僕は片付けを溜め込んでしまうクセがあります。鉄って……錆びるんだよね。はい、実はわたくし今までスキレットを何度も買っては、ただ一度の使用で錆びさせてきた前科があります。前科3犯です。調理をしたらすぐに洗って、火にかけて乾燥させて、油塗って、とか絶対にムリ。ムーリムリ。そういうのは飽きもせずに革靴を磨いたりできる人の領域です。僕はドライに利便性を取る人間です。錆びたスキレットを蔑みの目で見下ろしながら「俺はこういう人間だ」とビッグダディばりにつぶやくのです。

目からうろこが落ちた「スーパー鉄」

永劫とも思える時間、ゴールにたどり着けず悶々としていたある時、近所の高島屋で目に留まったのが運命の出会いでした。今まで浅めのフライパンばかり使ってきたので、ウォックパンにしてみようかなと思って手にとったのがビタクラフトの製品。おお、ひとつ前に使っていたアメリカ製の重いフライパンと比べて、ずいぶん軽くて使いやすそう。ん? あれ? これコーティングされてなくない? と箱を見てみると「スーパー鉄」って書いてある。ナニソレ気になる、と思ってはみたものの鉄を錆びさせる天才なのでね、僕は……。でも、説明を見てみると “料理が美味しく仕上がる鉄フライパンの魅力はそのままに、独自の「窒化4層加工」により、さびにくく丈夫な窒化鉄フライパンが完成しました” ですって? “面倒な手入れが必要なく、鉄フライパンが初めての方でも安心です”とな? いや、コレでしょ感が凄いんですけど。というわけで速攻購入して1年使っていますが、錆びにくいどころか、だいぶズボラな使い方をしているけどまったく錆びない! そして、世の鉄フライパンよろしく洗剤を使わずにたわしで水洗いするだけなので楽なんですよ。そしてその行為こそがフライパンを育ててこびりつかなくするための 定石。面倒を省くことで使いやすくなっていく、って、コーティング系のフライパンではあり得ない感覚!

ちなみに、ウォックパン(28cm)が良かったので、小さいフライパン(20cm)も買っちゃいました。

取っ手と本体の接合部分に入っているロゴも重厚感があってカッコいいんですよね。所有欲を確実に満たしてくれます。

僕は強火をガンガン使いたいんだ!

ビタクラフトのスーパー鉄フライパンにしたことで、明らかにある種の料理は美味しくなりました。例えば目玉焼きとか、野菜炒めとか。これ、なんでかというと鉄のフライパンは強火を使えるからなんですね。コーティング系のフライパンは強火にするとコーティングが傷んで寿命が縮まるから中火まで、ってのが基本。でも、やっぱりカンカンになるまで強火で一気に熱して、具材を入れたらジャー! とスコールのような音とともに調理をしたほうが美味しくなるんです。たぶん科学的に(蓄熱とかいろいろ? 知りたい人はGoogle先生に相談だ!)。例えば、中華料理屋さんって凄まじい火力で一気に熱して作るからあんだけ旨いんですよ。中華鍋も鉄製だし。ということで、今までできなかった調理をすることができるってだけで、鉄最高! となるわけです。錆びプロの僕はスーパー鉄最高! なのですが。ちなみに、作る料理によってはコーティングが無いと難しいものもあるのであしからず。例えばオムレツは絶対にそっちです。鉄のフライパンだと温度調整と火加減を間違うと美味しいオムレツにならず、かなりシビア。毎日同じものを作っているプロならまだしも、素人の我々はコーティングに頼ったほうが圧倒的に上手に作れます。あたくし、全てをディスるつもりはありませんのよ。

ということでお決まりのレシピコーナー「大陸香る、特製牛豚餃子」

目玉焼きとか、肉野菜炒めとか、超シンプルな料理を劇的に旨くしてくれるので、レシピって言ってもね。なんて考えていたんですが、餃子作った時に、皮のカリカリ加減がすっごく上手くできたので、わたくしロー・タチバナの特製餃子レシピをお伝えすることとしましょう。皆さん、餃子を家で作る時って、ふつうに白菜かキャベツと豚ひき肉を使って、酢醤油とかで食べるでしょ? それも美味しいんですけど、実は合挽き肉と玉ねぎを使って作ると猛烈に旨いの知っていました? ポイントは五香粉をタネに入れるということ。これだけで一気に上級餃子の味になるので、使ったことない人はぜひ使ってみてください。スーパーで安く売っているので。タレは牛肉の香りに合わせて赤ワインバルサミックソースでまとめてみましたよ。ということで我が家の餃子パーティでは一瞬で無くなるスペシャル餃子のレシピゴーゴー!

材料(2人分)

牛豚合挽き肉…200g
玉ねぎ…80g
ごま油…大さじ1
醤油…大さじ1
砂糖…小さじ1/2
五香粉…小さじ1/4
黒コショウ…適量
餃子の皮…15枚

赤ワイン…大さじ2
バルサミコ酢…大さじ1/2
砂糖…小さじ1
塩…小さじ1/4
サラダ油

作り方

1 挽き肉、玉ねぎをみじん切りにしたもの、ごま油、醤油、砂糖、五香粉、黒コショウをボウルに入れてしっかりと混ぜ合わせる。

2 1のタネを餃子の皮で包む。

3 Aを混ぜ、フライパンで火にかけてアルコールを飛ばしたら小さい器に入れておく。

4 フライパンを熱し、サラダ油を引いたら2の餃子を並べる。適量の水を入れて蓋をし蒸し焼きにする。水分が飛びパチパチと乾いた音がしてきたら、蓋を開けて一瞬強火にした後に火を落とし、へらなどで剥がして3とともに器に盛る。

教えてくれたのはこの人

ロー・タチバナさん

様々な食に関するメディアやイベントなどをプロデュースする傍ら、趣味の料理研究が高じて、2019年に著書「悪魔のレシピ(枻出版社)」発刊とともに料理研究家としての活動もスタートし、少し、いやかなり毒っ気のある独特な語り口と独自路線の料理で一躍人気に。短期間に著書が5冊まで増えたが、本人は「アイディアはそんなタケノコみたいにポコポコ湧かんのですよ」とボヤく(たぶん喜んでいる)。本名(秘密だけど)では、地方食材を活用したブランディング提案や講演、レストランジャーナリストとしてテレビ出演なども多数。当初はマンウィズみたいに覆面でやってみたら面白いんじゃないかと思ってお面も購入したが、やっぱり面倒なのでやめたらしい。

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PROFILE

ロー・タチバナ

ロー・タチバナ

幼少期より料理を趣味とし、何よりも食を愛する料理家。食品メーカーWEBサイトでのレシピ提供や地方食材の情報発信、キッチン家電のブランディング提案、各種講演なども行う。著書に「悪魔のレシピ」「悪魔のおつまみレシピ」「悪魔の鬼やせレシピ」など。インスタグラムでも情報発信中 @raw_tachibana

ロー・タチバナの記事一覧

幼少期より料理を趣味とし、何よりも食を愛する料理家。食品メーカーWEBサイトでのレシピ提供や地方食材の情報発信、キッチン家電のブランディング提案、各種講演なども行う。著書に「悪魔のレシピ」「悪魔のおつまみレシピ」「悪魔の鬼やせレシピ」など。インスタグラムでも情報発信中 @raw_tachibana

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