【局地グルメ報告 vol.1】静岡県富士市で食べられる、謎のカツ料理
buono 編集部
- 2016年11月29日
カツ丼でも、カツ煮でもない唯我独尊のグルメ
雑誌buonoの取材や撮影などで日本全国へ飛ぶことも多い編集部員だが、昼食の時などに、ふらっと入った店で思わぬ料理と出くわすことがままある。この企画は、取材のついでに全国で出合った超局地的グルメをリポート! ローカルグルメほど街おこし要素が無いけど、なんとなく数軒がゆるーく作っている、そんな愛すべきメニュー、第一回目は「静岡県富士市のカツ皿」だ!
パッと見た感じ、カツカレーのようにも見えるカツ皿だが、まったくもってカレーではない。ではいったい何なのか。
基本的な味付けの方向は蕎麦屋で提供されているカツ煮である。上にかかっているソースのようなものは、いくつかのダシとかえしで作られるつゆと、溶き卵を絶妙な火加減で混ぜ合わせたもので、とろりとした食感。上の写真では見えないが、カツの下には茹でキャベツとご飯が忍ばせてあり、上品な甘みが味わいのフックとなっている。サクッとしたカツに卵の旨味、キャベツの甘みが加わって、どんどん箸が進む。中々のボリュームだと思っていたが、軽く平らげてしまった。
その昔、筆者が祖母から食べさせてもらった、「鰹節を混ぜた半熟の炒り卵」なる田舎料理にちょっと似ていて、懐かしさを覚える味だ。
静岡の秋と言えば、これも名物!
駿河湾の桜海老は春と秋に旬を迎えるので、まさに今がベストシーズン。旬の時期ならではの生桜海老も楽しめる。上の写真は、茹でる、揚げる、生、と三種の調理法で桜海老を食べられるメニュー。この時期の富士市内は、さまざまな店で桜海老をリーズナブルに楽しむことができる。もちろん新鮮なので変な臭みもなく、酒がすすんで仕方ない。
観光地ではないので、わざわざ行くという場所ではないが、そんな街には必ず知られざる名物がある。ぜひ、何かのついでにでも足を向けて、絶品のカツ皿と旬の桜海老を食べにいってみてほしい。大都市圏では味わえない感動がそこに待っているのだから。
(文=ボンジョルノ島貫)
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PROFILE
buono 編集部
使う道具や食材にこだわり、一歩進んだ料理で誰かをよろこばせたい。そんな料理ギークな男性に向けた、斬新な視点で食の楽しさを提案するフードエンターテイメントマガジン。
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