PC-8001発売40周年。と関係なく自分のパソコン歴を書く。あなたの最初のパソコンは?
- 2019年08月05日
本日、NECのPC-8001発売40周年記念イベントが行われた。
厳密に、PC-8001が日本初、世界初のパソコンかというと厳密にはいろいろあるようだが、その後の経緯を考えると、ニッポンのパソコンはNECによって、この時に始まったと言っても、大筋間違いはなさそう。
それを記念して、本日、LAVIE Pro MobileのPC 40th Anniversary Editionが発表され、さらにPC-8001のレプリカモデルであるPasocomMini PC-8001(非売品。詳細は後述)が発表された。
筆者はX1 turbo派だった。あなたは?
さて、黎明期を知る各PCメディアや、それらの流れを汲むメディアから詳細なレポートは上がってくると思うので、そのあたりはそちらに任せるとして、(古いPCの話に総合的な意味では詳しくない)フリック!では筆者個人の昔話でもしようと思う。
筆者は50歳なので、PC-8001が発売された40年前には10歳。
地方の小学生には、「初のパソコンが発売された!」というニュースは伝わってなかった。受験勉強に忙しかったというのもあるが。
小学生の時のコンピュータ体験といえば、友達のお父さんが家に持って帰ってくる記録メディアとしてのパンチ穴の空いた紙テープだけだった。僕らはそれを電車ゴッコの切符代わりにして遊んでいた(笑)
「パソコン」というものが身の周りに現れたのは、電車で1時間かけて地方都市の中学校に通うようになってからだ。時に1981年。PC-8001が登場してから2年後。学校には『工業部』という今で言えばオタクの巣窟のような部活があり、そこに『アマチュア無線班』『プラモ班』『鉄道模型班』などと一緒に『パソコン班』というのがあった。
しかし、残念ながら筆者は本人の適性、趣味志向とは裏腹にラグビー部に入ってしまっており、工業部の部活を羨ましく見るだけだった。ここで、工業部に入っていれば、また人生が変わっていたとも思うが。
(こちらは、PC-8001より以前のTK-80。組み立て式キットで、部品を組み立てて、このコンピュータを作るというものだった。8桁の7セグLEDがデータ出力で、16進数キーパッドが入力機器だった)
ともかく、工業部に所属している連中の蘊蓄を聞いているうちに辛抱たまらなくなり、なんとか買える価格だったシャープのポケコン、PC-1261を買う(これは今でも手元にあり、時折電卓として使っている)。液晶で2行の文字が表示でき、BASICでプログラムが組めるというデバイスだった。手打ちで入力したプログラムの保存とロードにはカセットテープを使うというシロモノだった。
そんな、PC-1261では当然のことながら物足りなくなり、その時点での全財産。小学校時代から一生懸命貯めてきたお年玉の貯金をすべて(30万円ぐらいだったと思う)投げ打って買ったのは……PC-8001でもなく、PC8801でもなく、そのライバル企業、シャープの作ったX1 turbo Model 40だった。
思えば、当時から主流派には乗れない性質(タチ)で、保守本流なNECの製品ではなく、グラフィック処理に優れて、お洒落(に見えた)シャープのX1を買ってしまったのだ。ともあれ、それでBASICのプログラムを組んだり、大戦略やWizardry、Xanadouなどで遊んだものだ。
40年を経て健在の、NECのパソコン事業
その後、少しパソコンから離れてしまい、大学時代と社会人1年目はUNIXマシンでCOBOL(笑)のプログラムを組む方に行ってしまい、さらに27年前に今の会社に入った時には、机の上にApple ComputerのMacintosh Classic IIが置かれていて、以来Mac一辺倒になるが……。
ともあれ、僕にとってのパソコン黎明期はX1 turboと一緒に始まったが、保守本流としてのNECの存在感は大きなものがあった。友達の家に行って、お父さんの使ってるPC-9801があったりすると、16ビット機ならではの高度なゲームで遊べたから、羨ましくて仕方がなかった。
以降、MS-DOS、Windows、インターネットの時代がやってきて、多くの人がビジネスに、プライベートにパソコンを使うようになり、日本のパソコンメーカー全盛の時代もあったが、ネット上のコンテンツであったり、広告ビジネスが主流になり、中国、台湾メーカーのエレクトロニクス産業が世界を席捲していくのはみなさんご存じの通り。
(Microsoftのサティア・ナディアCEOの他、Intel、AMD、クオンタムリープなど数多くの会社のVIPからのビデオメッセージが披露された)
しかし、その40年を経て、なおNECのパソコン事業が継続されているのは(Lenovoグループと合弁になったとはいえ)実に意義深いと思う。もはや、そこに大きなイノベーションはないのかもしれないが、今なおMicrosoftや、Intelと協業して、パソコンを作り上げているメーカーが日本の存在していることはとても頼もしく思える(ちなみに、富士通も今でもパソコンを売っている。シャープは……なぜかDynabook(元々東芝のブランド)を売ってる)。
なお、本日、Project Engine(炎神)として、ゲーミングPCの開発も発表された。思えば、PC-8001も発売当初はみんなゲームに使ったものである。
激レアな、BASICプログラムが動作するPasocomMini PC-8001
今日、40周年記念モデルとして発表されたのは、LAVIE Pro Mobileの特別カラーPM750/NAA。なんと、PC-8001をイメージしたカラーだという(厳密には、元通りの色で作ると古めかし過ぎるので、アレンジした別色)。
色こそレトロなイメージだが、第8世代Core i7-8565U(1.8GHz/最大4.60GHz)登載、13.3型ワイド液晶登載で、わずか837gの軽量モバイルモデルだ。
また、同時にキャンペーン商品として、40年前のPC-8001互換のBASICが付属し、キーボードやモニターと接続すればゲームなどのBASICプログラムが動作するPasocomMini PC-8001も発表された。}
こちらは、500台限定のLAVIE Pro Mobile PM750/NAA PC 40th Anniversary Edition Premium Package(19万9800円)に付属。または、LAVIEシリーズパソコンを購入し、購入確証を沿えて応募(8月6日予約販売分〜11月4日購入分まで)した人の中から、2000名のプレゼントされる。
NECのパソコンとともに青春時代の始まった人には、ぜひとも手に入れたいモデルだろう。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年8月号 Vol.94』)
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。