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大きくなった標準iPad 10.2インチ発売。お勧めポイントと、不安点

スマートキーボードが使えるようになって、ついにフル機能に

2019年9月30日に発売された、新型iPad 10.2インチ(第7世代)をご紹介しよう。

モデルチェンジを受けたのは、一番スタンダードなiPad。従来、9.7インチとか第6世代と言われていたモデルだ。

このモデルが、新たにボディサイズと液晶をわずかに大きくして、10.2インチのiPadとなった。アップルの呼び方ではiPad 第7世代。標準モデルのiPadとしては、9番目のモデルとなる(iPad Airと呼ばれるモデルが2世代あったので少しズレた)。これにより初代から9年続いたiPadの9.7インチというスタンダードサイズはついにラインナップから姿を消した。

このスタンダードモデルのiPadの最大の特徴は安価であることだ。以前の、第6世代iPad 9.7インチの32GBモデルは、iPad史上もっとも安い3万7800円(税別)だったのだが、第7世代iPad 10.2インチはさらに3000円安い3万4800円(税別)という価格を実現している。

128GBモデルは1万円高の4万4800円(税別)、セルラーモデルはそれぞれさらに1万5000円高。

同時に画面サイズを大きくして、Air用のスマートキードボードに対応することで、上位モデルと較べても機能として劣る部分のない完全無欠のiPadとなった。3万4800円(税別)で、完全にフル機能のiPadが購入できるのだ。

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従来モデルより、液晶のベゼルが狭くなり、よりスマートな印象を与えるようになっている。わずか15%のことではあるが、グッと広くなった液晶は数値以上に快適だ。

ボディのサイズはiPad9.7インチモデルより7%拡大されてiPad Airとほぼ同じ。ただし、厚みだけが7.5mmと旧モデルと変わらないので、6.1mmのiPad Airとは1.4mm違う。これにより、Airの方がかなりスマートに見える。重量もiPad Airの方が30g弱ほどだが軽い。

本モデルが、Airと同じサイズにされたのは、共通のスマートキーボードを使えるようにするためだと思われる。コストの差から、ディスプレイサイズはわずかに違うが、本体サイズは完全に同じだ。これにより、mini以外の全モデルは、それぞれに対応したスマートキーボードを使えるようになった。

Appleはフルサイズキーボードにこだわることが多い。9.7インチ用のキーボードを作ることをせずに、本体サイズの方を大きくすることにしたようである(同様の理由で、iPad miniのスマートキーボードは期待しない方がいい)。

(左が新しいiPad 10.2インチ、右が従来のiPad 9.7インチ)

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機能的には同等、差は性能、特に感覚性能

新しいiPad 10.2インチはこの秋ローンチされたiPadOS 13を標準搭載しており、マルチタスクをはじめとした最新の機能をフルに使える。しかも、スマートキーボードも、Apple Pencilも使える。iPadを初めて買う人、学生、2台目、3台目のiPadとして非常にお勧めできるモデルだ。

しかし、iPadには、iPad mini、iPad Air、iPad Proという上位のモデルがある。

何が違うかをざっくり解説しておこう。

まず、チップセット。iPad ProはA12X Bionic、AirとminiはA12 Bionic、iPad 10.2はA10 Fusionを搭載している。処理速度にはかなり差があり、ベンチマークテストにかけると、3:2:1ぐらいの性能差がある。ただし、一般的なウェブブラウジング、執筆作業、SNSなどではほとんど差を感じない。高度な3Dゲームや、画像処理をともない作業だと違いは出るが。

次にディスプレイのクオリティの差。

高価なモデルの方が、描画速度が速いし、色域は広いし、ガラス面と表示面の差が少ない。結果、プロフェッショナルが絵を描く時にはけっこうな性能差を感じるらしい。AirとiPad 10.2を較べてもー、ペンシルの先と描画された線にわずかな差がある。

たとえば、ブラウズ、スプレッドシートや、Google Docsを入力する、本やマンガを読む、動画を観たり、SNSをしたりゲームをしたりする……という作業をするのであれば、この10.2インチモデルでまったく問題がない。

子供や学生、若い人が使うのにまったく問題がない性能を実現しながら、3万4800円の性能を実現してるのはまったく素晴らしい。

スマートキーボードが使えるのも便利だ。Bluetoothではなく物理的コネクターで接続することで、充電やペアリングが不要。開くと瞬時に使えるという機動性のメリットは大きい。

もっとヘビーな作業、プロフェッショナルがイラストを描いたり、3Dグラフィックスを多用するような作業をするのであれば、Air、Proを検討した方がいいかもしれない。

A10 Fusion搭載なのだけが気にはなる

本モデルで唯一気になることがあるとすれば、1年半前のモデルであるiPad 9.7インチからチップセットが更新されず、A10 Fusionのままとされたことだろう。もちろん、今のところ、A10 Fusionでも実用上の問題はまったくない。とはいえA10 Fuisionは、2016年9月発表のiPhone 7搭載が初出のチップセットである。OSのアップデートごとに古いCPUが使えなくなるとすれば、使えなくなる時期もA12 BionicやA13 Bionic搭載モデルより早くなるはずだ(この秋ローンチのiPadOS 13はA8までサポート)。過去の例でいうと発売から少なくとも3年はサポートされるので、多くの場合それほど困った問題にはならなさそうだが、長期間最新OSを使えるモデルが欲しい人は、ちょっと頑張ってAir(A12 Bionic搭載)を買った方がいいかもしれない。

その点を除けば、機能的にはあらゆる面で問題なく使える。上位モデルとの差は、速度や感覚性能の部分。「iPadを使ってみたい!」と思っている人には、間違いなくお勧めの1台だ。

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(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年10月号 Vol.96』

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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