iPhone、iPad、Macの新OS、アップデートすべきか?
- 2019年10月16日
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フリック!としては、常に最新にアップデートするべきという主義だが
iPhone用の新しいiOS 13、iPad用のiPadOS 13、Mac用のmacOS 10.15 Catalinaなど、秋にローンチされる予定だったアップルの新OSが、ひと通りローンチされたが、アップデートされただろうか?
時々、「もうアップデートしてもいい?」との質問を受けるので、それぞれについて私見を述べておこう。もちろん、今すべきか待つべきかは人によって違うと思うので、あくまで参考までに。
flick!としては、すべてのデバイスのOS、アプリは常に最新の状態にアップデートしておくのがお勧めだ。セキュリティ的な面でも、最新のバージョンにしておくべきだし、相互の端末がかかわる連携機能なども、すべてのソフトウェアが最新であることを前提に設計されている。
しかし、ご存じのように、メジャーアップデートの直後は不具合が発生する可能性が高い。昔のパッケージソフトの時代と違い、さまざまなデバイス、OS、ソフトウェア、使用環境、周辺機器、通信設備が影響を与え合う現代のソフトウェアは、ベンダーによるテストだけでは洗い出せない不具合があるのものだ。
筆者のように新しいモノ好きだと、まっさきにアップデートして不具合が発生するのもまた楽しみのうち……というところだが、iPhoneやMacがここまでメジャーになってしまっては、そんなマニアばかりが使うわけでもない。10年前の物好きの趣味の道具ではなく、今や誰もが使うインフラなのだから。
iOS とiPadOSはアップデートしてもいいと思う。ただし……
というわけで、まずiOS 13とiPadOS 13だが、基本的には周囲では大きなトラブルは聞いていない。筆者は6月のWWDC直後から記事を書くためにバブリックベータ版を使ってるが、大過ない。
ダークモードも楽しいし、iPadOS 13のマルチタスクやジェスチャーはすでに手放せないものになっている。また、SSDやUSBメモリーの中をブラウジングできるのもとても便利だ。その他にももう手放せないような便利機能がいっぱいある。
iOS 13とiPadOS 13は、インストールしてしまえばトラブルは少ないが、アップデート時のトラブルは多く聞く。曰く「慌てててアップデートしたんだが、文鎮化した」「『アップデートをインストールできません』と言われている」「Suicaどこいった?」「Apple Watchとの連携は?」「リンゴループに入った(起動時のアップルマークが表示される状態が繰り返される)」。
というわけで、アップデートは慎重に。ストレージ容量に余裕を持って、ちゃんとバックアップを取って、時間に余裕のある時に行うことをお勧めする。
何がしかのトラブルは起こりがちだし、Apple WatchやSuica、クレジットカードの連携、銀行のワンタイムパスワードアプリなどセキュリティ的に厳重なサービスの再認証、LINEアプリの以降など、手間と時間のかかる作業は増えている。
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Catalinaはチャレンジャー以外は、もうちょいお待ちを
macOS 10.15 Catalinaの方は、正直言って、現状ではトラブルが嫌いな人(たいていはそうかもしれないが(笑))には、まだお勧めできない気がする。Sidecarとかは最高だけれども。
もちろん、最大のテーマとして 32ビットアプリはもう動作しない( https://funq.jp/flick/article/517742/ )という問題もあるがこれは不具合ではないし、いつかは乗り越えなきゃいけない問題だ。
しかし、それ以外でもいろいろとトラブルは多いようだ。私でいえば、写真アプリのサムネイルが消えた。どうも、iCloudと同期しているらしく、ゆっくり復活しつつあるが、アップデートして1週間以上経つ今でもまだ完全ではない。似たようなトラブルはiTunesなどでも聞く。
なんとなく起こっている事柄からすると、iCloudとローカルの両方にあるものについては、ローカルでは移行せずにクラウドから送ってくる(iPhoneのアプリのように)ような方向になりつつあるような気がする。だが、我々ユーザーにとって写真や音楽は大事な資産……という人が多いだろうから、こんな状態では不安だ。
また、T2セキュリティチップが管理する項目が多くなっているからか、アプリを立ち上げる時に、承認したりしないといけない項目が多くなっている。移行してしばらくは、新しいアプリを開くたびに承認を求められて、なにかと面倒だ(必要なことなのだが)。
また、ウリの一つである、写真アプリのキュレーションも、インストール後10日以上経つ今でも終わらない。「デバイスを電源につないだままにしておいてください」とのメッセージがあるが、止むを得ずそのまま電源を抜いて持ち歩いている。
このあたり、どこまでが仕様で、どこからがトラブルなのかよく分からないが、全体的にちょっと不安な挙動が多いような気がする。
アップデートしてからもバックグラウンドで何かしている
Catalina全体にいえることは、アップデートが終わってもまだ、アップデートは終わってないということだ。
……何を言ってるか分からないな。いわゆる通常のアップデート作業が終わってからも、いろんなアプリが背後で同期してたり、データベースを再構築してたりしているってことだ。しかも、放置してればいいというわけではなく、アプリを起動したり、セキュリティ的に承認したりしてから、そういう作業が始まったりするから、日常的に使わないとアップデートの作業が終わらないのだ。
だから、アップデートしてすぐの状態に絶望はしないで欲しいとは思う。マシンは熱くなるし、ファンはブン回るし、アプリを開いたらデータがなかったりすることがあるかも。また、恐ろしい量の同期作業をするかもしれないので、Wi-Fiルーターで同期している人は注意しておきたい。
一週間ほど経った今は、比較的快適に使えている。だが、トータルでいうと、Catalinaについては慎重派の人はまだ様子を見た方がいいと思う。移行する人も、時間に十分余裕のある時に、ちゃんとバックアップを取って。
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(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年10月号 Vol.96』)
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。