なぜ、AirPods Proがこんなにいいのか? 仕組みを解説しよう

小さなAirPods Proに詰め込まれた技術を3つにわけて説明しよう

AirPods Proがいい。半日使っただけなのに、もうすっかり参ってしまっている。ゾッコンだ。

どう、いいのかはまた別記事でお話することにして、なぜこんなにいいのかお話しよう。

説明しなきゃいけないことは3つある。

外からの音だけでなく。内側の音もアクティブノイズキャンセリングで打ち消す

まず、ひとつ目は中の音と外の音の制御。

普通、インイヤー型のヘッドフォンを耳に入れると、なんというか閉塞感というか、場合によっては耳の中に圧力がかかった状態になる。AirPods Proにはこれがない。

実は、AirPods Proの内部には筒抜けになっている部分があって、外の音は、一部直接入ってくる。これは耳の内部に圧力をかけないようにするためだ。

この直接入ってくる音も含めて、外側から来る音を捉えるマイクロフォンがあって、それで取った音全体に逆位相の音を当ててて、ノイズを消している。

それだけではない。さらに内側向きにもマイクロフォンがあり、反響などにより耳の中で発生している雑音も消してしまう。

この作業はH1チップが毎秒200回調整を行っており、その状況にあったノイズキャンセルを行ってくれる。

BOSEやSONYのノイズキャンセリングのように、『バン!』と静寂が訪れるのではなく、ホワッと静けさが訪れ、音楽を聞きながらやってる作業があれば(今、まさにそうだが)、スムーズに作業に集中できる。自然とノイズキャンセルの状態に入るので、むしろ集中できる感じは増しているように思う。

適度にノイズは消して、話は聞こえる『外部音取り込み』

次に、『外部音取り込み』の状態。

これは、一部先ほどの外気を通す穴から入ってくる音もあるが、基本的には外部マイクで捉えた音を内部のスピーカーで再生することで再現している。つまり、レイテンシーが遅ければ2重に聞こえるはずだが、まったく違和感なく聞こえる。いかに速く処理をしているかっていうことだ。

今、試してる感じだと、特に人の声をよく通してくれる。雑踏などでノイズに紛れそうな時などは、裸耳の状態より、むしろ『外部音取り込み』の機能で声が聞こえるような気がする。完全にノイズキャンセリングがオフになるのではなく、多少ノイズキャンセリングは効いているからだ。この技術がもっと進化すると、補聴器的な使い方もできるのではないかと思うほど。

つまり、音楽を再生している状態で、『ノイズキャンセリングオン/同オフ/外部音取り込み』の3つの状態があることになる。『外部音取り込み』の状態だとクリアに会話できるが、『ノイズキャンセリングオフ』だと、通常のインイヤーヘッドフォンをしている時のようなこもった感じにある。

そして、『ノイズキャンセリングオン』にすると、ちょうど映画で、そのシーンの音が消えてBGMだけになったかのような感覚を味わうころとができる。

そもそもの高音質と、アダプティブイコライゼーション

そして、肝心の音は、20Hzまでの低音を再現できる高偏移ドライバを採用。専用のハイダイナミックレンジアンプが、自然で伸びのあるクリアな中高音を実現している。

また、発生した音が耳の中で反響して帰ってくるのをマイクで拾って、耳の形状の性質に合わせて各周波数ごとに出力を調整するアダプティブイコライゼーションが本来鼓膜に届けるべき音を表現する。

それらの高度な処理を実現しているのが、新開発のH1チップというわけだ。

もちろん、通話用のヘッドセットとしても使えるし、Hey Siri !にも反応してくれる。

正直、AirPodsがここまで進化するとは思っていなかった。わずか片側5.4gのヘッドセットの中に、これほど高度なメカニズムがぎっしりと詰まっていることを思うと圧倒されるが、使い心地がきわめて自然であることに凄みを感じる。

アップルはこの小さな製品をどこまで進化させようというのだろう。

(村上タクタ)

出典

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村上 タクタ

flick!編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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