Yahoo!とLINE経営統合発表会に行ってきた! どうなるNEWS系やPay系サービス?

先週の日経のすっぱ抜きから情報が拡散されたYahoo!とLINEの経営統合に関する発表会に行ってきました。

朝、メールチェックをしたら、記者発表会招待のメールが来てて、慌ててスケジュールを調整して発表会に来たのですが、日本IT業界がひっくり返るような大事件とあって、ご覧のようにメディアの数もすごい。写真を撮るのも大変だし、後ろの映像のカメラマンさんからは怒号は飛ぶしで、大変な取材でした。

私自身、Yahoo!さんもLINEさんも取材でよくお邪魔するし、これからどうなっちゃうんだろう……って興味津々で取材に行きました。

経営は対等に統合……とのことだが

結論から言うと、対等の経営統合とのことです。

検索から始まったYahoo!と、メッセンジャーから始まったLINEがそれぞれ、周囲のサービスを吸収しつつ成長していって、最終的に統合ということであります。

経営もYahoo!の川邊健太郎さんと出澤剛さんが、ふたりともZホールディングスのCo-CEOとして経営に携わる。取締役はZホールディングス系3人、LINE系3人、そして社外取締役4人として両者を対等にしながら、少数株主の意見も取り入れられるように配慮。

ただし、登記上従来通りZホールディングスの社長は川邊さん。

考えてみれば『PayPay<Yahoo!<ソフトバンク』という親子関係の整備や、Zホールディングスの新設など、この日に向けて調整されてきたことなのかもしれません。

対等なはずですが、Zホールディングスの位置や、川邊さんが社長であることを含め、微妙にYの方がことを運んでいるように見えます。経営に関しては詳しくないので、あくまで発表会を見ての感想でしかありませんが。

世界視点に立つと小舟のような日本企業

さて、両者が手を組むことになった最大の理由は、北米のいわゆるGAFAや、中国のサービス、メーカーに対して、あまりに規模感が違うということ。

こうやって数値で見ると、歴然です。

伏せ字は、左からGoogle、Facebook、Amazon、アリババ、テンセント……って感じでしょうか?

こうやってみると、日本だと巨大企業であるはずのYahoo!やLINEがいかに小さい(と言っていいのか)企業か分かります。下から見上げている我々にとっては巨大ですが、世界が見える目線からだと、いつ飲み込まれるかわからない怖さあはるのでしょう。ならば個別に戦うより、力を合わせようという気持ちになるのはある意味当然です。

力を合わせれば百人力!?

経営統合といえば、出てくるのが『シナジー』という言葉です。

両者には数多くのサービスがあり、Yahoo!はどちらかといえば高年齢層、LINEは若年層に影響力を持ちます。またYahoo!はECなども強力ですし、LINEは個人個人に直接訴えることができるLINEのメッセンジャー自体が強力です。

しかし、ご覧のように非常にオーバーラップしているのも確かです。

ユーザーベースにしてもYahoo!が約6,700万人、LINEが約8200万人と発表されましたが、多分にオーバーラップしているでしょう。それを合わせたから、1億4900万人になるかというとそうは行きません(日本の人口を越えてしまいます(笑))。

では、本当に1+1が2以上になるのでしょうか?

経営戦略的には、統合してシナジーが生み出せるのでしょうけれど、我々一般人からすると、「ホントに?」という思いがするのは事実です。

たとえば、Yahoo!ニュースとLINE NEWSは統合されるの? とか、PayPayとLINE Payは? と疑問は山ほど湧いてきます。

現状、決まっているのは『経営統合する』ということだけで、個々のサービスに関してはこれから徹底的に議論して決めていくそうです。そのためにそれを最終的に管轄するCPO(チーフプロダクトオフィサー)という役職も設けるとのこと。それまでは従来通り、互いに切磋琢磨していくのだそうです。うーむ。

しかし、ユーザーもYahoo!のサービスが好きだから、LINEのサービスが好きだから……それぞれを選んでいたと思うのですが、そんな風に統合されて納得できるものかどうか……。赤と緑を混ぜると、どちらでもない濁った色にならないのか不安です。

また、それぞれのいわば親会社であるソフトバンクグループ、NAVERグループとしてシナジーを生み出せるとしています。

両者が組めば『最強のOne Team』ということですが、これまで最大のライバルとして戦い続けて来た両者の社員の方々は、急に『ノーサイド』精神で、仲良くできるものなのでしょうか? 何年かしたら、いずれ統廃合が起こって、それぞれに消えていくサービス、名前があるかと思うと寂しい気もします。もっとも、それを越えて、将来に勝ち残れるサービスを作ろうという経営判断なのだと思いますが。

合従連衡の日本IT企業の経営戦国時代が加速する!?

目指すは『日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニーへ』ということです。ちょっと『AI』が唐突な感じはしますが、両者とも内部で相当研究されているということなのでしょう。

「既存のサービスのシナジーはもちろんですが、今後発表されるサービスにおいて経営統合のメリットは大きく出てくると思います」と出沢さんもおっしゃっていたので、両者手を取り合って、世界を相手取っての戦いが始まるのでしょう。

両者が一緒になると、国内で最大のライバルは楽天グループということになりそうですが、サイバーエージェント、メルカリ、GMO、DeNAなどを巻き込んだ、合従連衡の日本IT企業の経営戦国時代が始まったのかもしれません。

互いのコーポレートカラーを入れ替えたネクタイをして、川邊さんとガッチリ手を組んだ出澤さんですが、昨夜はLINEをこれまで引っ張ってきたトロイカ体制の慎さん、舛田さんと一緒に3人でラーメンを食べながらLINEのこれまでの時代について語り合ったそうです。先日、ZOZOの前澤さんもZOZOをYahoo!に売却したことについて、しんみりとnoteに記してらっしゃいました( https://note.mu/ysk2020/n/n3e95db525b30 )。経営者も楽ではないですよね。

経営は統合されることは決定しました。サービスやサービスを作っている人にとっての混乱はこれから始まるでしょうし、我々ユーザーにとっても少なからぬ影響のある統合です。経営者の人が見据えたような、良い未来が開けるように祈らずにはいられません。

(村上タクタ)

出典

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PROFILE

村上 タクタ

flick!編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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