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初代iPad発表から10年。2010年1月27日を振り返る

iPadは『iSlate』という名前になると噂されていた

明日、2020年1月27日。iPadが発表されて10年が経つ。

みなさんは初代iPadが発表された2010年1月27日がどんな時代だったか、ご記憶だろうか?

iPhoneが最初に発表されてから3年が経っており、僕らの手元にはiPhone 3GSがあった。スティーブ・ジョブズがタブレット型デバイスをを発表するという噂が流れており、我々は真夜中にKeynoteのストリーミングを見ていたはずだ。

そのデバイスは『iSlate』という名前になると噂されていて、私もおそらくそうだろうと思っていた。『iPad』という名前は、『iPod』と似過ぎていたし、英語ではPadには生理用ナプキンの意味もあるし、そんな名前にするわけがないという話もあった。しかし、予想に反して、その革命的デバイスは『iPad』という名称で登場した。

弊社にもApple公式にも当時の映像はないから、YouTubeにあったiPadinsiderの動画へのリンクを引用しておこう。太い黒縁のiPadを発表する、懐かしいスティーブ・ジョブズの姿を堪能していただきたい。

Apple iPad: Steve Jobs Keynote Jan 27 2010 Part 1
https://www.youtube.com/watch?v=OBhYxj2SvRI

当時ジョブズが重大な病に取りつかれていることは衆知の事実で、彼が日に日に痩せ衰えていることは我々の目にも明らかだった。

しかし、iPadの発表会で、ご覧のように彼は活発に話し、『現実歪曲フィールド』とまで言われたプレゼンテーション能力を如何なく発揮していた。彼は、当時世間を席捲していたネットブックと言われる安価だが貧弱なWindowsパソコンをこき下ろし、初代のiPadを披露してみせた。

噂では、Apple復帰後、ジョブズが最初に作ろうとしたのはiPad(に相当するデバイス)だった。しかし、よりビジネスとして軌道に乗りやすそうに思えたiPhoneを先に作って改良していき、それからiPadに取りかかったのだという。その戦略は正解だったように思う。

液晶は768×1024ピクセルの非Retina。ストレージは16/32/64GBでしかなく、搭載されていたのは非力なA4チップだった。しかし、手に持てる大きな液晶ディスプレイで、ジョブズは新聞や雑誌を読み、地図をピンチイン、ピンチアウトで自在に操り、メールを書き、写真を見て、音楽を聞き、YouTubeを見て、ゲームをして見せてくれた。

そこで彼が披露したのは、デジタルガジェットの未来そのものだった。

もちろん、たまらなく欲しかった。

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日本発売前にアメリカから購入した

しかし、当時はまだ世界同時発売を行うほどの能力はAppleにはなく、米国だけの先行発売となった。米国では2010年3月12日の発売だが、日本では4月下旬発売と言われていたがあまりの需要の多さに発売は遅れて、最終的には5月28日発売となった。

この新しいデバイスがどうしても可能な限り早く欲しかった私は、知己をたどりベイエリア在住の知人の知人に購入した送ってもらった。入手したのはゴールデンウィーク。2010年のGWは、まだ日本ではほとんどの人が持っていない初代iPadと共に過ごした。

初代iPadを箱から出して、初期設定するのは本当にワクワクする体験だった。

今にしてみると、なんでもないことなのだが、ディスプレイを手に持って新聞や雑誌を読むのは衝撃的な体験だった。たった、10年ほどの前の話なのだが。

さっそく、自分が作っていた熱帯魚の本を裁断して、ScanSnap S1300で取り込んで、電子書籍として読めるようにしたりした。雑誌編集者として衝撃を受けた。

そして、AppleのBluetoothキーボードをiPadに接続して、Keynoteを使ってゴールデンウィークのうちに企画書を書いた。iPadみたいなデジタルデバイスを取り扱う本を作ろうと思ったのだ。

それが、フリック!の創刊号だ。

つまりは、私の人生はiPadの登場で大きく変わった。他にも、iPadの登場で大きく人生を変えた人はたくさんいると思う。

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iPadの驚くべき進化

それから10年が経ち、iPadは凄まじく進化した。

今見ると、初代iPadはとてもレトロなアイテムだ。画面デザインはスキューモーフィズム全盛で、ノートはレトロなノートっぽいデザインだったし、YouTubeのアイコンにいたってはブラウン管のテレビを模していた(なぜだ!(笑))

初代iPadから考えると信じられなほどiPadは進化した。iPad miniというコンパクトな弟分もでき、さらに高性能なProラインが登場した。進化の系図は下の通り。これは昨秋作ったムックの1ページだが、この後さらにスタンダードなiPadに第7世代が登場した。第7世代はついに初代から受け継いだ9.7インチディスプレイを捨て去って、10.2インチとなった。

最新のiPad ProはA12X Bionicチップを積み、最大1TBのストレージを持ち、2732×2048ピクセルという広大でゴージャスなディスプレイを持っている。専用のスマートキーボードを接続できるし、Apple Pencilという信じれないほど豊かな表現を可能とするデバイスも組み合わせることができるようになった。

10年前の私に言いたい

10年前の明日、iPhone 3GSの画面に映し出されるジョブズのプレゼンテーションにかじりついている私に、言いたい。

40歳だったおまえは、当然ながら50歳になる。おまえはそのデバイスを買って、新たな電子雑誌『フリック!』を作り、その雑誌は100号にまで到る。そしてどんな運命のいたずらか、iPadの発表会のためにNYに呼んでいただいたりして、AppleのCEOにも逢える。

しかし、そのCEOはジョブズではない。スティーブ・ジョブズはiPadを発表してから1年と少し経つと世を去ってしまい、その後をティム・クックが継ぐ。

買ったiPadは10年後にも動いていて、驚くほど高性能になったiPad Proと並べて写真を撮ることが出来る。

そして、10年経って、あの時にジョブズが描いた未来は、完全以上に実現していることを実感できる。

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(村上タクタ)

出典

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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