アップルが勧めるLinksysのVelopに、Wi-Fi 6対応の最上位モデル『MX5300』登場
- 2020年02月25日
初代iBookで使われていたWi-FiはIEEE802.11bという規格だった。通信速度は11Mbps。
続いて、54Mbpsの11a/g、600Mbpsの11n、6,240Mbpsの11ac、そして現在最新の規格である9,607Mbpsの11axに到る。理論上の通信速度は、実に1000倍ぐらいになっているのだ。
もちろん、低解像度の画像をeメールで送っていたのが、ウェブブラウジングするようになり、動画を見るようになり、それがどんどん高解像度になった。さらに、4Kや8K、VR、リアルタイム性が必要とされるオンラインゲームなども接続するようになった。20年ほど前とは比べ物にならないほど要求性能が上がっているのだ。
さらに考えてみて欲しい。20年前には繋がっているのはパソコンだけだったが、今はあなたの自宅のWi-Fi回線に何台のデバイスが繋がっているだろうか? 家族の人数分のスマホ、パソコン、タブレット、セットトップボックス、ゲーム機、eブックリーダー、テレビ、Wi-Fiコントロールの家電、スマートウォッチやIoTデバイスなど、数十個のデバイスが繋がっているのではないだろうか?
つまり、現代のWi-Fiには単純に通信速度たけが要求されるわけではない。反応速度、エリアの広さ、複数接続時の性能、そして、デバイスや電波が増えたことに対応して、電波干渉に対する強さなども要求されるだろう。
にも関わらず、古いWi-Fiルーターや、プロバイダが無償提供する残念な規格のルーターをそのまま使っている人が多いのは不思議なことだ。ここはお金をかけるべきポイントだ。
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アップルは自社製品提供をやめたあとにVelopを推奨した
アップルは長年販売した自社製品、AirMac Express、Extreme、Time Capsuleなどの販売を止めた。そのあとに推奨したのが、LinksysのVelopシリーズだった。
Linksysは30年の歴史を持つアメリカの無線LAN製品を扱う企業。2003年にシスコシステムズに買収され、今はベルキンの1ブランドとなっている。
Velopシリーズは非常に洗練された商品構成となっている。従来は、デュアルバンドタイプのAC1300シリーズと、トライバンドタイプのAC2200シリーズの2ラインが存在した。
デュアルバンドタイプは2.4Ghzと5GHzを利用。トライバンドタイプはもうひとつ5GHz帯を用意して、相互連携などに使う。トライバンドの方がより多くのデバイスに安定した通信を供給できる。
Velopのシステムの素晴しい点は、自動かつ自己修復可能なメッシュ構造で接続できることにある。有線LAN回線に接続した親機となるモデルから、接続状況に応じて、それぞれのデバイスに直接繋がったり、必要に応じて他のVelopを経由したり、常に最適な経由設定で接続できる。
さらに、Velopのシリーズであれば、タイプが違っても互いに接続可能なので、たとえば親機としてはトライバンドタイプ、子機側にはデュアルバンドタイプを使ったりすることもできる。
今や昔のように、パソコン1台にWi-Fiが繋がればいいというわけではない。リビングはもちろん、キッチンや、書斎、ベッドルーム、子ども部屋にもWi-Fiは必要だ。中継器を最適な配置で接続するのは難しいが、Velopを数台置けば、自動的に最適なメッシュ構造を構築し、それぞれのデバイスにWi-Fi環境を提供してくれるというわけだ。
Velopの最新Wi-Fi 6対応モデルがMX5300
そして今回、発売されたのMX5300は、そのVelopシリーズの最新モデルで、Wi-Fi 6に対応している。
もちろん、これまでのVelopシリーズの利点をすべて継承し、互換性を確保している。
Wi-Fi 6は、IEEE802.11bからずっと進化してきたIEEE802.11axのことで、
・通信速度が速い
・多数のWi-Fi機器を高い速度で運用できる
・デバイス側の消費電力を低減できる
などのメリットがある。要するに、今の時代に即したネットワーク環境を実現できるということだ。
もちろん、デバイス側もWi-Fi 6に対応する必要があるが、iPhone 11シリーズはすでにWi-Fi 6に対応しているし、今後デバイス側はどんどん更新されていくだろう。インフラ側としてのWi-Fiルーターを今買うなら、Wi-Fi 6対応のものにしておきたいところだ。
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。