アップルがコロナ対策支援でモビリティデータ公開。東京は #StayHome できているか?
- 2020年04月15日
アップルが、各国、世界各都市での行動抑制の指標として、iPhoneなどから所得したモビリティデータを公開した。
Apple Maps Mobility Trends Reports
https://www.apple.com/covid19/mobility
モビリティータはiPhoneなどの位置情報から得られているが、アップルIDとのヒモ付けは行われておらず、アップルには移動先に関するデータも持っていない。これらデータはランダムかつ一時的な識別子に関連づけられ、識別子は頻繁にリセットするため、アップルが移動や検索に関するプロファイルを持つことはなく、ユーザーのプライバシーが損なわれることはないという。
東京は徒歩43%減、公共交通機関45%減
では、東京のデータを見てみよう。
データは、クルマでの移動、徒歩、公共交通機関にわけて表示される。
コロナの影響が大きくない間は、週末になると移動が増していたのに、コロナの影響が始まってからは週末の方が行動が抑制されている。多くの人は、休みを『 #家で過ごそう 』としているということだ。
対して、ウィークデーの方が行動しているということは、やむなく仕事に出ている人が多いということだろう。「我々の仕事は出社しないとできない」と思っている人は多いと思うが、そこのところは経営者が雇用者とその家族の命を守るために判断しなければならないとこだろう。何割かの人が在宅勤務に切り換えただけでも、会社全体での密度が低下するはずだ。おそらく長期戦になることは間違いなさそうだから、そのために必要なデバイスや、ソリューションは早く用意した方がダメージは少ない。
グラフに補助線を引いてみたが、やはり「気が緩んだ」と言われた3月後半の3連休のモビリティデータは普段の週末並みに増えている(クルマが多く、公共交通機関が少なめではあるが)。
その後、感染者数の増加にあらためて気が引き締まったのか、雪が振った週末にはグッと行動が抑制されている。そして緊急事態宣言が発令されてからもさらに減少傾向にある。
ただ、13日現在でも徒歩が43%減、公共交通機関が45%減ということで、頑張ってはいると思うが、目標の7〜8割減には程どおい。
つまり計算上、この数値では感染者数の増加に歯止めが効かず、おそらく5月6日の緊急事態宣言解除は無理だろうという予想を立てることができる。
ちなみに、日本全国ではさらに、行動は抑制されておらず、13日現在で徒歩が36%減、公共交通機関が38%減。
NY、SF、メルボルンなどは8割減に成功している
他の国を見てみよう。
今、一番の惨禍に見舞われているNY。徒歩は、81%減。公共交通機関はなんと87%減。
厳しい外出規制を敷いて、感染者数が減少していると言われている、アップルなどもあるサンフランシスコ-ベイエリアは徒歩が74%減、公共交通機関が80%減。
移動にクルマを使う人が多いのだろうとは思うが、そのクルマでの移動も61%減。IT系企業が多いから、在宅勤務がしやすいという傾向があるとは思うが、 #StayHome が徹底されている。
同じく、厳しい外出規制が敷かれ、屋外で3人以上で会っていると罰金刑までもが課せられるというメルボルンではも徒歩が61%減、公共交通機関も83%減。
ちなみに、オーストラリアは新規の患者数を大幅に減らすことに成功している。
もちろん、生活習慣などが違うから一概には言えないが、日本の都市部の行動抑制、特に平日の行動抑制は十分には進んでないといえるだろう。せっかく公開してくれたこういうデータをフィードバックしながら、より一層の #StayHome を続けていく必要がありそうだ。
(村上タクタ)
SHARE
PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。