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これからの『新しいあたり前』って何? 【New Norm Consortium発足】

大変な厄災だが、その中に希望はあるか?

好むと好まざるとに関わらず、世の中は変わってしまった。もちろん、元に戻っては欲しいけれど、連休が終わっても元に戻るわけがないのが現実だ。

3月11日のあの日以来、海辺に行くと避難ルートを確認してしまうし、9月11日のあの日以来、国際線に乗る時の荷物検査はやたらと厳しく、僕らもそれを当然だと思う。

コロナ禍は大変な災いだが、それでも僕らはこの世界で生きて行く。なかったことにできないのだから、その中で最善を尽くしていくしかない。

飲食店や観客を集めるビジネスは大変だが、この状況だからこそ膨大な利益を挙げている業界もある(あえて大声では言わないだろうけど)。働き方も変化を余儀なくされているが、今までいくら大声で叫んでも前進しなかった、IT化、ビデオ会議や、ドキュメントのクラウド共有、ハンコレスの書類の承認などが驚くほどの速度で進んでいて、それは決して悪いことばかりではないかもしれない。満員電車に乗らなくても仕事が進められるとしたら、あの非効率でストレスフルな通勤はいったい何だったのだろう?

教育のIT化も上手くすれば、進むかもしれない。

新しい時代の『あたり前=norm』を探すために

そんな、新しい時代の『あたり前=norm』って何なのかを模索し、社会実装するために発足したのが、株式会社tsumugが発起人として発足した『New Norm Consortium(ニューノーム・コンソーシアム)』だ。

参加するのは、tsumug、電通を中心に、さくらインターネット、キャンプファイヤー、リコー、シャープ、BASEなど、25の企業。その他個人メンバーとして、京都芸術大学の小笠原治さん、東京大学教授の川原圭博さん、アーティストのSputniko!さん、シティライツ法律事務所の弁護士・水野祐さんなどが名を連ねる。

New Norm Consortium

withコロナ時代到来を契機に、見つめ直される働き方、暮らし方を、新たな視点で研究、社会実装する

声を上げてから、多くの会社が集まり、方向性が決まり、ウェブサイトができるまでわずか10日。その間一度も会うことなく、オンライン上だけでこのムーブメントが起せるということ自体がNew Normだと言えるだろう。

新しいスタイルのイベントで、『新しいあたり前』を探す

そして、その第1回のイベントとして、「New Norm Meeting Vol.1」が4月28日(火)に、オンラインイベントとして開催された。

登壇者はZoomで討論し、観衆はYouTube Liveでその様子を見るというスタイル。取材陣もZoomで入るけど、基本的に音声はオフ。セッションごとに質問の時間が設けられ、そのタイミングだけ音声を主催者側からオンにされるというスタイル。

登壇者は、このコンソーシアムに参加している企業の担当部署の方や、スタートアップの代表の方。モデレーターは池澤あやかさんと、小笠原治さん。

セッションのテーマは、リンク先をご覧にたいだければわかるのだが、『New Norm』とは何かということと、『オフィス』『働き方』『キャリア』『大学』において、新しい当たり前がやってくるだろうというお話。

実際には、飲食店やイベント業界の方のご苦労などもあるのだけれど、スタートアップや、企業の最先端の部分では、これからの世の中がどうなっていくのか、我々はどうなっていくのかを考えなければならない。

たとえば、ある程度在宅勤務でも問題ない、ビデオ会議でも問題ない、むしろ効率的であることが分かったのだから、在宅勤務を推奨して、六本木や渋谷、品川のオフィスをシュリンクする企業は多くなるだろう。大きな家賃を節約できるのなら、在宅勤務の設備に資金を提供したり、通信費を補助するというスタイルもアリになるだろう。

人類の文明歴史はパンデミックの歴史でもあったそうで、数十人が集まって暮らしているだけの時には疫病の大流行は起こらなかった(起こっても小単位の集落が全滅するだけだった)。10万人を越える都市が出来て、大規模な伝染病も起こるようになったのだそうだ。

その後も、大規模な伝染病が起こるたびに人類史は大きなターニングポイントを迎えてきたとグレートジャーニーの安川新一郎さんは言う。ローマの崩壊、イスラムの台頭にペストが関わったし、逆にソクラテスが思想を深めた時期も、ニュートンが大きな発明の土台となった思索を深めた時期も、伝染病で外出できなかった時期なのだという。ニュートンはケンブリッジだが行くが閉鎖されている間に故郷に戻って思索を深めていたというから、今と本当に似たような状況だ。ペストで帰省している1年半の間に『微分積分学』『万有引力の法則』などの着想を得て奇跡の年と言われているそうだ。つまり、この機会に大きなアイデアを着想し、それを練り込むために使っている人もいるかもしれない。

人の働き方と管理の仕方も変わっていくだろう。入社するなり在宅勤務となっている新入社員も少なくないはずだが、彼らの多くは戸惑っておらず、むしろ『どうやってレクチャーするか?』と対応する側の方が困っているとのこと。彼らは新しい働き方に案外すんなり慣れるはずだ。

キャリアのあり方も変わって行くだろう。これまでの組織に入る『メンバーシップ型』から、プロジェクトにコネクトして働く『ジョブ型』への移行は加速するという。

学校の教え方も当然のことながら変化していくだろう。東京大学教授の川原圭博さんによると、東京大学の授業は完全にオンラインベースになっており、学生と慣れた先生にとっては大きな問題はないという。小笠原治さんによると京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)でも、5月18日からオンラインでの授業がスタートするそうで、昨年度から使っているGSuiteに加えてZoomのアカウントが配布されているという。ただし、実験や、実技を伴う実習においては、当然のことながらオンラインというわけにはいかない。「たとえば、オンラインでしか講義を受けていない医学部の学生に手術をしてもらいたいとは思わないでしょう?」と川原教授。同様の問題は多くの学部で起こり得ることで、オンラインだけですべてが解決するわけではなさそうだ。

懇親会だって『New Norm』スタイル

3時間にわたり、5つのセッションが行われた後、Zoomを使って、懇親会といった体裁で『awabar.online』が開催された。こちらでは、トレタの中村仁さんたちも参加し、現在の飲食店、物販店の問題などの討論が行われた。会は何度か中締めを行ったり、途中でZoomのブレイクアウトという機能を使って、全員を少人数の部屋に分けてグループミーティグを行ったりして、なんと21時から24時まで3時間ものリラックスしたトークが行われた。

これからの『New Norm Consortium』に期待したい

良くも悪くも『新しいあたり前』はやってくる。

では、予想せずに押し付けられる『新しいあたり前』に甘んじるか、予想して、それに対応する。もしくは、より前進して、自分が『新しいあたり前』を生み出す側になるかというのは、意義のある問題提起だと思う。

一方、『それぞれのコロナ対策』があって、議論が紛糾するのと同様、今のところ『新しいあたり前』も、それぞれのリクツがあり、正義がありそうで、まだストーリーとしてまとまったものを感じるまでには到らなかった。この会が、Vol.2、Vol.3と行われて、より煮詰まった議論となっていくことを期待したい。また、より多くの企業の参加が得られることも重要だろう。

メディアだって、新しくあらねばならない

取材側としても、新しい体験だった。

まず、ひとつの疑問は、『多くの人が申し込めば自宅でリアルタイムに参加できる無料のイベントを取材する意味があるのだろうか?』ということだ。

何しろ、私がZoomで見ているとほぼ同じやりとりを、同じ解像度で一般の方も見られるのだ。では、メディアは何を伝えればいいのか?

こうやって、要約し、参加した人には意義を伝え、参加していない人には何が起こったのかの概要を伝え、メディアとしての意見を加味するということは大事だが、現場で独自の写真を撮れない、聞いてる話も同じ……では、なかなか独自性を提供することは難しいだろう(たとえば、同じ広報写真を使っていると、スマートニュースやYahoo!ニュースなどのキュレーションサイトでは、おそらく先に投稿した方、もしくはPVの大きなメディアの方が優先されてしまう可能性が高いので、案外写真のオリジナリティは大事なのだ)。

工夫してはみるが、いつまでこれが成立するのか? メディア側の課題だろう。

ちなみにセッションごとに「メディアの方は挙手を」と聞いていただいたのだが、タイミングが取りずらく(簡単に言えば、その話が出た時に質問を考えて用意していなければならない)最後のセッションでようやく初めて質問できた。そして、選ばれるとZoomに画面と音声が出て質問するのだが、当然YouTubeにも私の顔と部屋が表示されるわけで、なんだか質問するのに壇上に上がってしまった感じがして、よほどの質問でないとできない感じはした。チャット欄で質問だけ投げ掛けられる方がいいかと思うのだが、チャット欄はYouTube側に表示されていたのだろうか?(取材者側にはYouTubeのURLは伝えられなかったので様子が分からなかった)。

そういえば、リアルのイベントだと、会場の広さとか、規模とか、設備のお金のかかり具合とか、観客の人数、熱気などで、イベントの重要性や、盛り上がりを感じる部分もあって、それも取材のひとつなのだが、その点も掴みずらかった。

なにしろ、Zoomには登壇者の人しか写ってないのだから、数人のイベントでも規模感としては同じに感じる。イベント後に主催者の方に聞いたところによると、再生回数は1500回以上、最大で500人もの同時再生があったそうだ。すごい。取材時に感じてるより、大規模なイベントだったのだ。

対して、登壇者以外の運営スタッフは4人とのことで、これだけの規模のイベントを4人で回せるのだというのも『New Norm』なのかもしれない。

ちなみに、筆者も懇親会にはワインとツマミを用意して参加し、awabar.onlineを24時まで満喫した。各界の登壇者の方とお話したり、視聴者の方とお話したりすることもでき、これもまた従来の懇親会と同じようで、違う部分もあり、なかなか面白かった。

さて、あなたの『New Norm』は、どんなものになるだろうか?

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(村上タクタ)

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村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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