知られざる究極のソリューションFileMakerの、知られざる大変貌
- 2020年05月21日
INDEX
アップルの100%子会社という特別な立ち位置
非常に使いやすく、さまざまな問題を簡単に解決できる手段で、歴史もあるのに、一部の人にしか知られていないソリューションがFileMakerだ。
FileMaker社は、ずっとアップルの100%子会社として存在てきたし、Macを中心としたデバイス(と思われているが、Windowsfでも動作する)で開発でき、制作されたカスタムAppはiOS、iPadOSデバイスで動くし、ウェブアプリとしてAndroidでも動作する。つまりほとんどのデバイスで活用可能だ。
しかし、Windowsを使っている人をはじめ、FileMakerを本当に利用している人以外にはなぜかあまり知られていない。
もともとは、カード式のデータベースソフトとして、開発されたが、リレーショナルデータベースになり、ウェブに公開できるようになり、扱いやすさを維持したまま巨大なデータベースシステムへとスケールアップしていった。
たとえば、巨大な病院のカルテのシステムも作れるし、在庫管理を中心としたECサイトを構築することもできる。ある意味、あらゆることが出来過ぎるから分かりにくと感じる人も多いかもしれない。世界で、5万以上の企業や組織で、100万人以上のユーザーに使われているサービスなのだ。
実は、昨夏『FileMaker』という長年続いた社名から、もっと以前に使っていた『Claris(クラリス)』という社名に変更された(筆者は30年近く前に、Mac上で動くClaris FileMakerや、 Claris Works、Claris Organizerというアプリを使っていたことがある)。そして、本日発表された新製品は、なんと19バージョン目にして『Claris FileMaker 19』という名称になった。
さらに、長年使われてきたフォルダ型のアイコンも廃され、もっと抽象的なファイルを象徴していながらも、花弁を上からみたようなカタチのアイコンに変更された。
先にリリースされていた、CloudとConnect
実は、この春の年次アップデートだけで、変わったわけではない。
海外ではクラウドサービスとしてClaris FileMaker Cloudが10月にローンチされていたし、自動化ワークフローのClaris Connectは3月を稼働を開始している。そして、満を持してこの5月21日のアップデートで、ついにアプリもClaris FileMakerという名前になったというワケだ。
変わったのは名前だけではない。JavaScriptの統合化がより進み、サービス全体のクラウド化がより進んだ。また、macOSやiOS、iPadOSがそもそもサポートしている機械学習のCore MLのサポートも進んだ。
FileMakerあらため、Claris FileMakerは、従来からの扱いやすさをそのままに、より現代的に素晴しいスピードで進化を続けている。
テクノロジーの支柱となっているのは、クラウドテクノロジー、すべてを統合して扱う能力、Claris FileMaker Goを中心とするモバイルとウェブのテクノロジー、そして機械学習をはじめとした最先端技術の取り込みだ。
Java ScriptをWebビュアーで使うことができるようになったので、より洗練された見栄えのWebアプリを作ることもできるようになった。
Core MLを使うことができるようにあったので、写真を認識させたりできるようになり、たとえば、クルマの修理工場で、手が油で汚れていてキーボードを叩くのも難しいような状況でも、取り外した部品をiPhoneのアプリに見せるだけで、その形状を認識し、部品を理解し、在庫状況を確認する……というようなことまで可能になっている。
Connectで簡単に構築できるワークフロー
Claris Connectによって、自動化ワークフローを構築しやすくなった。
Claris Connectは、『コネクタ』を作られたアプリを組み合わせて自動化ワークフローを作ることができる。
たとえばこれは、Mailchimpが『New Subscriber』というメールを受け取ると、その中の氏名を抜き出して、Slackの特定のチャンネルに『○○さんがサブスクリプションを申し込みました!』というメッセージを投稿するように組合せた例。
実に簡単に、こうした自動化サービスを構築することができる。
すでに100以上のコネクターが世界が開発されている。
また、日本でもクラウドサインと Chatworkが5月21日に新しいコネクターを用意することになっている。
これにより、Claris FileMakerのワークフローに、契約書への確認依頼や、押印、チャットワークのタスク管理や投稿を組み合わせることができるようになるはずだ。
年次アップデートはこれで最後
Claris FileMakerの進化している点は数多いが、さらにもうひとつ、発表されたことがある。
それは、年次のアップデートが、このClaris FileMakerで最後だということだ。
今後は、Claris FileMakerは、サブスクリプションモデルとなり、もっと短いスパンで随時アップデートが行われるようになるという。
Claris FileMakerにさらに新しい歴史が加わって行くわけだ。
すでに巨大なアプリ、サービスになってしまったので、簡単とはいえ、初心者がひとりでシステムを構築するのは難しくなっているが(チャレンジと、学習はいつでもできるし、Claris FileMakerの場合、それは比較的簡単だ)、数多くのFileMaker開発者がいるから、それらの人々に依頼することは非常に簡単だ。
気になる人は、ぜひ調べてみていただきたい。
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。