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古典SFの金字塔『銀河帝国興亡史』Apple TV+に登場! 2021年まで絶対退会できない!

壮大な古典SFの傑作『ファウンデーション・シリーズ』Apple TV+に登場予定

本棚に水色の背表紙の文庫本が並んでいる人。『ハリ・セルダン』『心理歴史学』『トランター』という名前を聞いてワクワクする人に超ビッグニュースです。

古典SFの金字塔、アイザック・アシモフの『銀河帝国興亡史』が、『ファウンデーション』の名で、Apple TV+で映像化されることがWWDCで発表されました。今のところあまり話題になっていない気がするApple TV+ですが、これで2021年までは絶対に解約できないことが決定した(笑)

アシモフの『銀河帝国興亡史』は、クラークの『幼年期の終わり』や、ハインラインの『夏への扉』と並ぶ古典SFの傑作中の傑作中の傑作。

科学技術の進歩とともに、SFは考証などの面において難しいことになっているが、科学が急速な発展の途中にあり、一般の人に浸透し始めた時期だったからこそ、古典SFの時代は大きな想像の翼を広げることができ、傑作が数多く生まれたように思う。

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ファウンデーションがあったから、スターウォーズも生まれた(と思う)

正確な起源をたどることは難しいかもしれないが、少なくとも私の記憶の中では、銀河系に広がる数百万の星々に人類が広がって、それぞれに国家のように発展し、連邦国家や帝国が成立しているという概念を、最初に具体的に提示したのは銀河帝国興亡史だったように思う。

それゆえ、TRPGの『トラベラー』や、スタートレック、スターウォーズ、銀河英雄伝説だって、すべてこの『銀河帝国興亡史』があったからこそ生まれた世界だったように思っている(このあたりは、実際の因果関係は分からない……SFに詳しい人に聞いてみたい)。

心理歴史学とセルダンプラン

この壮大な物語を簡単に要約するのは難しいが、舞台は2500万個以上の星々に人々が住み、反映している世界。1万2000年に渡って繁栄を続けてきた銀河帝国も徐々に崩壊しようとしていた。

そこに現れたのがハリ・セルダンという科学者。彼は、心理歴史学(Psychohistory)という学問の創設者で、その学問は『個人の行動は予測できないが、十分に膨大な人数から構成される集団の行動は正確に予測できる』というもの。

セルダンは研究を進め、将来、銀河帝国が崩壊し、数万年の暗黒時代に突入することに気がつく。そして、この数万年の暗黒時代を極力短くするために計画を立て、その予測を『セルダンプラン』として保存。時が来れば『時間霊廟』に現れるセルダンのホログラフが予測されていた事象について述べるシステムが構築された。

『トランター』は、ほぼ全惑星上重層化した都市に覆われた銀河帝国の首都。セルダンは帝国の崩壊を予言したという罪に問われるが、辺境の惑星『ターミナス』で過去の歴史をまとめた『銀河百科事典』を編纂するためという名目で『ファウンデーション』を設立。銀河百科事典編纂は表向きの理由で、ファウンデーションの真の目的はセルダンプランを保全、遂行するための組織だった。

セルダンの死後も『セルダンプラン』は機能し続けるが、その予測を越える突然変異で他人の心理に影響を与えることのできる超能力者『ミュール』が登場したり、実はバックアップとして『第2ファウンデーション』があるんじゃないか? という話や、この銀河のどこかに人類の起源となる星があって……なんていう話も出てきて、壮大な本当に壮大な物語。

原作は1951年から’53年にかけて最初の3部作が書かれ、その後’82年から’93年にかけて後半の4作が書かれた。さらにアシモフの書いた数冊の単行本が実は前史であり、さらに最終的には彼のもうひとつのテーマであるロボットものの物語と結びついて行く壮大な物語(ちなみに有名なロボット工学三原則を考えたのもアシモフ)。

まずは、原作を読み返して待機するか……

2500万の星をつなげた宇宙に、『心理歴史学』という架空の学問を持ち込んで未来予測できる……としてみせた点が興味深い点で、社会心理学や群集心理という学問と繋がるし、後のカオス理論などにも繋がるような考え方を、1951年という日本ではまだ戦後すぐのような時代にしているのが面白くてたまらない。

それをアップルが作るというのもとても面白い。

アメリカではNetflixが非常に大きな経済力を持っており、デバイスやプラットフォームを作っていながらその上で大きなビジネスをされてしまていることに、アップルとしては忸怩たるものがあり、その思いが作らせたのがApple TV+だと思う。これまでは横目で見ているだけだったのだが、『ファウンデーション・シリーズ』が登場するとなると話は別だ。他のApple TV+の作品も今のうちにチェックしておきたい。

最近アップルのデバイスを買った人は3カ月以内に申し込めば、Apple TV+を1年間無料で見るクーポンが得られるはず。筆者もiPhone 11 Pro を買った時のクーポンで権利を持っている。そうでなければ月額600円。もしくは年額6000円で加入が可能だ。

こうして、WWDCで公開された予告映像を見ているだけで、楽しみでならない。まずは、ハヤカワSF文庫の『銀河帝国興亡史』を読み返して待機したい。

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(村上タクタ)

 

 

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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