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最初のApple Silicon搭載Macは何か? 搭載されるのはA12Z Bionicではないだろう
- 2020年06月29日
INDEX
最後のIntel搭載Macは何か?
Apple Siliconを搭載したMacがどのように登場するか考えてみよう。
ティム・クックの言葉によると、今年中に最初のApple Silicon Macが登場し、2年以内に移行が完了するという。
さらに、まだIntel Macの新製品が控えているという。
まずのこの近々出るIntel Macの新製品とはなんだろう?
商品サイクルからすると、MacBookシリーズではない。MacBookシリーズはいずれもモデルチェンジされてからそれほど時間が経っていない。Mac Proは去年発売されたばかりで、Mac miniもそんなに頻繁にモデルチェンジする必要はなさそうだ。
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ということは、最後に登場するIntel MacはiMacなのではないだろうか?
最新号のフリック!にも書いているが、iMacは非常に長い間モデルチェンジされておらず、狭額縁でT2チップ搭載、SSDも十分安価なiMacが発売される可能性は高い。
なぜ、最新のiPad Proに搭載されたのは、A13Xではなかったのか?
現在、Developer Transition Kitとして、提供されるMac miniにはiPad Proに搭載されているA12Z Bionicが搭載されている。
まずは、このチップセットについて考えてみよう。
Aシリーズのチップセットは2年ごとに大幅に進化するというのはご存じの通り。
ベースとなっているiPhone XS系に搭載されたA12 Bionicは7nmプロセスで生産された最初のチップで(A11 Bionicは10nmプロセス)、iPad Pro(2018)のA12X Bionic、iPad Pro(2020)のA12Z Bionic、2019年秋に発表されたiPhone 11シリーズのA13 Bionicも7nmプロセスとなっている。
ただし、それぞれのチップの構成が違っている。列記してみよう。
A12 BionicはCPUの高性能コア2、高効率コア4、GPU4、ニューラルエンジン8。
A12X BionicはCPUの高性能コア4、高効率コア4、GPU7、ニューラルエンジン8。
A13 BionicはCPUの高性能コア2、高効率コア4、GPU4、ニューラルエンジン8。
A12Z BionicはCPUの高性能コア4、高効率コア4、GPU8、ニューラルエンジン8。
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iPad Pro(2020)のA12X Bionicは、iPhone XSのA12 Bionicに対して高性能コアの数が2→4、GPUのコア数が4→7に増加している。7つというのがいかにも中途半端だが、ディスプレイの面積が広くなることを考えると、GPU性能は向上させなければならないので、そういうことなのだろう。
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A13 Bionicは同じ7nmプロセスで生産されるチップとはいえ、性能は向上しているので、A12 Bionicと同じコア数とはいえ、チップの性能自体が向上しているとみていいだろう。実際、iPhone 11シリーズのいちじるしいカメラ性能の向上は、A13 Bionicが支えていると考えていいだろう。
となると、奇妙なのがA12Z Bionicで、この2020年3月というタイミングでリリースされているにも関わらず、A13 Bionicベースではなく、A12 Bionicベースのパワーアップ版で、GPUコアが1つ増えているにも関わらず(このコアはA12 Xにも搭載されていたが休止されていたものとの説もある)A12X Bionicからあまり性能は向上していない。
表側から見えないにしても、開発リソースに限りがあることを考えると、A13 Bionicの強化版を作る開発リソースを他に割く必要があったのだろう。そして、それがApple Siliconであったことは想像に難くない。
最初のApple Silicon Macに搭載されるのは5nmプロセスのA14シリーズ !?
では、Apple Siliconの1番バッターとして登場するMacには、A12Zが搭載されるのだろうか?
ティム・クック曰く『年内』ということだから、その頃にはiPhone 12(?)に搭載される『A14』が登場しているはずだ。このA14(仮)は5nmプロセスで生産されると言われているから、さらに大幅なパワーアップが期待される。
それを、パワーアップしたA14XもしくはA14Zといったチップが、最初のApple Siliconとして搭載されるといった筋書きの方が理にかなっている。おそらく、5nmプロセスのiPhone用A14と同じ設計プロセスでMac用のApple Siliconを作るというところをターゲットにして水面下で開発を続けていたというところが一番ありそうだ。なんという名前が与えられるのかは分からないが。
また、iPhoneやiPadに搭載するのと違って、スペース的な制限もないし、モデルによっては冷却ファンを組み合わせてTDPを大きく上げることもできるのだだから、CPUを8コアどころか、16コアや32コアにすることもできるし、クロック数を上げることもできる。そんなMac専用の新チップセットを作る可能性も大きい。
T2、S1、H1といったチップがあるのだから、Mac用のM1なんてチップが登場する可能性は高いだろう。
最初のApple Silicon Macは『パワフルに』登場するはず
最初に登場するのは、やはり小さいところから行くとMacBook Air、もしくは12インチのMacBookが復活してそこから。そして、Mac mini……あたりからというのが一番順当なシナリオ。
ただ、それだと『Apple Siliconは非力』という印象がついてしまから、もっとパワフルなチップセットが最初から開発されていてMacBook ProやiMacから展開があるのではないかと筆者は思う。
いずれにしても、最後はもっともパワフルなIntel Xeonクラスをマルチコアで達成して、2年後(2022年年末まで)に登場させて意向は完成することになるはずだ。
大胆に予想するなら、近いうちにIntel Macの最後のモデルになるブランニューiMacが登場し、年内に、そのパワフルなApple Silicon版が登場。続いて、MacBook Pro 13(14だとなお嬉しい)/AirシリーズもApple Siliconに移行。とても安価な12インチApple Silicon MacBookやMac miniが登場し、そこから1年ぐらいの間にMacBook Pro 16インチ、そして最後にMac Proが登場し、移行完了……というシナリオはいかがだろうか?
性能向上させる時に、チップセットの中の搭載チップ数を増やすのか、A14を複数積むのか、MacBook Pro 16のようなディスクリートGPUを持つ場合はどうするのか? など、いろいろと興味は尽きない。
Apple Silicon 搭載Macの登場を楽しみに待ちたい。
(村上タクタ)
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PROFILE
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flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。