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枚方市約3万2000台、鎌倉市約1万1200台、相次ぐ学校へのiPad大量導入。選択の理由

試験的に比較導入すると、iPadのメリットが理解される

我々、iPadの使いやすさを知ってる身としては、『ギガスクール構想』で小中学校にICTデバイスを導入するならiPadがベストであることはわかり切ったことではある。しかし、Windowsパソコンに慣れている先生が多い、内需拡大を考えると国産デバイスを導入した方が良いのではないかという配慮、そして何より営業部隊が充実している……などの理由で、Windowsタブレットや、Chromebookが導入されることも多い。

しかし、iPadユーザーとしては、小中学校、特に小学校だとiPadの方がスムーズに導入できて効果も大きいことは想像に難くない。iPhoneとほぼ同じ、直感的で扱いやすい操作性、特に教育系が充実した数多いアプリケーション、ローマ字の打てない小学校低学年には特にメリットの大きい50音キーボードなどの入力方式の多彩さ、MDMによる多くの端末のセッティングのしやすさ、キーボードやヒンジなどの稼働部がないことによる扱いやすさなどiPadのメリットは多い。Classroomや、Everyone Can Createなど教育支援ツールの充実も見逃せない。

冷静にさまざまなデバイスを比較検討した結果、熊本市のようにiPad大量導入を決定する地方自治体も増えてきている。ギガスクール構想が発表されてから、iPadの大量導入を決定した学校は多い。コロナの第2波、第3波の到来が危惧される中、『学びを止めない』ために、 一刻も早いデジタルデバイスの導入が求められている。

枚方市は3万2000台を導入

「子供たちの未来を考えて、iPadを選びました」と言うのは、大阪府枚方市の教育委員会。

枚方市は、大阪と京都の中間にある人口約40万人の中核市。45の小学校、19の中学校のすべてで、全3万2000人の児童が、ひとり1台使えるようにiPadの導入を決めた。

「枚方市では『子供たちの未来の可能性を最大限に伸ばす教育』をかかげており、現在の文科省が推進している『主体的、対話的な深い学び』を、ICT教育の側面からも推進していかなければならないと思っています。昨年度から、タブレット型端末の導入をモデル校で進めてきました」ということだ。

iPadの導入モデル校として選ばれたのは、全校生徒460人弱の中学校。iPad LTEを約80台導入して検証が行われた。また、別のモデル校ではWindowsのWi-Fiタブレット端末を貸し出して検証が行われたという。

決め手は、使いやすさ。子供たちにとっても教員にとっても

枚方市ではICT委員会としてチームを作って、全公立小中学校に何を導入すればいいのか検討したという。最終的にはWindowsか、iPadなのかの検討になった。

どのような環境が子供や教職員にとって理想的なのかを試行錯誤し、最終的にiPadの導入を決めたという。

決め手は『使いやすさ』。

「子供たちにとっても、教える側の教員にとってもiPadが使いやすかったのです」

子供たちは、即座に端末が動作しないと、同じボタンを何度もタップしてしまう。動作の遅いWindows機では、そのことがトラブルの原因になりがちだった(予算内だとWindows機はかなりの低価格機になってしまうのも、こういうトラブルが起こる理由ではある)。

動画撮影をして、それを編集する作業をしても、プレゼンテーション教育をしても、iPadが使いやすかった。直感的に使えて、トラブルが少なかった。

Keynote、iMovieなどのプリインストールアプリも充実しており、AirDropでファイルを受け渡しできるのも便利だった。

走り幅跳びのフォームを、スローモーションで撮影して研究

すべての教科で、iPadの活用をめざしており、たとえば体育の授業でも、走り幅跳びのフォームをスローモーション撮影して、互いにフォームの細部の検討をするというカタチで使われた。

防災教育の一環として、消防士さんに話をリモートで教わる遠隔防災教室や、職業講話としてJAXAの職員の方に、まるでテレビ中継のように、JAXAの施設内を案内してもらったりもした。

iPadは学校の備品として市が購入するカタチとし、自宅への持ち帰りもOK。コロナの第2波、第3波が来て緊急事態宣言ということになり、登校できない事態となっても『学びを止めない』を実践し、遠隔授業を行うことが可能となる。

この7月から全学校の教員に配布を開始。教職員が先んじて使って、利用法、授業での活用方法を整える。

そして9月から中学3年生への配布が始まり、次に小学6年生と、中学1〜2年生。そして、小学1〜5年生へと続く。今は、コロナ禍を受けて、なんとか年内に導入を完了できないかと検討中なのだそうだ。

導入されるiPadは10.2インチの第7世代モデル。市の予算で5年リースで調達する。キーボードはロジクールのものを導入。現時点ではApple Pencilを導入する予定はないという。

左から、お話をうかがった、枚方市教育委員会の教育指導課の大久保伸一係長、学校教育部の教育指導課の嶋田崇課長、高橋瑞人係長。

約1万1200台を導入する鎌倉市

「子供たちを大事に。これからの学び、教育にとって、本当大事なのは何なのか?」

鎌倉市教育委員会では、ギガスクール構想が発表される前から、ICTデバイスの検討を進めていた。事前に検討していたので、ギガスクール構想で予算的問題が解決してからは、より素早く意思決定することができた。

鎌倉市は、神奈川県の三浦半島の根元に位置する海辺の町。歴史的建造物も多い、長い歴史を持つ町だ。人口は約17万人。16の小学校と、9つの中学校を擁する。ギガスクール構想の予算を得て、最終的に約1万1200台の導入を目指す。

鎌倉市も、モデル校にWindowsのタブレット40台、iPad20台を導入し検討を開始した。

当初はWindowsのタブレットの導入を構想していたが、立ち上がりに時間がかかるなどトラブルが多く、直感的に操作できて、無料で使えるアプリがたくさんあるiPadの評価が高くiPadの導入が決定した。iPadは先生たちのやりたい授業を後押ししてくれるような使い心地なのだという。

さまざまな利用方法が考えられるカメラ機能の充実

iPadはカメラ系の使い勝手が便利だという。

写真を撮ってレポートに貼ることもできるし、動画を撮ってそれを編集することもできる。スローモーション動画も教育の場面では便利に使えるという。

好評だったのは簡易的な動画編集アプリ『CLIPS』で、短いレポートや、発表に使われる。テーマを決めて、チームで役割分担をしてiMovieを使って映画を作る授業も行われたという。

各教室にはApple TVが配置されているので、先生のカメラを投影して、各生徒のノートをスクリーンに映し出すこともできる。

子供たちの創造性をどうやって活かしていくのか? そのツールとしてiPadは非常に優れているという。またクラウドサービスを使うことで、子供たちは情報交換をして共同作業を行っていくことができる。

MetaMoJi Noteでレポートを共同作業として作成

手書きアプリのMetaMoJi Noteも便利に使われているという。

共同作業として、グループでひとつの資料を作っていくことが可能だ。

導入されるiPadは、第7世代(10.2インチ)のセルラーモデル。

セルラーモデルであれば、Wi-Fiのある教室だけでなく、広くいろいろな場所で学ぶことができる。

鎌倉市は恵まれた環境の中にある。校庭に出て、さらに郊外に出れば、神社仏閣や、豊かな自然など学ぶべきものがいっぱいある。セルラーモデルであれば、そんな環境下でiPadを利用することができる。またコロナの状況下で在宅学習をする際に、Wi-Fiのある家庭とない家庭の『格差』が問題になりがちだが、セルラーモデルであれば、すべての生徒に同じ環境を提供できる(持ち帰りに関しては、方針を検討中)。

また、副次的なメリットとして、セルラーモデルにはGPSが付いているので、生徒の安全確保や、端末の紛失に対する対応も行いやすいという。

左からお話をうかがった鎌倉市教育委員会の教育指導課指導主事 情報教育担当の濱地優さん、教育指導課長の石川眞喜さん、教育指導主事 情報教育担当の上太一さん。

必然のiPad

話を聞いてみると、両校とも事前に活用方法をしっかり検討したところが共通している。比較検討した結果iPad以外のチョイスはあり得ないとなったという。

デジタルデバイスの使い方を学ぶのでなく、学ぶためにデジタルデバイスを活用するのだ。そういった観点でデバイスを選べば、特に小学生だとiPadになるのは必然だろう。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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