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また一歩理想に近づいた7色のiMacで、幸せなステイホームを【先行レビュー】

人の能力を解放するデバイス

人の能力を拡大する、真に個人のための『パーソナル・コンピュータ』として、初代Macintoshが『hello』と言いながら登場してから37年。放逐されていたジョブズが戻ってきて手がけた、インターネット時代のパーソナル・コンピュータとして初代iMacが登場してから23年。

『hello』とディスプレイに表示して登場した3台目のオールインワンモデルであるiMac(24インチ・2021)は、やはり新たな時代のベンチマークとなりそうな強いメッセージ性を放っている。

アップルが初代Macintoshに端を発するオールインワンモデルに求めるのは、常にユーザーがディスプレイだけに集中できるデザインだ。ほぼ単なる1枚のアルミとガラスの板に近づいた本機は、また一歩理想に近づいたといえるだろう。

新しいiMacは、ステイホームの家庭で使うのにベストなマシンだ。

スペックで選ぶ時代は終わった。iMacは色で選ぼう

高い処理能力を持ってることをアピールするために、「○○GHz」「○○コア」「インテル Core i○」などと、CPUの性能をアピールすることもなくなった。

高性能な自社製チップ、M1さえ載っていればいいのだ。

実際のところ、昨秋に発売されたMacBook Airも、MacBook Proも、Mac miniも、このiMacも、今回同時に発売されるiPad Proさえも、まったく同じ、『M1』を搭載しているのだ。M1には、CPU、GPU、メモリー、I/Oチップ、セキュリティチップ、Thunderboltコントローラが、超小型化されて内包されており、これさえ積んでおけばOKという内容になっている。

元になっているのはiPhone 12シリーズに搭載されているA14 Bionicチップ。そこからCPUの高速コアを2倍、GPUコアを2倍にし、Thunderboltコントローラを搭載している。

ちなみに、こちらがGeekbench 5で計測した性能。

ご覧のように昨秋発売されたM1搭載MacBook Airとほぼ完全に同スペック(ちなみにGPUはAirは8コア、iMacは7コア仕様)。インテル版のノートPCを大きく凌駕し、50万円に近い仕様のiMac 27インチに肉薄している(GPU性能はだいぶ差がつくが)。

ミドルクラス以下のマシンは、すべて『M1が載っていればOK』という状態になったのは本当に驚きだ。

このiMacには『M1』が載ってる。だから、処理能力に関しては問題ないのだ。

指を触れるだけで、Touch IDを使って自分のアカウントにログイン

iPhone 12にルーツを持つ処理能力あたりの発熱が極端に少ないM1搭載だからこそ成立する、わずか11.5mmの薄いボディは、ブルー、グリーン、ピンク、シルバー、イエロー、オレンジ、パープルの7色に彩られている。

この7色の美しいボディは「もうスペックの数字に悩まなくても、好きな色のiMacを買えばいいんだよ」というアップルからのメッセージだと思う。

リビングに、キッチンに、勉強部屋に……カラフルなiMacはよく似合う。どこに置いてもインテリアとして強烈な個性を発揮する。家族で共有して使うなら、Touch IDにそれぞれの指紋を登録すれば、Touch IDに触れるだけで、その人のアカウントでログインするように設定できる。共有マシンなのに非常に簡単に、それぞれの情報のプライバシーとセキュリティを守るれるのだ。

また、重さはおおよそ4.5キロと非常に軽い。宅内モバイルという感じで、家の中の好きな場所に移動するころもできる。

裏面の濃色のアルマイト部分はアルミ削り出し。表面はiPhoneのフロントガラスのように、ディスプレイ部分と、裏面から塗装された部分に別れている。そう、画面下の『余白』の部分は、旧iMacの時は背面と同じアルミの削り出しだったが、M1 iMacではガラスの裏面から色を塗った仕様になっている。

下部の『余白』の部分には、M1チップセットとその冷却ファン、2組のフォースキャンセリングウーファーと1組の高性能ツイーターが内蔵されいてる。

ディスプレイは24インチ(正確には23.5インチ)で、4,480×2,520ピクセルを持つ4.5K 。500ニトの輝度を持ち、True ToneやP3にも対応している。現状ハイエンドではないが、必要十二分な性能である。

とも色のキーボードを購入できるのは基本的に最初だけ

電源アダプターはオールインワンタイプのMacで初めて、本体外に追いやられた。せっかくのM1の発熱の少なさのメリットを損なわないようにするためだろう。Better以上の仕様では、この電源アダプターにGigabit Ethernetポートが設けられている。

キーボードやマウス、トラックパッドも、ボディカラーとコーディネートされている。キーボードは最廉価モデルに同梱されるTouch IDなしのタイプ、Touch IDタイプ、そしてさらにテンキーを備えたタイプの3種類がある。これらの周辺機器は、製品とともに購入できるが別売りは(今のところ)されない。つまり、本体購入時に選択するのが、このカラフルな周辺機器を入手することができる唯一のチャンスなのだ(とはいえ、修理機器としては用意されるとは思うので、オーナーは修理部品として自分のMacと同じ色の周辺機器を入手できるかもしれない)。

このカラーコーディネートは、電源ケーブル、マウス充電用のUSB-C to Lightningケーブル、スターティングガイド、付属のアップルマークステッカー、梱包のパッケージに至るまで徹底されており、オーナーの満足感を高めてくれる。

背面のthunderbolt / USB 4ポートは2ポート。これはM1の制約のようだが、Better以上のモデルにはさらに2ポートのUSB-Cポートが追加されている。

『変わらない、安心して』から、『M1の魅力を引き出す!』方向へ

パソコンの心臓部であるチップセットをインテルから、自社製(ARMアーキテクチャ)に変更するというのは非常に根本的な変更だ。Windowsが、x86系、x64系だけでなくARMでも動くようにするのにいかに苦労しているかを考えるとその難しさがうかがい知れる。しかし、アップルはどちらのチップセットでもほぼ完全に同じように動作するmacOS 11 Big Sur作ることで、スムーズに自社製チップセットに移行する道を切り開いた。

しかし、普通にアプローチしては、多くの人の反感を買うし、不安に感じる人も多いだろう。そこで、「まったく同じmacOS 11 Big Surが動く」として、さらにハードウェアもM1搭載Macの外見をインテル版とまったく同じデザイン、形状で、変化なくリリースしてきたのだ。

「変わらないよ。安心して!」

というのが、そこにあったメッセージである。

対して、M1搭載の第2ウェーブであるiMacでは、大胆にフルモデルチェンジを施してきた。発熱の大きなインテルチップでは作ることのできない薄型デザインは、M1ありきの設計だ。つまり、これからすべてのモデルは『高性能/低消費電力/低発熱』であるM1チップの潜在能力を引き出すための、大幅なモデルチェンジが施されていく。その第1弾がiMac 24インチなのだ。

ちなみに、手軽に持ち運びできる脚付き仕様もいいが、VESAマウント付きモデルを買って、アームでフローティングマウントするのも良さそうだ。脚付き仕様はディスプレイの高さを変えられないのが難点だが、アームマウントにすればその問題もなくなる。

何より、厚さ11.5mmの板状のディスプレイが浮いているような状態が素敵ではないか。

驚くほど、鮮明でピントの深い画像

もうひとつ特徴的なのが、ビデオ会議への対応である。

3アレイで、どこにいても的確に音声をキャッチするビームフォーミング採用のマイク、6スピーカーサウンドシステム、そして、何よりクリアな1080pのFaceTimeカメラが、iMacを完全なビデオ会議マシンにしてくれる。

特に、FaceTimeカメラの映像は素晴らしく、ビデオ会議をしていも、このiMacを使っている人だけがやけに美しい映像だな……と驚くほどだ。カメラ単体の性能はもちろんだが、M1チップの処理能力も大きく影響しているらしく、クッキリ、顔色良く、さらに背景まで克明に深いピントの映像を提供してくれる。

筆者の家の場合でも、最近は子供たちや妻もビデオ会議をする機会が多いのだが、このiMacがあればそういう場面でも非常に役に立つに違いない。

つまり、この部分に関しては、明らかにコロナ禍の状況で、在宅勤務、ビデオ会議が増えていることに対応しての仕様ということになる。ちゃんと、時流を見て仕様を変更しているのである。

新世代の嚆矢。安心してお勧めできる

もし、あなたがオールインワンで、ビビッドで、美しい家庭用のオールインワン・コンピュータが欲しい……と思っているのなら、本誌は非常に良いチョイスだといえるだろう。

ただし、性能的にはMacBook AirやProとほとんど変わらないワケだから、MacBook Airに外付けディスプレイを組み合わせても、スペックはほぼ変わらないし、価格はそちらの方が安いかもしれない。

また、平均より高性能なモデルを必要とする人なら、もうしばらく、せめてWWDC(6月8日)まで待ってみた方がいいだろう。何か新しい世代の製品(もしくはチップセットのみかもしれないけど)が発表されるはず。

あくまで、本機は、大画面、薄さ、コンパクトさの好バランス、そして何より、カラフルな色合いを好む人向けのマシンである。あなたのニーズがそちらにあるなら、間違いなくiMac(24インチ・2021)はお勧めのモデルである。

(村上タクタ)

(最新刊)

flick! digital 2021年6月号 Vol.116
https://funq.jp/flick/magazines/20161/
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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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