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命を救うApple Watchの転倒検出、watchOS 8.1で更新。高齢者以外のワークアウトにも

watchOS 8.1で転倒検出機能がアップデートされた

多くの人にとって『転倒』というのは日常的なものではないけれど、たった一度の転倒が命に関わるものになる可能性もある

Apple Watchを使っている人でも、多くの人は『転倒検出機能』について、詳しくは気にしていないし、オンになってるかどうか知らない。しかし、この機能が作動したことによって命を救われた人も少なくない。

従来の転倒検出機能は、主に高齢者の転倒に対して働くものだったが、10月25日に公開された最新のwatchOS 8.1では、転倒に関するアルゴリズムが強化され、長年にわたるワークアウト中の転倒に関する研究の成果が反映された。今回は、このアップデートの詳細をレポートしよう。

watchOS 8.1
https://support.apple.com/ja-jp/HT212790

あなたのApple Watch、転倒検出はオンになってますか?

転倒を検出してからの動作は同じだから、まず一般的な転倒検出機能について説明しよう。

多くの人がこの局面に遭遇するわけではないから、経験したことのある人は少ないと思う。また緊急通報をしてしまうと困るから試してみるわけにもいかない。だから、こういう記事を読んでおいていただくしかないのだ。

「転倒は非常に深刻なものになり得ますし、日々身体につけておくApple Watchにとって転倒検出というのは非常に大切な機能になると、我々は考えていました。人は高齢になると転倒しやすくなり、データによると65歳以上の人たちは、3人に1人が高頻度で転倒していることが分かっています」と、Appleのセンサー&コネクティビティー担当副社長であるロン・ホアン氏は語った。

人は高齢になると、ささいな絨毯のエッジや、路面の凹凸に足をひっかけて転ぶようになる。若い頃と違って、とっさに手が出ず、一番重い部分である頭部を強く打ち付ける危険がある。また骨も折れやすくなっており、転倒による骨折が原因となり、寝たきりになってしまうこともある。また、脳梗塞などによって突如身体に異常を来し、それが原因で倒れることもある。

「転倒検出機能はSeries 4で導入されました。激しく転倒すると、SEやSeries 4以降のApple Watchは小さく振動し、警告音を鳴らして画面にメッセージを表示します。そのまま緊急通報サービスに連絡することもできますし、デジタルクラウン(竜頭)を押して左上隅の「閉じる」を押すこともできますし、「大丈夫です」というボタンを押して通知を閉じることもできます。転倒している状態で、操作がなく何の動きもないと1分後に自動的に緊急通報がされ、同時に登録した緊急連絡先に連絡が行き、メディカルIDの情報(身長、体重、血液型や、既往症や普段飲んでいる薬などを記載できる)、着用者の現在位置(緯度経度情報)が共有されます」と、Apple Watchプロダクトマーケティングディレクターであるディアドラ・コールドベック氏。

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これらの動作は新しく用意されたワークアウト中の緊急通報と基本的に同じだ。

高齢者の方の場合、在宅中に転倒し、そのまま誰にも気付かれず亡くなってしまう例もある。転倒が、近親者や医療機関に通知されれば助かる状態であることも多いので、高齢者にこそApple Watchを付けて欲しい。

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「転倒がケガに繋がるのはもちろんですが、人生に対する自信を失ってしまうという側面も見過ごせません。『また自分が転ぶのではないか』という不安から、行動が消極的になり運動不足になってしまうのです。この点において、Apple Watchが果たせる役目があると思います」とロン・ホアン氏。

ワークアウト中の転倒も検出できるようになったApple Watch

対して、今回搭載された機能は、若者のワークアウト中の転倒について。

「スポーツには転倒は付き物なのですが、これは深刻なケガに発展する転倒についてです。たとえばバスケットボールをプレイしている時、転がるボールを追いかけて転倒しても、すぐにまた立ち上がって走り出します。そういう転倒と、深刻な転倒を区別するのはなかなか難しいことです」

「スタントマンを使ったり、マネキンを使って転倒を再現しても正しいデータは取得できません。たとえば、滑って転びそうな時、人はなんとか身体のバランスを取ろうと腕を上げることがあります。逆につまづいて転倒する際に、顔や身体を守るために腕を前に出して身体を守ろうとしたりします。そういう複雑な身体の動きを検知し、どのようにApple Watchを装着している腕が動くかを研究する必要がありました」

そこで、『Apple Heart and Movement Study』をもう一度行い、データの収集に協力してくれる人たちからデータを収集したという。

「この転倒検出に関する調査において、15万人以上のみなさんから、130万件以上のワークアウト時のデータを収集しました。集まったデータは総計で88万時間にも及びます」とロン・ホアン氏。

「この調査は20カ月にわたって行われ、異なった季節性のデータが収集できました。また、実際の転倒に対してアンケートにお答え下さったデータも何千にも及びます。中にはわざわざ電話をして詳しい状況をお話し下さった方もいます。これにより、転倒が起こるまでの軌跡により、倒れたのか、つまづいたのかもわかるようになりました。さらに、衝撃の加速度、角度、激しさも見極めるようになりました」

自転車においてもロードバイクだけでなく、MTBなど激しい衝撃を受けるカテゴリーのワークアウトにも対応しているという。ジャイロスコープの活用で、転倒後の回転の様子も分かるとのこと。それら、取得したデータから、転倒時の動きを検出し、実際の激しい転倒がおきた時にだけ転倒検出が行われるというわけだ。

ランニング、自転車、サッカー、バスケットボール……さまざまなワークアウトを行ってる時に、何らかのアクシデントが起こる可能性はゼロではない。そんな時、あなたの命を救うのはApple Watchかもしれない

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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