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ポケモンGOのようなゲームを、多くの会社が作れるように……NianticがLightshipを公開

来たるメタバースとの戦いに備えて、友軍を募集?

GPS情報などを利用したAR空間で遊ぶゲーム、サービスはますます増えていくだろう。しかし、こちらの記事でも書いたように、その情報処理に膨大なリソースが必要になる。初期のIngressが、Googleのリソースをもってしても苦労していたのをご記憶の方も多いはずだ(多くのエージェントが参加すると、反映が遅くなったりした)。

Miles、ピクミンブルーム大流行……ポケモンGOやIngressが確立したGPS情報の価値

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2021年11月09日

IT業界にはほぼ10年ごとに大きな地殻変動が起きる。ミニコン、パソコン、Windows、ノートパソコン、インターネット、スマートフォンに続いて登場するのはAR/VRだろう。しかし参入障壁は高い。

現実空間の地図情報や、それを扱うAR表現の難しさから、位置情報を扱うゲームというのは非常に参入が難しい。初期にGoogleのリソースを利用できたNianticのほか、スクエアエニックス、ガンホー、ドワンゴ……などのビッグネームしか参入できておらず、しかも成功が極めて難しい。

『Lightship』AR空間を突き進む光の船

そんな現状に一石を投じようと、ジョン・ハンケ氏率いるNianticがAR開発者向けのプラットフォーム『Lightship』を本日公開した。これは比較的低価格で利用できるAR開発プラットフォームで、最終的にはサーバコストなどもあるので、有償になる部分もあるようだが、極めて低価格で提供されるという。また、少なくとも6カ月は無償で利用できるという。

Niantic Lightship
https://lightship.dev/

このLightshipを使えば、黎明期のIngressのような苦労をしなくても、世界を舞台にしたコンテンツを作ることができるというわけだ。

Nianticは、創業当初からミッションに『人々が仲間とともに世界を探索するお手伝いをする』という言葉を掲げている。それは自社のサービスを強化するということだけではない。

Ingress、ポケモンGO、ハリーポッターなどのサービスを開発するために作った開発キットを惜しげもなく提供するというのだから驚かされる。それほどAR空間での体験を多くの人に提供したいというわけだ。

ここには、VR空間に引きこもってしまうのではなく、現実世界を歩いて欲しいという彼らの思いが込められている。

メタバースはディストピアの悪夢です。より良い現実の構築に焦点を当てましょう。
https://nianticlabs.com/blog/real-world-metaverse/?hl=ja

上記はジョン・ハンケ氏のブログ記事。奇しくも、Facebookが社名をMeta Platformsに変更したタイミングだったからセンセーショナルなニュース記事として採り上げられたが、Nianticはメタバースではなく、現実の世界にレイヤーのようにオーバーラップして描く『Real World Metaverse』を実現すると言っている。今回のLightshipは、そのための光り輝く船なのだ。

3つの要素からなるSDK

Lightship ARDKはUnity上で動作するSDKで、この上で開発することによりAndroid/iOSの両方で動作するアプリを作ることができる。

キットは3つの要素から構築されており、『MAPPING』(現実世界の再現)は、深度推定、リアルタイムメッシング&遮蔽(オクルージョン)を行う。

『UNDERSTANDING』(環境の理解)は現実世界をマスキングするセマンティック・セグメンテーションなどの機能を含む。空、地面、木々、建物などを機械学習で理解する。

『SHARING』(体験の共有)は、リアルタイムARマルチプレイヤー、ネットワーク構築、ARバックエンド(ARBE)サービスを行う。

これらにより、実際に現実空間を歩き回りながら、そこに仮想現実を配置し、それを操作、共有してゲームすることができるようになる。現状のIngress、ポケモンGO、ピクミン ブルームでは今のところ、そこまでの技術は使われていないが、Nianticはこれらの技術を開発しており、テストをしながら徐々に反映していくのだろう。

Ingressで現実空間に重ねてポータルから伸びるフィールドを見たり、公園の木々の間を駆け抜けて行くポケモンたちの姿を見る日は、さほど遠くないのだ。

チョッパーが家具の間を走り回る

すでにパートナーブランドとして、集英社、LIFULL(ライフル)、ソフトバンク、Coachella、PGA of America、Universal Pictures、Warner Music Groupなどの名が挙がっている。

中でも、集英社とのコラボレーションは楽しみなところ。少年ジャンプなどの強力なIPとAR表現は、非常に強力なコンテンツになるだろう。

発表会ではワンピースのコミックスにカメラを向けると、マンガの中からチョッパーが飛び出し、机や椅子の間を走り回る様子のムービーが公開された。

3D空間を把握しているので、チョッパー達はイスや机の手前や向こうを走り回る。さらにムービーでは3台のスマホの間で、その3D空間やキャラクターが共有されており、3人の人がそれぞれ同じARキャラクターを見ている様子が描かれていた。

このAR空間の共有技術については、以前六本木ヒルズで『NEON』としてデモが行われた。その時点でさえ、iPadを使ったサバイバルゲームのようなことが可能だったので、この技術を使えば相当面白いことができそうだ。

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2018年10月26日

また、ライフルホームズで知られるLIFULLは、AR空間上での3D内見の仕組みをプレゼンテーションした。

同社ではすでに間取りから生成した3D空間の中に入って内見をする『3D間取り』というサービスを提供しているが、それの間取りをAR空間に配置することができるようになるというわけだ。

Lightshipを利用するベンチャーのために、23億円のファンドを設立

「非常に面白いアイデアはあるのだが、資金がない」という人もいるだろう。そういう人のために、Nianticは『Niantic Ventures』というファンドを用意するという。2,000万ドル(約23億円)の初期資金が用意されており、Lightshipを使う将来性の高いベンチャー企業に出資を行うという。いたれり尽くせりだが、Keyholeの立ち上げで苦労し、Googleにチャンスを提供されて成長してきたNianticだからこそ、後に続く企業のチャンスを広げようという心意気なのだろう。

新たなテクノロジー『VPS』

最後にもうひとつ、VPS——ビジュアル・ポジショニングという新技術が紹介された。

これはカメラから得た画像からユーザーの位置を推定するという技術で、たとえば認識した場所に半永続的なARオブジェクトを置いておくというようなことが可能になる。

デモでは、人の顔をした噴水を認識させ、その下の水受けに手紙を発見させるということが行われていた。これで現実世界にラップしたAR空間内で宝探しのようなゲームを作ったら楽しそうだ。

Meta社の提唱するメタバースと、Nianticの提唱するリアルワールド・メタバースは、決して敵対する概念ではないと筆者は思う。今後、どちらも伸びていくことだろう。さらに、実用的なARグラスの登場などによって、この業界の様子は一気に変わるはずだ。今のうちにしっかりAR/VRの進化に注目しておきたい。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

村上 タクタの記事一覧

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