
ちょっとあるとすごく快適になる、服飾小物│低山小道具研究家・森勝さんのとことん小道具研究

森勝
- 2025年05月13日
ライターやライト、小型ナイフ、ホイッスル、あるとなにかと役立つ山の小道具について、森勝さんがご案内します!
寒さ対策のプラスワンアイテム
登り始めの早朝や薄曇りで天気が冴えないとき、思ったよりも風が強いときなど、予想以上に寒かった経験はだれにでもあると思います。そんなときにプラスアルファで温度調整が行ないやすい、ちょっとした服飾小物を紹介します。
■アイテム一覧:1)アウトドアリサーチのアーバーチューブ、2)フーディニのパワーリストゲイター、3)凌のクナイ、4)凌のクイックハラマキ、5)モンベル・グローブ用防風カバー、6)着替え
冷え対策の定番ですが三首を温めると暖かいといわれています。まずは首を守る便利アイテム。アウトドアメーカー各社から発売されている首巻きチューブ(1)は軽量でひとつ持ち歩いても損はしないアイテムです。首に巻いてもよいし、耳を覆ったり簡易マスクにしたり。私の場合はハンカチとして持ち運び、寒いときに首巻きとして使用しています。軽量でシンプル、幅広い用途に使用できる万能アイテムです。
続いて手首は簡易手袋としても使用できる、親指部分に穴が付いたリストウォーマー(2)。手首や手の甲を温めることで、風がない日ならこれだけでも行動できたりします。この上からもう一枚グローブをつけてグローブレイヤリングのベースにも。足首はゲイター(3)を着用すると足の冷えを緩和してくれます。春先は雪解けや霜解けなどで登山道が泥で覆われることが多いので、本来の用途である登山靴やパンツの裾の保護ができ、さらに足首の保温もできるアイテムとなります。
体幹を守るための腹巻き(4)は、軽量で非常に有効なアイテムで温泉施設などで活躍します。アウトドア腹巻きは、アクシーズクイン、山と道、モンベルから販売されていて、暑くなったときや、脱着が容易なファスナー式のものが便利です。
首、手首、足首と体幹の次に冷えてしまうと困るのが指先。グローブの上から被せるオーバーグローブ(5)は雨対策などにも有効なアイテムです。縫い目に防水処理された完全防水が理想ですが高価な物が多く、私は低山なら寒さに合わせた防風の手頃なモデルを使用しています。
最後は最近省かれがちですがとても重要なアイテム、着替え(6)です。どんな汗抜けのよい高機能ウエアを使うよりも乾いたシャツに着替えたほうが確実にドライな状態に。汗だくのウエアを着ていると気分も沈むので、私は気分転換用に多めの着替えを持っていきます。また人前でも着替えがしやすいように、保水せずに透けないウエアを一番下に取り入れています。
高機能素材のウエアが次々と発売されていますが、おなじ場所でも刻々と状況が変わるアウトドア環境では、ウエアを最適に合わせるのはとても難しいと思っています。薄手のウエアを重ね着するレイヤリングはもちろん、今回紹介したような小物を使うと体調と環境を合わせやすくなります。冬に失敗すると大変な目に遭いますが、体幹が冷えやすかったり指先が冷えたりするのが苦手など、ご自身の体質に合った防寒対策グッズを探すのに春はよい季節です。
数多くのデザインが選べる
首巻きチューブの元祖、BUFF社。デザイン性が高くこちらは日本限定の寿司柄。訪日旅行者向けたデザインですがお気に入り。
防水・防塵構造。正確な温度と湿度を計測
ブルートゥースを使いスマホで温度表示をする温湿度計。つねに温度を記録しているのでさかのぼって温度を調べることも可能。
教えてくれたのは……
低山小道具研究家
森 勝さん
高尾山や奥多摩など関東の低山をおもなフィールドに、アウトドアアイテムの研究を重ねるアウトドアライター
http://morikatu.seesaa.net
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PROFILE

高尾山や奥多摩など関東の低山をおもなフィールドに、アウトドアアイテムの研究を重ねるアウトドアライター。
http://morikatu.seesaa.net