最初にそろえるべき3種類のウェットスーツと使い分け方|サーフィンの基本
FUNQ NALU 編集部
- 2019年04月05日
INDEX
ウェットスーツは体の冷えを防ぐ役割があり、さまざまなタイプが存在する。日本でサーフィンする場合、まずは3種類を用意すれば問題ないだろう。ここでは、最初にそろえるべき3種類のウェットスーツと季節や地域ごとの使い分け方を紹介しよう。
最初に必要なウェットは3種類
ウェットスーツは水温に応じて厚さや体を覆う範囲に違いがあり、また素材も異なる。裏を返せば、一年を通じてサーフィンを楽しみたいのなら、四季のある日本の場合、一種類のウェットスーツでは足りないということ。暖かい沖縄でさえも、ボードショーツだけで一年をやり過ごすことも、タッパーだけで足りることもないのだ。赤道付近の外国でサーフィンをする場合でも、体を冷やさない程度のウェットスーツが必要になってくる。
といっても、すべての種類のウェットスーツをいきなり用意するのは現実的ではないので、まずは3種類を用意するようにしよう。その3種類とは、スプリング、フルスーツ、セミドライだ。スプリングはボードショーツだけでは体が冷える夏場の朝晩などに活躍する。フルスーツは3mmまたは3mm/2mmの厚さで、春から秋まで最も長い期間使えるウェットだ。セミドライは水の侵入を極限まで抑えた厚手のウェット。冬にサーフィンするときに使用する。
フルスーツ
日本で最も使用頻度の高い長袖、長ズボンタイプのウェットスーツ。生地の厚さはすべて3mmか、3mmと2mmの組み合わせがポピュラー
セミドライ
長袖、長ズボンのタイプで、生地の厚は5mm×3mmが一般的。冬~真冬用のウェットで、温かさを重視したタイプ。裏地は起毛の場合が多い
スプリング
主に夏に使用する半袖、半ズボンの薄手に作られたウェットスーツ。夏の朝や夕方、曇天の日などに使用する場合が多い
その他のウェットスーツ
ベスト
真夏に活躍するノースリーブベスト。長時間海に入る場合などに体の冷えを防ぐと同時に、日焼けやケガ防止の役割も果たす
タッパー
2mm程度の薄めの生地を用いた夏~真夏用ウェットスーツがタッパー。ボードショーツやビキニと共に着用する
ロンスリ(ロングスリーブ)
長袖、半ズボンのウェットはロングスリープ・スプリングと呼ばれる。略してロンスリ。水温は高いが、気温が低かったり、風が吹いていたりする秋などに使用するのがポピュラー
ショートジョン
夏用のウェットスーツで、スプリングよりもさらに手軽に使えるのがショートジョン。肩周りが開放されているのでパドリングが楽で、特にクラシックなスタイルのサーファーに好まれる
ロングジョン
このロングジョンもロングボーダーなどのクラシックなサーファーに人気を誇るノーズリーブのウェット。この上からジッパーがついたジャケットタイプのタッパーを着る人も多い
シーガル
水温が低めだが、気温は高いという気候条件のときに使えるのが半袖、長ズボンタイプのシーガル。梅雨時期や秋などに活躍することが多い
ドライスーツ
完全防水のファスナーを使用し、水が内部に侵入しない作りになった厚手のウェットスーツ。寒冷地に特化して開発されており、動きやすさよりも温かさが重視されている
ウェットスーツの主な素材
ウェットスーツにはタイプのほかに素材による違いも存在する。より動きやすく、体の熱を逃がさない素材が各ブランドにより開発されているが、主な種類としては表地がラバーとジャージ、裏地が起毛とスタンダードに分けられる。
表地
ラバー
表面にゴムを使用した素材。水分を弾くため水の侵入を防ぎ、保温性に優れる。主に冬用のウェットに使用され、スキンと呼ばれることもある
ジャージ
表面に布地が貼ってあるタイプで、ラバーと比べると水を弾かないが、伸縮性に優れている。そのため体を動かしやすく、また耐久性も高いという特徴を持つ
裏地
起毛
裏地の繊維を起毛させた素材。撥水性の高い糸を使用し、さらに起毛させて空気をため込みやすい。保温性も高いため、冬用のウェットに使用される素材
スタンダード
表地に使われるジャージと同様のタイプ。スタンダードな裏地素材で、伸縮に優れているため運動性能が高い。耐久性も高いためコストパフォーマンスがいい
場所と季節でウェットスーツを使い分ける
日本は狭いようで広い。言うまでもないことだが、北海道に暮らす人と沖縄で暮らす人の服装は季節を問わずまったく異なる。サーフィンの場合も同様で、ウェットスーツは土地によって使用する種類も変わってくる。また、例えば同じ東北地方でも、岩手や青森と福島ではウェットを使用する時期が微妙に異なったりする。もちろんその海で一年を通じてサーフィンしたことのあるサーファーなら種類や時期の違いをわかっているだろうが、サーフトリップで初めてその土地を訪れる場合などには、あらかじめどんなウェットが必要か把握しておいたほうがなにかと便利なはずだ。
ただし、その日その日で水温や風向き、風の強さなどの天候条件は変化する。このマップに記したウェット指南をもとに、少し幅を持ってウェットを用意したほうがいいだろう。そうすれば波がいいのに寒くてサーフィンどころじゃない、なんて悲劇も防げるはずだ。
北海道(日本海側)
一年を通じてフルスーツ以上のウェットはマスト
春 | セミ・ドライ |
夏 | 3mm |
秋 | セミ・ドライ、ブーツ、グローブ |
冬 | セミ・ドライ、ヘッドキャップ、ブーツ、グローブ |
北海道(太平洋側)
サーフィンは秋~冬がメイン。ただし非常に冷える
春 | セミ・ドライ、ブーツ、グローブ |
夏 | 3mm |
秋 | セミ・ドライ、ヘッドキャップ、ブーツ、グローブ |
冬 | セミ・ドライ、ヘッドキャップ、ブーツ、グローブ |
岩手エリア
厚手のウェットが必要。県内の南北で少し水温の差異がある
春 | セミ・ドライ、ブーツ、グローブ |
夏 | 3mm、シーガル |
秋 | セミ・ドライ |
冬 | セミ・ドライ、ヘッドキャップ、ブーツ、グローブ |
福島エリア
夏場は水温が高いが、南風が吹いたときはぐっと低くなる
春 | 3mm |
夏 | シーガル、ロンスリ |
秋 | 3mm |
冬 | セミ・ドライ、ヘッドキャップ、ブーツ |
千葉北エリア
このエリアも夏に南風が吹くと水温が下がる特徴を持つ
春 | 3mm、シーガル |
夏 | ロンスリ |
秋 | 3mm |
冬 | セミ・ドライ、ヘッドキャップ、ブーツ、グローブ |
千葉南エリア
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FUNQ NALU 編集部
テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。
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