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日本の伝統とサーフボードの融合<後編>

日本の伝統文化である漆。今、その継承に暗雲が立ち込めている。漆を後世に伝えたい。新しい可能性を見つけたい。そんな思いを胸に、漆職人のサーファーが、チャレンジを始めた。ウッドボード・シェイパーの第一人者トム・ウエグナーに声をかけ、ロングプロジェクトを開始したのだ。

◎出典: NALU(ナルー)no.116_2020年4月号

トム・ウエグナーの作るボードに漆を

2004年、トーマス・キャンベル監督の『スプラウト』で、オーストラリア、ヌーサをベースにしたサステナブルな生き方がフィーチャーされ、「アライア」も瞬く間に高感度なサーファー達の間に広まった。堤さんの脳裏にも、そのライフスタイルが強く焼きついていた。

「いつか、この人の板に漆を塗りたい」

そこで相談をしたのが、後にこのプロジェクトのプロデューサーになる青木真さんだ。同じサーフショップに通う旧知の仲だ。トムのホームであるオーストラリアに暮らし、パーマカルチャー農家、サーフボードリペアの仕事をしていたこともある。彼もまたトムの思想に強く影響されていた。

「みんなに伝えるためには、映像が一番だろうと思いました」と青木さん。プロジェクトをドキュメンタリームービーとして記録しようとなった。

スケーターでもある堤さん。以前にデッキにも漆を塗った。ダメージ感も味になる

知人を通して、トムにオファーをすると快諾。足かけ2年のロングプロジェクトがスタートした。

「私はハワイのサーフィンの歴史をリサーチしてきました。ですが、情報がほとんど残っていないという残念な状況に直面しました。近代になって、ハワイではサーフィンが一度途絶えてしまいました。技術や伝統は受け継がれないといつか失われてしまい、それをよみがえさせることはとても難しい。漆のプロジェクトに携わって、本当にこの文化を失ってはいけないという気持ちに駆られました」と、トムは思いを吐露する。

5ヵ月間をかけたウルシアライアとヌーサへ

2017年9月、青木さんがアライアをオーダーすることからプロジェクトはスタート。5ヵ月間をかけて塗り加工をしたウルシアライアを手に、翌年10月に堤さんと青木さんはヌーサに旅立った。

果たしてトムの反応は?

ヌーサでの撮影期間は雨予報。ストームもくる中で、すばらしい天気にも恵まれた

「テイクオフのスピードが抜群に早い。表面張力の関係かな。漆と出合うまではオイルが最もコーティングに適していると思っていましたが、オイルは何層も塗らないといけない。常にメンテナンスが必要。漆は1回塗ればいいですからね」

漆の可能性に目を輝かせるトム。今後、さらなる新しいプロジェクトを進めていくことを約束した。

トムは、漆のコーティングはオイルに比べてテイクオフが早いと絶賛していた

伝統を超えて、新しい何かが生まれていく

「ウルシアライアに賛同する者が、頭金を出資する。そして、その資金を元に漆を植林して、木を増やしていく。そして、10年後に手元に届くというのはどうだろう」と言うトムのアイデアに、うれしそうに笑う堤さん。

昨年来日した時に漆を買って帰ったトム。今、新しいウルシサーフボードを手がけている

▲蒔絵でウルシアライアにメッセージを添えた。やはり、漆によく似合う

「僕にできることは、接着剤のようなこと。多くの人のアイデアをつないでいきたい。ゆくゆくは美しい里山を残したまま漆が仕事の一つの選択肢になるように町づくりができたら」

皆の思いによって、伝統を超えて、新しい何かが生まれていく。

『Beyond Tradition』は世界で上映中。『Florida Surf Film Festival 2019』で受賞した

日本の伝統とサーフボードの融合<前編> はこちら>>>

日本の伝統とサーフボードの融合<前編>

日本の伝統とサーフボードの融合<前編>

2021年10月22日

出典

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NALU 編集部

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テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

NALU 編集部の記事一覧

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