
【山好きに聞いた「ソロテント泊」のリアル】下山翌日に退職!テントの床がウォーターベッドに?……色々あるけど自由が魅力のソロテント泊登山。

PEAKS 編集部
- 2025年07月01日
INDEX
Q1:好みの登山スタイルは?
■グループ登山もするけれど好みは圧倒的にソロ派■
登山経験年数がそれなりにある読者が多いのもあってか、自由を好む人が圧倒的という結果に。なにごとも自分の意思で決められるいっぽうで、全責任とリスクをひとりで背負うプレッシャーも。ソロを好む人の胸の内はQ4以降で詳しくご紹介!
Q2:ソロでテント泊をしたことはありますか?
■多くの読者がソロテント泊経験あり!■
ソロ登山からそのままソロテント泊もするという人が多かった。まだ経験のない人もいずれは……と考えている人が多いよう。次ページで読者お気に入りのテント場を紹介しているのでテント泊デビューの参考にしてほしい。
Q3:何泊が多いですか?
■働き盛りの厳しい休日取得事情が垣間見える縦走日数。■
1泊2日が多く、3泊以上は少数派。週休2日が一般的な日本社会ではわかりきった結果だったかも……。質問を「何泊したいですか?」にすればよかった!3泊以上の人の具体的な縦走日数が気になる……。
Q4:ソロテント泊の魅力ってなんですか?
■自由に勝るものなし。良くも悪くもすべてが自分次第■
気の合う仲間との登山は楽しいけれど、休憩のタイミングや写真撮影のための立ち止まりなど、やはりちょっと気を使ってしまうもの。だれにも頼れないというプレッシャーはあれど、すべてが自由であることは魅力的。
Q6:ひとり時間(夜)のすごし方は?
■意外となにもしていない(笑)呑んでサッサと寝るのが正解?!■
編集部員も興味津々だったこの質問。しかしなにもしないという回答がもっとも多い事実に驚愕!(参考にしたかった……)。最近はカメラを携えて登る人が多いからか、星空撮影に勤しむ方も多め。
Q6:好きな山域は?
■くじゅう連山の次は「鈴鹿セブンマウンテン」制覇が来る?!■
やっぱり人気の北アルプス。白馬岳を有する北部派と上高地を拠点とする南部派は半々くらい。そしてアルプスの次に人気だったのが高山植物の宝庫としても有名なエリア、鈴鹿山系。「鈴鹿セブンマウンテン全山縦走」チャレンジャー多数。
Q7:好きなテント場は?
■ソロテント泊ハイカーの憧れの場所がズラリ。■
編集部員がよく聞かれる質問でもある好きな(おすすめの)テント場。涸沢は夜のテント場のようすを撮影する人多数。今回は少数派だったものの「いつかは行ってみたい!」という声をよく聞く雲ノ平キャンプ場をあげている人も。
1 位:涸沢野営場(北アルプス/穂高連峰)
2 位:双六池キャンプ指定地(北アルプス/双六岳、鷲羽岳)
3 位:剱沢キャンプ場(北アルプス/剱岳)
4 位:雷鳥沢キャンプ場(北アルプス/剱岳、立山連峰)
5 位:坊ガツルキャンプ指定地(九州/くじゅう連山)
6 位:夏沢だけかんばキャンプ場(八ヶ岳/硫黄岳、天狗岳)
7 位:三俣蓮華岳キャンプ場(北アルプス/三俣蓮華岳、鷲羽岳)
8 位:長衛小屋テント場(南アルプス/甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳)
9 位:穂高岳山荘キャンプ場(北アルプス/穂高連峰)
10位:常念小屋(北アルプス/常念岳、大天井岳)
Q8:○○な体験、教えてください!
ソロテント泊のきっかけ
◉山小屋泊で富士登山をしたときに見た夕暮れや夜明けをもっと見たくなった。(シルキー)
◉30代になってやっと、ひととおりテン泊の道具が揃ったのがきっかけ。だれにも気を使うこともなく、マイペースで行ける。元気がなかったりすると、とりあえず山に行って山頂からひとりでボーっと景色を眺めたり、いまの自分を見つめ直してリセットされます。そして辛い思いをして到着した山は、知らない人と会話して楽しい日々となります。(いっちゃん)
◉夫から誕生日プレゼントにソロテントを買ってもらったこと。それまでテント泊は夫といっしょで装備も担いでもらっていたので、そうか、そろそろ独り立ちの準備ができたということなのかとうれしく(少し寂しく笑)思った。でもおかげで夫が期待していた以上にソロテント泊を満喫しています!(ハレヤマ)
◉雑誌で見た憧れの雲ノ平、小屋の予約はいつもいっぱい。テント場なら空いている!と予約を入れたのがきっかけ。いきなりテント泊で裏銀座縦走は不安があったので、雲取山などで練習してから行きました。荷物は重かったけれど、外で夕日を眺めながら飲むコーヒーは格別でした。(ニック)
◉ソロでテント泊を始めた理由。それは、計画も行動も全部自分次第だから。すべてを背負うぶん、だれにも縛られない自由と、自分を解き放つ感覚がそこにあるから。(けん)
うれしかったこと
◉雷鳥沢で1泊し、雷鳥沢から五色ヶ原でもう1泊しようと思ったが悪天候で山荘泊まりに。その山荘で相部屋となった女子2人と仲良くなれた。ソロのほうが山でいろいろな人とお話しできて楽しい。(ようこ)
◉初テント泊で熊野古道の小辺路にトライ。大雨にも見舞われましたが3泊歩いて人生を見直し、下山翌日に仕事を辞めました!一生忘れられない思い出です!(yk.pon)
◉テント場で初めて会った見ず知らずの人達と山談義をしながら酒を飲み仲良くなれたこと!まさに一期一会!(はっしー)
◉甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳へ登ろうと北沢峠でテント泊した際、寝袋の下に敷くマットを忘れてしまい、最初の晩は背中が痛くて眠れず、2泊目に小屋の方へ相談したら毛布を貸していただきフカフカで寝れたこと。(kiyo)
こわかった体験
◉夜中に酔っ払いにテントを間違えられて起こされたこと。だれだオマエと言われたが、オマエがだれだよ!(読んでる岳)
◉槍ヶ岳のテント場で台風並みの暴風雨にみまわれテントごと飛ばされるかもしれないという恐怖を体験した。(こば)
◉春の知床で季節外れの雪に閉じ込められ、一晩中テントの外からのしかかってくる雪に抗いながら朝を待った。(taxi of yinyang)
失敗談
◉雨の通り道にテントを張ってしまい、その状況で大雨に遭遇。テントの床はウォーターベッドのように……。(やまだがわ)
◉初めてのテント泊登山は上高地から涸沢経由奥穂高を目指しましたが、いろいろ不安で荷物を減らせず、予想以上に体力を消耗し、奥穂は諦めて涸沢で1泊して下山しました。ただ涸沢では早朝とてもきれいなモルゲンロートを拝むことができました。(加藤賢二)
◉稜線上のテント場で幕営したとき、あまりの風の強さにテントが飛ばされそうになり、慌てて撤収して山小屋の外トイレに避難して一夜を明かした。トイレ内は寒く、なにより臭いがツラかった……。(すけ)
◉西鎌尾根から槍ヶ岳に登った際、2泊目に泊まった槍平のテント場にて、槍ヶ岳登頂の喜びでなかなか寝付けず、翌朝思いっきり寝坊して、起きたら周りにだれもいなかった。(笑)(暗黒かものはし)
◉去年始めたばかり。最初は軽さばかりを考えていました。初めてのテント泊は寒くて寒くて夜寝られなくて、結局夜中から歩き出して山頂で日の出を見ながらすごしました。帰ってきてから装備一式を買い替え。お金はたくさんかかりましたが、テント泊装備があると、時間ができたら山にサッと行けるのでいいです。(lily)
※この記事はPEAKS[2025年8月号 No.173]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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