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高尾山(稲荷山コース)登山ルート「豊かな自然が満喫できる山道を歩く」

明治の森高尾国定公園内に位置し、古くから修験道の山とされてきた高尾山。高尾山の登山ルートは、登山初心者も歩きやすい表参道(1号路)コースや豊かな自然の中をしっかり歩くハイキングコースなど、さまざまなルートがある。

今回は、晴れれば新宿・池袋の高層ビル群、さらには筑波山まで眺めることができる稲荷山で休憩を入れつつ高尾山山頂を目指す「稲荷山コース」を紹介する。樹林帯や渓流沿いを歩き、 弘法大師ゆかりの岩屋など高尾山の歴史にも触れることができる。

ルート概要

高尾山口駅→稲荷山→高尾山→山頂下分岐→稲荷山コース分岐→覗岩→高尾山口駅

歩行時間

3時間25分

日程

日帰り

技術

★☆☆☆☆

体力

★★☆☆☆

レベル

初級

高尾山(稲荷山コース)登山ルートへのアクセス

公共交通機関

新宿駅から京王線で高尾山口駅へ。あるいは中央線で高尾駅まで行き、京王線に乗り換える。京王新宿駅〜高尾山口駅55分。

圏央道高尾山ICから国道20号線を走行して高尾山口駅へ。駅前に有料駐車場がある。高尾山IC 高尾山口駅1.5km

ルートプラン

歩行距離:9km
登山口:高尾山口駅
下山口:高尾山口駅
高低差:400m

表参道とは違う高尾山の自然が体験できる稲荷山コースは後半になると木の階段を登ることが多くなるが、体力、筋力のない人でもゆっくり登れば大丈夫。自分が原因で混雑しても階段の幅は広いので、後続の人に追い越してもらうようにしよう。階段の端で立ち休みを繰り返してがんばろう!

高尾山口駅

↓55分

稲荷山

↓50分

高尾山

↓5分

山頂下分岐

↓20分

稲荷山コース分岐

↓45分

岩屋大師

↓30分

高尾山口駅

高尾山(稲荷山コース)登山ルートの詳細ガイド

適度に整備された登山道を歩く

稲荷山コースの入口は高尾山ケーブルカー清滝駅のケーブルカー発着場所前。道標があるのですぐにわかるはずだ。階段状の道を登り始めると、青々と茂る森のなかに延びる登山道。階段の道が続いて、途中に小さな旭稲荷がある。祠の前でひと息ついたら、階段の道を登ろう。

階段登りがひとまず終わると、歩きやすい登山道になる。しばらく進むと少しだけ岩の上を歩くようになるが、危険は感じられない。その後、広く木漏れ日が心地いい、木の根が露出した道に入る。高低差の少ない階段を進むようになると稲荷山山頂まであと少し!

東屋が建てられた稲荷山山頂は、多くの登山者で混雑しており、新宿や池袋の高層ビルが見えている。また、晴天だと筑波山が見える日もある。ここで少し休憩していこう。

稲荷山山頂の東屋。山頂は平坦なので休憩する場所に困ることはない。体が冷えないうちに出発しよう。

長い階段を登り山頂を目指す

稲荷山山頂からは、開放的で登山道とは思えないくらい歩きやすい道を進む。上り勾配になるとすぐに階段を登るようになる。ひとまず階段は終わった、と思うと再び階段が現れる。そういうことを何回か繰り返した先の、6号路へ行く分岐点が休憩ポイントだ。

稲荷山を越えて6号路からの道が合流する地点をすぎるときれいな階段を登るようになる。

ここから長い階段登りが始まるが、たいして時間をかけずに高尾山の山頂に到着する。山頂で登りの疲れを取りながらお弁当を広げよう。

歴史散策しながら下山する「弘法大師ゆかりの岩屋」

山頂から山頂下分岐まで下り、トイレの前を右へいき、5号路合流点を直進して6号路を下る。
長い丸太の階段やとび石伝いで小さな流れのなかを下り、稲荷山コース分岐をすぎると、歩きやすい道になる。小さな沢に沿うようになると大山橋に到着。この先が休憩ポイントだ。沢沿いにはベンチが設置されている。

6号路の下り。小さな流れをとび石伝いで下るので滑らないように注意しよう。石が滑りそうなら、流れに足を入れると楽に歩くことができる。

6月ごろになるとこのあたりから先でセッコクという、スギに着生するラン科植物の花が咲くエリアに。白くて美しい花を咲かせる。

沢沿いを下っていくと硯や碁石に使われる粘板岩が露出した硯岩の前を通る。モミの大木をすぎると琵琶滝があるが、一般人は近くまでいくことができない。少し下ると弘法大師が不幸な母娘のために祈った場所だといわれている岩屋大師に到着。妙音橋で2号路と合流すると、ここから舗装道になり、清滝駅前をすぎればすぐに高尾山口駅だ。

高尾山登山カレンダー(該当月の1日)

高尾山データ

標高:599m
登山適期:2月~12月
営業小屋:なし(茶店あり)
避難小屋:なし
テントサイト:なし
水場:あり(山頂に水道)
トイレ:清滝駅、稲荷山山頂、山頂下
ビューポイント:高尾山山頂
連絡先:八王子観光コンベンション協会(TEL.042-643-3115)

修行僧にとって大切な場所

今回のコースは、琵琶滝や岩屋大師を通るルートだ。岩屋大師には「高尾山での修行を終えて下山時に病気で難儀する母娘に遭遇したた弘法大師が、心を痛めたて祈りを捧げると岩が崩れ岩屋が出現し、母娘はそこに避難して難を逃れることができた」という話が伝わっている。

また、琵琶滝は高尾山で修行する僧たちにとっては大切な修行の場所だ。そのため一般人は立ち入り禁止になっている。滝の近くには、僧たちが修行で使う小屋が建てられている。もし、薬王院に行くなら、高尾山山頂から表参道を下り、そのまま表参道を歩いて下山するか、ケーブルカーを利用するのが良いだろう。

アドバイス

標高がそれほど高くない山だからといって油断していると、とんでもないしっぺ返しを食らうこともしばしば……。ここに記載している所要時間はあくまでも目安なので余裕をもって計画は立てよう。また、天候や自分の体調によっては、中止することも検討してほしい。山はいつまでもそこで待っていてくれる。どんなにその山が低くても、謙虚に向き合うことで、山はあなたを優しく迎え入れてくれるだろう。

出典

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PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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