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天城山 登山ルート「シャクナゲや深い樹林に覆われた伊豆半島の名山」

静岡県の伊豆半島に広がる「天城山」は、日本百名山のひとつ。多雨地帯であることから、「雨木」の語が由来だという説もある。初心者でも十分に楽しめるシャクナゲコースは、木々の隙間から富士山が見ることもできる絶景ポイント。今回は伊豆市の樹林帯から万三郎岳を目指す登山ルートを紹介する。

ルート概要

天城縦走登山口→四辻→涸沢分岐点→万三郎岳→石楠立→万二郎岳→天城縦走登山口

歩行時間

5時間

日程

日帰り

技術

★☆☆☆☆

体力

★★☆☆☆

レベル

初級

天城山登山ルートへのアクセス

公共交通機関

東京駅から東海道新幹線こだまで熱海駅へ。ここでJR伊東線に乗り換えて伊東駅へ。ここから伊豆東海バスの天城東急リゾートシャトルバスに乗り天城縦走登山口で下車。バスの本数は少ないので必ず伊豆東海バスに確認。

東名高速道路厚木ICから小田原厚木道路、箱根ターンパイク、伊豆スカイラインを走行して天城縦走登山口登山者専用駐車場へ。

ルートプラン

歩行距離:7km
登山口:天城縦走登山口
下山口:天城縦走登山口
高低差:400m

天城山とは万二郎岳と万三郎岳を主脈とする複合火山のことをいい、この2峰を縦走する周回コースを歩きます。シャクナゲやツツジで知られる登山道ですが、ブナの大木が観察できる山でもあります。紹介するコースでは万三郎岳〜万二郎岳の間で観ることができ、伊豆市の特別保護地区に指定。花や木を傷つけることのないように歩いてください。とくに土砂が流失した箇所では注意が必要です。

天城縦走登山口
↓20分
四辻
↓1時間20分
涸沢分岐点
↓1時間
万三郎岳
↓30分
石楠立
↓40分
万二郎岳
↓1時間10分
天城縦走登山口

天城山登山ルートの詳細ガイド

樹林帯から万三郎岳を目指す

シャクナゲやツツジで知られる天城山。シーズンになると登山道が渋滞することもあるくらい。また、ブナの大木が見られることでも人気があるようだ。

登山口から車道を渡って登山道に入る。登山口に案内板があるので、登山道を確認してから出発しよう。樹林帯に延びる道から、すぐに丸太の階段を登るように。ここを登りきると、四辻まで300mの道標が現れる。アセビやヒメシャラが目立つ登山道を進んでいこう。

四辻は涸沢分岐点方面と万二郎岳へ向かう登山道が分岐する地点。コースは周回なのでどちらから回ってもいいが、涸沢分岐点から万三郎岳へ右に進路を取る。

ここから先はシャクナゲコースと命名されていて、植生保護のため、20年ほど前に立入禁止になった道。長い月日をかけて復活した樹木を守ることも登山者の使命。ゴミを捨てたり、無闇に木に触ったりしないように注意してほしい。勾配もきつくなるので、立ち休みを繰り返して歩くように。四辻から10分ほど歩くと右側が切れ落ちた斜面を歩くようになる。すれ違いに注意しなければならない箇所。木々の間から富士山が垣間見られるようになり、シャクナゲの木々の間を縫って進む。美しい花に見惚れ、なかなか先に進むことができない。

四辻から1時間で涸沢分岐点に到着、小さな台地のような場所。大きなルート看板が立てられている。涸沢分岐点から、万三郎岳は道標に従って約1100mの歩行距離。勾配のきつい箇所もあるので、呼吸に合わせて登ろう。基本的には階段登りが多い。こんもりとした大室山が見えてくると、勾配がゆるみ、小さな広場に。ここが万三郎岳下分岐点。ここで天城縦走路に乗ったことになる。ここから万三郎岳は200m、10分ほど。登山道からは伊豆の海が見えている。

縦走路をたどって万二郎岳へ

万三郎岳は小広い台地ですが、木々に邪魔され展望を得ることはできない。

山頂から石楠立(はなたて)までは急坂を下ることに。シャクナゲがきれいな道だ。石楠立をすぎるとアセビのトンネルを抜け、その先が馬の背。万二郎岳中腹の岩場まで登ってくると、太平洋と富士山の眺めを得ることができる。ここからひと息で万二郎岳、平坦な山頂で展望はない。

ここから四辻までは樹林帯を下る一本道、ドウダンツツジが美しい道。四辻からは往路を登山口まで戻っていく。

天城山登山カレンダー(該当月の1日)

天城山データ

山名:万三郎岳(ばんざぶろうだけ)
標高:1,406m
登山適期:4月~11月
営業小屋:なし
避難小屋:なし
水場:なし
トイレ:登山口(12月上旬~3月中旬閉鎖)
ビューポイント:万二郎岳手前

1000年以上かけて造られた自然へ

天城山や長九郎山に咲くシャクナゲは伊豆半島の固有種でアマギシャクナゲと命名されており、白やピンクの花が登山道を彩っている。開花時期は5月中旬~6月。

天城山のブナ原生林は国の特別保護地域に指定されている。ここの特徴は手を加えず、自然に任せた状態にしていること。そうすることにより、長い年月の間にその土地の気候に合った状態になる「極相林」という方法を取り入れているのだそう。現在、見ることのできるブナの森は1,000年以上の月日をかけて造られたもの。特異な形の大木にも意味があるというわけだ。

アドバイス

標高がそれほど高くない山だからといって油断していると、とんでもないしっぺ返しを食らうこともしばしば……。ここに記載している所要時間はあくまでも目安なので余裕をもって計画は立てよう。また、天候や自分の体調によっては、中止することも検討してほしい。山はいつまでもそこで待っていてくれる。どんなにその山が低くても、謙虚に向き合うことで、山はあなたを優しく迎え入れてくれるだろう。

 

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PROFILE

PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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