雪山トレッキング日帰りおすすめルート9選
PEAKS 編集部
- 2019年11月19日
INDEX
蓼科山[長野]
あえぎながらたどり着く価値ありの、八ヶ岳を眺める特等席
- レベル:中級
- 歩行時間:7時間
八ヶ岳からしだけ離れたように佇む蓼科山。冬はバスが走っていないのでアクセスしにくいが、八ヶ岳エリアの混雑を避けるにはちょうどよい。
登山口の竜源橋バス停から滝ノ湯川沿いに上流方向へと向かい、やがて小さな谷を抜けると天祥寺原という気持ちの良い雪原が広がる。
蓼科山はほぼ独立峰なので、風の強い日は稜線での強風に注意が必要だが、天気に恵まれれば八ヶ岳の山々や南アルプスだけでなく中央アルプス、御嶽山、さらに北アルプスまでも望む、360度の絶景が待っている。
アドバイス
綺麗な円錐形の山なので、積雪期は適当なところから直登したくなるが、頂上直下は傾斜がきついので夏道通り将軍平を通るコースが一番歩きやすい。頂上直下は急登。アイゼンの前爪を効かせて頑張ろう。
アクセス
ビーナスラインを茅野から白樺湖方面へ向かい、蓼科山登山口である女神茶屋よりも手前にあるのが竜源橋バス停。冬期はバスが走っておらず、トイレや店などもないので、事前にしっかりと準備を。
レコメンダー デザイナー 新井知哉
友人に初めて連れて行ってもらった雪山がこの蓼科山。以来山のとりこに。アウトドアメーカーのPRを経て、フリーランスとして奮闘中。
三ツ頭[山梨]
日帰りでもたっぷり遊べる八ヶ岳入門ルート
- レベル:初級〜中級
- 歩行時間:7時間
冬の南八ヶ岳というと赤岳、硫黄岳が有名だが、そこまで気負わなくても日帰りで十分に楽しめるのが三ツ頭。危険箇所はほとんどなく、初級者が雪山の感覚を味わうにはピッタリ。
歩き出しは天女山入口から。まずは天女山を経て天女山駐車場へ向かい、天ノ河原へ。そこから約3時間で前三ツ頭、三ツ頭まではさらに1時間程度。
天ノ河原、前三ツ頭、三ツ頭のどこも天気が良ければ八ヶ岳の山々はもちろん、南アルプスなども望むことができるが、やはり三ツ頭からの景色は格別。少々長めだが、ぜひ歩いてみてほしい。
アドバイス
長めの行程なので出発は早めに。体力的に山頂往復がきついと感じたら途中で引き返そう。なお下りは勾配がある場所でスコップやソリを使って滑ることもできるので、荷物に余裕があれば持っていくと楽しめる。
アクセス
通常は天女山上の駐車場まで車でアクセスできるが、冬期は天女山入口でゲートが閉じられる。ゲート脇に車を駐車して向かうが、駐車台数は多くない(5台程度)ので仲間同士で乗り合わせるなどの配慮を。
レコメンダー エルク 店長 中込真太郎
登山ガイド資格を有し、ショップ主催の登山イベントなども取り仕切る名物店長。トレイルランのレースにも参加予定。
藤原岳[三重・滋賀]
冬も楽しい鈴鹿のプレイスポット
- レベル:初級〜中級
- 歩行時間:4時間30分
東海エリアからアクセスしやすい鈴鹿山脈。それなりに積雪もあるので冬には雪上ハイクが楽しめる。そのなかでも藤原岳は山頂からの眺めが良く、さらには9合目と山頂の間に避難小屋があるので、初心者にもおすすめ。
ルート自体は藤原山荘まではしばらく単調な登りが続くが、藤原山荘から山頂までは広大な雪原が広がり、一気に気分も盛り上がる。天気が良ければ山頂からは御嶽山、白山、北アルプスまで眺められることも。
登り約3時間、下り約1時間半でコンパクトに雪山の魅力を味わえる好ルートだ。
アドバイス
稜線付近からは強風に吹かれることもあるので、その際は避難小屋に入るなどして身体を冷やさないように。小屋の近くにはトイレもあり。昼食などでゆっくりできるが、他の利用者と譲り合って利用しよう。
アクセス
大貝戸登山口には駐車場だけでなく、休憩所、トイレ、靴を洗うための水道などもあり。満車の場合はいなべ市観光用駐車場(有料)を利用。公共交通機関の場合は三岐線西藤原駅から大貝戸登山口へと向かう。
レコメンダー モデラート スタッフ 松下昌樹
登山やファストパッキングなどを軸に、春夏秋冬あちこちの山を飛び回る日々。最近はハンモックハイクにハマっている。
堂満岳[滋賀]
琵琶湖畔、電車で日帰りできるアクセス抜群の雪山
- レベル:初級〜中級
- 歩行時間:7時間30分
京阪神エリアから一番行きやすい雪山が比良山系。大阪駅からJR湖西線直通新快速「湖西レジャー号」なら乗り換えなしの約1時間だ。ビギナーなら、ロープウェイを利用し、びわ湖バレイ周辺で足慣らしをしてもいいし、バリエーション志向なら堂満ルンゼ、αルンゼなどの登攀的なルートもある。
比良駅を起点に堂満岳東稜を登るルートは、比較的メジャーで、初中級者にも登りやすい。イン谷口手前の桜のコバから東稜道へ入り、720m地点からはほぼ尾根通し。一部急な部分もあるが、山頂付近からの眺めは抜群だ。
アドバイス
金糞峠を経由して周回ルートにもできるが、青ガレで雪崩が起きることがあるので、雪の状態が不安定なときは避けたほうがいい。中級以上なら北東側からピーク付近に突き上げる堂満ルンゼも楽しい。
アクセス
JR湖西線比良駅から徒歩。マイカーの場合はイン谷口に広い駐車場あり。夏場は土日にイン谷口までバスが運行されているが冬季は運休。西麓から縦走する場合は堅田駅または出町柳から坊村へバス便あり。
レコメンダー フリーライター 根岸真理
六甲山をホームとして各地の山に出没するアウトドア系のライター。冬は温暖な熊野古道方面へ行くことが多いが、ラッセルも嫌いじゃない。
木曽駒ヶ岳[長野]
ロープウェイで上がれば、アルプスの稜線がすぐそこに
- レベル:中級〜上級
- 歩行時間:3時間30分
標高2,956m。わずかに及ばないもののほぼ3,000mの標高がある中央アルプスの盟主・木曽駒ヶ岳。北アルプスの山々などと同様に例年冠雪が早く積雪も多いが、標高2,612mの千畳敷まで一気に連れていってくれるロープウェイのおかげで、比較的冬でも登りやすい山でもある。
スタートは壮大なスケールの千畳敷カールから。乗越浄土まで向かって登っていくが、乗越手前の八丁坂は急登なので、十分に用心しながら登ること。乗越浄土では一気に展望が開ける。
同時に強風の影響も受けやすいが、これから先に風を遮るものが小屋の建物くらいしかないので、もし状況があまり良くなければ、無理して山頂を目指さず、引き返すという選択肢も頭に入れておこう。
乗越浄土からは左手にそびえる宝剣岳を見送り、右手の木曽駒ヶ岳方面へ。緩やかに中岳を登り、そこからまた下ったら木曽駒ヶ岳の山頂はもうすぐ。山頂からは中央アルプスの他の山々、南アルプス、北アルプスなども一望できる。
アドバイス
雪の状態にもよるが、千畳敷から山頂までは約2時間の道のり。このルートは冬でも入山者が多いのでトレースがついていることが多い。だが、降雪後やガスが濃い場合には道を誤らないように注意して進むこと。
アクセス
車の場合、中央自動車道駒ヶ根ICから菅の台バスセンターに向かい、そこから路線バスでロープウェイのしらび平駅へ。電車の場合は、飯田線駒ヶ根駅から路線バスで菅の台バスセンターへ。
レコメンダー フォトグラファー 武部努龍
山梨を拠点に登山、キャンプなどアウトドアジャンルを中心に撮影。最近はアクションカメラやドローンを使ったムービー撮影にも力を入れている。
- BRAND :
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- CREDIT :
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文◉高橋庄太郎、木村和也、新井知哉、根岸真理、編集部 Text by Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Tomoya Arai, Mari Negishi, PEAKS
写真◉宇佐美博之、高橋庄太郎、木村和也、上久保匡人、中込真太郎、根岸真理、武部努龍 Photo by Hiroyuki Usami, Shotaro Takahashi, Kazuya Kimura, Masato Kamikubo, Shintaro Nakagomi, Mari Negishi, Doryu Takebe
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。