「新越山荘」北アルプスの山小屋完全ガイド

登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし！

随所に手作り感たっぷり！

爺ヶ岳と針ノ木岳を結ぶ縦走路のちょうど中間点にあるのが新越山荘だ。じつはこの一帯、新越山荘ができるまでは、荒れ放題だったという。無断で幕営した人のゴミが散乱し、焚き火の跡が残り、自然崩壊が進んでいた。「このままにしてはいけない」という柏原正泰さんの思いは強く、またその時視察に同行していた林野庁からの要請もあって、かくして1967年、この地に新越山荘が誕生することとなった。

じつは近隣の種池山荘、冷池山荘のオーナーも柏原さん。この3小屋間の登山道は各小屋の管理区域がしっかり区分され、スタッフにより常時整備されている。ゴミひとつ落ちておらず、快適な登山道には「山のマナーを大切にしよう」という柏原さんと小屋のスタッフの想いが込められているのだ。

館内施設

自炊室もあります

半地下にある食堂の窓からは、剱岳が！テレビがあるので、ここで天気予報をチェックできる。館内にはキレイな自炊室もあり。

今日の更衣室は……

取材に訪れた日は、なんとひと部屋が丸ごと更衣室になっていた。小屋の混雑具合によって変わるが、なんともゼイタクな更衣室だ。

トイレは最新式です

トイレは男女別。「山小屋ミカレット」と言い、灯油を燃料に乾燥・焼却するシステムを採用し、便器にペーパーを落としてもOK。

きれいな乾燥室

乾燥室にはストーブがあるが、雨の日以外は火はつけない。ハンガーは1人2本までと決まりがあり、受付でもらうことができる。

食事

朝食

焼鮭、卵焼き、サラダ、大根おろし、漬物。もちろんご飯と味噌汁つきだ。

夕食

夕食はグラタン、魚、マカロニサラダ、きんぴらごぼう、煮物。デザートにはゼリー。

お土産・売店

売店には新越山荘限定グッズがズラリ。売店のディスプレイも手作り感があってかわいらしい。

厨房では水1リットル150円、お湯1リットル200円、お茶1リットル250円で購入可能。

部屋

新越山荘の客室は、すべて上写真のようなかたちがメイン。部屋の扉には花の名前と写真がついている。ちなみに写真は「9　ハクサンフウロ」の部屋だ。

喫茶メイプル

喫茶室兼談話室。窓からは剱岳が一望できる。本棚は文庫中心のラインナップ。沢の水を使用して淹れたコーヒーがオススメだ。

「新越山荘（しんこしさんそう）」の基本情報

設備

テント場：なし
水場：なし
個室：なし
自炊室：あり
乾燥室：あり
お風呂：なし
生ビール：なし

営業期間

7月1日〜9月下旬

電話・電波

ドコモ：良好
au：通話困難な場合が多い
ソフトバンク：不安定
公衆電話：なし

収容人数

80人

標高

2,465m

宿泊料金

1泊2食：9,500円
素泊まり：6,300円
お弁当：900円

連絡先

0261-22-1263
www.kasimayari.jp

※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。