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筆とまなざし#168「笠置山で『初めての“アウトドア”ボルダリング講座』を開催」

地元の親子二組とアウトドアボルダリング講座。週末を岩場でたのしむすごし方

3月1日に「初めてのアウトドアボルダリング講座」と名付けた初心者向けのボルダリング講座を行ないました。「初めての」にはジム経験者の岩場デビューとして、「アウトドアボルダリング」は「インドアボルダリング」に対する言葉として使いましたが、そもそも「ボルダリング」=「川原などに転がる石ころを登る行為」であるからわざわざ「アウトドア」と付けるのも妙なものです。「外岩」という言葉はあえて使わないことにしました。

さて、講座は遠方からのお申し込みもあったけれど、新型コロナウィルスの影響でキャンセルとなり、実際に参加してくれたのは笠置山の麓に住む二組の親子でした。小学校6年生の男の子とそのお母さんです。前日の夜まで雨が降ってしまい開催が危ぶまれたものの、朝岩場を訪れてみると少し湿っている程度。なんとか開催することができました。

4人とも「インドアボルダリング」もほぼ未経験。最初のボルダリングが岩場なんて笠置の子どもらしくてよろしい。レンタルシューズのサイズを合わせていざ近くのボルダーへ。ボルダリングの注意事項やルール、トポの見方などを説明してからまずは10級の課題からトライを開始しました。

今回連絡をくれた親御さんは、以前アラスカのアンカレッジに住んでいたことがあり、そこでクライミングジムに行った経験があるとのことでした。子どもが小さなころに名古屋から恵那に移住、せっかく地元にクライミングエリアがあるのだから子どもにも体験させたいと思っていたと話してくれました。本当は昨年企画した講座にも申し込んでくれていたのだけれど雨で中止になってしまい、今回ようやく参加してもらえたのでした。

休憩を挟みながら何本か10級を登ると少しずつ足使いも上手になってきました。最後は少し高さのある8級課題を怖さと闘いながら完登!これには感動してしまいました。子どもはこの短時間で成長するんだなと驚くとともに、小さなクライマーが誕生したのだと思いました。指皮が痛くなってきたところでお昼すぎに終了。駐車場に戻るとすっかり春の青空が広がっていました。ほかの親子にも勧めたいからと、今度は小学校の子ども会でも企画してくださるとか。声をかけてくださった親御さんには本当に感謝です。

昨年から、地元の方々が少しずつ講習会に参加してくれるようになりました。クライミング とは大きなリスクを伴う行為だしストイックであることも紛れもない事実です。けれど、本格的に取り組まなくても、年に数回のレクリエーションとしてクライミングをたのしむ。そんなたのしみ方もありなのかもしれません。それがクライミングという行為が地域の文化として根ざしていく第一歩なのでしょう。クライミングが定着している海外では、週末を岩場ですごす家族の姿をたくさん見かけます。お父さんも決してバリバリのクライマーではなく、立派なお腹の人も多い。それでも日常的にクライミングをたのしんでいます。笠置山でも、そんな家族の姿を見かけられる日が近々やってくるかもしれません。

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PROFILE

成瀬洋平

PEAKS / ライター・絵描き

成瀬洋平

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

成瀬洋平の記事一覧

1982年岐阜県生まれ。山でのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作の小屋で制作に取り組みながら地元の笠置山クライミングエリアでは整備やイベント企画にも携わる

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