脳内シミュレーションでロングトレイル欲を満たそう!おすすめのBOOK&DVD17選
PEAKS 編集部
- 2020年04月30日
海外にある憧れの場所や思い出のあの場所へ。山に行けない日が続いても、ひとり気ままにロングハイク。すぐには行けなくても脳内なら自由に旅をすることができる。本誌に縁のあるロングトレイルハイカーたちにおすすめのタイトルをインタビュー。
【DVD】
だれもが知る不朽の名作から希少なものまで、レコメンダーが影響を受けたDVD7本をご紹介
わたしに会うまでの1600キロ
悩みを抱えた主人公の心情をパシフィック・クレスト・トレイルで表現しているため、重苦しい映像が続くが、ラストの穏やかな景色と感動的なシーンが非常に印象的な1本です。(森)
ロング・トレイル!
まったく登山の知識がない老齢の紀行作家が、退屈な毎日に刺激を与えようと、音信不通だった悪友とアパラチアン・トレイルの踏破に挑戦する。きれいなトレイル映像も見もの。(森)
180° SOUTH/ワンエイティ・サウス(※)
監督:クリス・マロイ 2011年
旅のスタイルはひとつでなくても別によいのだ。仲間たちといますぐウィルダネスに飛び出したくなる物語。パタゴニアの雄大な自然での映像が野生の自分を刺激する旅へ導く。(飯坂)
イントゥ・ザ・ワイルド(※)
監督:ショーン・ペン 2007年
恵まれた環境で育った青年が放浪の旅へ。多くの出会いと困難を体験しながら彷徨うその旅のあり方は、まさにロングトレイルの旅。僕もPCTを歩く前に観て影響を受けました。(根津)
キャラバン(※)
監督:エリック・ヴァリ 1999年
ヒマラヤ山脈を越えて塩を運ぶキャラバン隊を描いたドキュメンタリー的作品。ヒマラヤの自然と人々に惚れ込んでネパールに移り住んだエリック・ヴァリ監督による映像はすばらしい。(斉藤)
スタンドバイミー
イージー★ライダー
どちらもロングディスタンスハイキングに直結はしていませんが、このふたつの映画に共通している「アメリカの自由な野宿旅」を連想させる雰囲気は、僕自身がアメリカのロングトレイルに憧れを持つきっかけになったと思います。どちらにも出てくるシーン「焚き火+カウボーイキャンプ」はやっぱり最高です。(二宮)
【Book】
ロングハイクをするきっかけになったり、ロングハイクに携行したり。各人思い入れのある名著が勢ぞろい。
ジョン・ミューア・トレイルを行く バックパッキング340キロ(※)
日本のロングトレイルの父ともいえる加藤則芳さんは、早くからアメリカをはじめとして、まだ無名だった道を多く歩いてきた。ピークを目指さない山旅をしてみたいと思うきっかけになった本。トレイル整備など彼が残した足跡は大きい。(飯坂)
シェルパ斉藤の世界10大トレイル紀行 The World’s Best 10 Trails(※)
ニッポン10大トレイル
自著を宣伝してんじゃねえよ! と思われるだろうが、どちらも自分がこれまでに旅した国内と海外のロングトレイルを紹介した紀行本であり、写真集でもある。僕にとってはパーソナルな旅のアルバムなのだから、ページをめくるたびに胸がしめつけられ、行きたくなってしまうのである。もちろん、旅人をロングトレイルにいざなう目的でまとめた本だしね。(斉藤)
エマおばあちゃん、山をいく アパラチアン・トレイル ひとりたび
実在の人物エマ・ゲイトウッドが歩いたアパラチアントレイルをそのまま絵本にしたものです。アパラチアントレイル沿線の地理や歴史を細かく紹介していて、大人でも楽しめる内容にまとまっています。(二宮)
旅をする木
アラスカという広大な大地に長く身を置き、自然と対峙し続けた、敬愛する写真家の星野道夫。彼の死生観や、優しくまっすぐな眼差しと文章を通して、野生動物に会ってみたくなる。長い旅に一冊だけ持っていくならこの本。(飯坂)
果てしなき山稜 襟裳岬から宗谷岬へ
当時28歳の著者が北海道の襟裳岬から宗谷岬を厳冬期に繋ぐという壮大な山行。ルート取りや道具の取捨選択等の
創造性に惹かれ、自分なりの軌跡や人との出会い、心情など冒険の楽しさを教えられた一冊。(服部)
トレイルライフ/レイ・ジャーディン
1992年の初版から改名され再販された。自然のなかを長期間、より快適に旅するための方法論が書かれており、現在のULの教科書的な1冊。道具は手段のひとつで、自然を楽しむためにどのようにすればいいのかを考えさせられる。(服部)
ロング・ディスタンス・ハイキング
ロングトレイルを歩くという行為、そしてロングトレイルのカルチャーにフォーカスした、日本初の書籍。登山者が登山道ではなく登山が好きであるのと同様、大事なのはその行為。Hike Your Own Hike!(根津)
トレイルズ/ロバート・ムーア
トレイルそのものの起源や歩くとはどういうことなのか、アパラチアン・トレイルのスルーハイカーでもある著者の経験や分析をもとに書き綴られた本。これからロングトレイルに挑戦する人はもちろん経験者にとっても価値のある内容。(二宮)
パシフィック・クレスト・トレイル
美しい写真の数々と、トレイル誕生から現在までの歴史を綴った、これぞロングトレイル本。読んでいるうちにまるで自分が旅しているかのような気分に。本場アメリカの世界観を体感できる1冊です。(根津)
RECOMENDER
ハイカーズデポ スタッフ・二宮勇太郎さん
ハンモックの知識と経験が豊富なハンモックフリーク。2016年に自転車でアメリカを縦断。その際の寝床はもちろんハンモック。
トレイルズ ライター・根津貴央さん
2012年にPCTを5カ月間歩く。近年はネパールのロングトレイルを踏破するプロジェクトを立ち上げ、毎年ヒマラヤに足を運ぶ。
低山小道具研究家・森 勝さん
関東の低山をフィールドにしている山好きにして『ランドネ』でアウトドア的視点から映画を語る連載を持つほどの映画好きでもある。
フォトグラファー・飯坂 大さん
国内外の山と暮らしを撮影。根津さんとともにGHTプロジェクトを立ち上げ、2014年からグレートヒマラヤトレイルを踏査。
紀行作家・シェルパ斉藤さん
八ヶ岳山麓で自作の家に暮らす紀行作家で、日本のロングトレイルをもっとも多く歩いているバックパッカー。著作は30冊を超える。
ムーンライトギア スタッフ・服部賢治さん
マウンテンランニングやクライミング、バックカントリートリップやバイクパッキングなど、さまざまな形でアウトドアを楽しむ。
*書名やDVDタイトルに(※)が付いているものは、販売元、出版元で品切れ、重版未定のものです。洋書で出版社名の記載がないものは国内の出版社で取り扱いがない本になります。
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イラスト◉高橋未来 Illustration by Miki Takahashi
写真◉廣瀬友春 Photo by Tomoharu Hirose(洋書のみ)
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。