筆とまなざし#220「些細なコンディションの変化が難しいルートクライミング」
成瀬洋平
- 2021年03月31日
次回こそ天気に恵まれて、最高のコンディションで挑みたいところだが。
展覧会が一段落してから、笠置山のプロジェクトルートをトライしに行くようになりました。すでに気温が上がってしまいもうベストシーズンではないのだけれど、3月は登りに行くことができなかったため、最後の悪あがきにと通っているのです。
2年前にボルトを打ち、昨年から取り組んでいるルート。ボルト5本と短いものの、ムーブはこれまで登ったどのルートよりも難しい気がします。昨年の2月にワンテンになったものの、体のコンディションと岩のコンディションがうまく噛み合わず、秋には歯がたたなくなってしまいました。気温が上がると核心のムーブがまったくできなくなってしまうし、核心で落ちると隣の岩に激突しそうで怖い。さらに付近には易しいトラッドルートが多く、付き合ってくれる人がなかなか見つからないのも、このルートの核心でした。
幸いにも、最近になって同じジムに通う人のなかにもルートクライミングをする人が増えました。いつも付き合ってくれる友人は週末休みなのですが、なぜか週末になると雨が降るという周期。週の半ばは乾燥した良いコンディションなのに、そういうときにかぎって登りに行くことができません。体のコンディションを整えて望んだ土曜日でしたが翌日が雨予報のため湿度が高く、1便目は散々な結果。それでも、いくつかムーブの修正点が見つかり、2便目はひさしぶりにワンテンとなりました。コンディションがよかったら行けるかもしれない。そう思いながらの3便目は、さっきよりも湿度が上がってしまいまたもや歯が立たない。ほんの些細な違いだけれど、それをピタリと合わせることがとても難しい。
土曜日はルートクライミングを始めたてのメンバーも含めて5名で登りに行きました。同じジムに来る人たちでこれだけの人数が集まったのはとてもひさしぶりです。みんながボルダリングだけでなくルートクライミングも楽しんで続けてくれたらいいな。それぞれのメンバーも目標ルートができたのでしばらくは付き合ってくれそうです。1日に何度も天気予報を眺める日々ですが、今週末も雨の予報。果たして天気の神様は味方してくれるのでしょうか。
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