かほちゃん、八ヶ岳で見守られソロテント泊・その1
PEAKS 編集部
- 2021年08月09日
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登山歴4年目のかほちゃん。もっぱら単独行で週に平均3、4日ほど山に行き、ときには小屋泊で縦走登山もするという。そんなかほちゃん、ついにテント泊デビューのときが来た! だけど今回は “見守り役” 付きのプレソロテント泊。見守られながらの初めてのテント泊はいかに!?
文◉かほ、編集部 Text by Kaho, PEAKS
写真◉宇佐美博之、増川浩一 Photo by Hiroyuki Usami, Koichi Masukawa
出典◉PEAKS 2020年9月号 No.130
かほ
見守られソロテント泊のルール
- 自分で責任をもって行動する。
- 荷物はソロ装備のものをすべて自分で持つ。
- ときどき見守り役からアドバイスが入る。
かほちゃんの登山略歴
2016年
初めての本格登山、仕事で八ヶ岳(根石岳)に雪山登山をする。夏、本格的に登山を始める。関東近郊の山を中心に登る。
2017年
新穂高~西鎌尾根~槍ヶ岳~上高地2泊3日の小屋泊縦走登山を行なう。
2018年
新穂高~槍平~槍ヶ岳~上高地1泊2日、小屋泊の縦走登山を行なう。
2019年
夏に上高地~蝶ヶ岳~上高地1泊2日、秋に上高地~涸沢~上高地1泊2日の小屋泊縦走登山を行なう。
2020年
雪山登山を始める。
ソロテント泊の準備
テント泊山行は、日帰りや小屋泊と比べて食事や宿泊準備など自分で考えることが増え、持ちものも多くなるため準備段階も非常に大切。ここでは初めてのソロテント泊山行に向けて、準備のポイントを解説。
無理のない計画、ときには経験者との山行も。
最初は余裕のある行程で、自分に合った山行を選びましょう。するとどんどんソロ山行が楽しくなります。反面、いつもひとりで登山をしていると、山のマナーを知らなかったり、だれかの記録との競争になったりしている方を見受けます。資格を持った経験者との山行で学べることがあることも知っておいてください。
登山ガイド/渡辺佐智
佐智さん直伝!初めてソロテント泊の5か条
その1 森林限界以下のテント場を選ぶ
できれば樹林帯、少なくとも森林限界以下のテント場を選びましょう。標高を上げればその分天気が荒れている可能性が高くなります。樹林帯であれば木々が風を防いでくれます。
その2 できるだけデポして歩けるルート設定を
はじめての場合は、テント泊の装備をテント場に置いて、その先はいつもの日帰り装備で登山をしてはどうですか。最初は、山に泊まることと登ることを、分けて行動できると負担が減ります。その場合、最近はデポした装備の盗難がニュースにもなっています。人気のテント場では、防犯の意識も持ってください。
その3 長すぎないコースをチョイスする
まずはよくばりすぎず、普段の日帰りの行程の半分くらいでルートを考えましょう。時間に追われる山行は怪我の元です。ゆとりをもった行程を心がけましょう。慣れてきて、自分がどれくらいの装備を持つことができ、どれくらいの時間歩けるのかがわかってから、長いルートにチャレンジするのが望ましいです。
その4 行ったことのあるテント場を選ぶ
いちばん最初は、行ったことのある(通ったことのある)テント場を選ぶとよいです。テント場の配置、トイレや水場の雰囲気がわかっていると、準備の段階から具体的なイメージがつきやすく、スムーズな行動がしやすくなります。また、行ったことのある場所であれば、安心感も得られるため、気持に余裕をもてます。
その5 重いバックパックを背負える体力をつけよう
頼りになるのは、疲れたときに、もうひと踏ん張りできる自分の体力です。とくに、単独行のテント泊であれば、すべての装備を自分で背負う必要があるので、それを背負ってしっかりとした足取りで歩けることは大切です。テント泊山行を今後楽しんでいくためにも、筋力と心肺機能を鍛えておきましょう。
上記を踏まえて登山計画書を作成
初めてのソロテント泊山行に向けたアドバイスを佐智さんに聞いたうえで、八ヶ岳の硫黄岳山行に決定。宿泊地はオーレン小屋のテント場。かほちゃんには安全なソロテント泊山行の第一歩として、登山計画書を作成してもらい、佐智さんに添削してもらいました。(赤字部分)
- 登山先の管轄警察署など、提出先の宛名を記載しておけば、提出する際にメールにそのままPDFとして添付するだけなので便利です。
- 氏名は本来フルネームで記載。また、ふりがなを振っておけば、もしものときの情報として親切なものになるので加えましょう。
- 生年月日を記載すれば、もしものときの情報として、より有用なものになります。血液型の追加もおすすめです。加えておきましょう。
- 装備には雨風を凌ぎ、ひとりで山ですごせると判断できるもの一式を記載すると情報として有用です。
- バスや電車の最終時刻、タクシー会社の連絡先などを記載しておけば、携帯電話の充電が切れてしまったなど緊急時の助けにもなります。
佐智さんから一言
「かほさんが作成された山行計画書は概ね問題ないでしょう。これで提出しても大丈夫ですが、さらに加えたらベストな情報を追記しました。登山計画書は『コンパス』などウェブ上でも提出することができ、こちらの活用とともに身の回りの人に伝えておくことが大切ですが、山行計画をより意識化するために独自に作成することは有効です。また、自分用のメモとして、単独行ではとくに、紙で作って持っておくようにしましょう」
装備のチェック
初めてのテント泊は忘れものもしばしばあるので装備チェックは入念に。また、重たいバックパックを背負って疲れないように、フィッティングも大切です。パッキングにもコツがあるので要チェック!
バックパック(60ℓ)、サコッシュ、ホイッスル、熊鈴、コンパス、ボールペン、山と高原地図、財布、ハッカ油、消毒ハンドジェル、カラビナ、ファーストエイドキット、マスク、ポケットティッシュ、ウェットティッシュ、携帯カイロ、エマージェンシーシート、化粧道具、ヘッドランプ、ランタン、ダウンジャケット、レインウエア上下、着替え1セット、靴下2足、タオル、手ぬぐい、トレッキングポール、スポンジ、テントインナーシート、スリーピングマット、スリーピングバッグ、レジャーシート、テント、チェア。
佐智さんから一言
「初めての道具はいきなり山で使うのではなく、まずは山に行く前に開いてみましょう。できれば家で一度テストしてみると安心してフィールドで使うことができますよ」
3食分の食料と調理器具
1日目昼ごはん用食材(サラダチキン、大葉、梅、もずくスープのパスタ)、1日目夜ごはん用食材(ビーフシチューとアルファ米)、2日目朝ごはん用食材(フォカッチャ、夜ごはんの残りのビーフシチュー)、赤ワイン、ジェットボイル、ウォーターボトル、スプーン、フォーク、ライター、ナイフ、まな板、シェラカップ、フライパン。
行動食・予備食
チョコレートバー、シリアルバー、ビスコ、チョコレート、塩分がとれる飴、予備食のアルファ米。
その他
トイレ便座拭き用除菌シート、マスク2枚、消毒ジェル、体温計。今回オーレン小屋のテント場を利用するにあたり、コロナウイルス感染対策として、必ず携帯してほしい装備としてウェブサイトに記載があった。テント泊での利用の際も山小屋のウェブサイトをチェックしておこう。
パッキングのコツ
左右均等、外側はシンプルに
左右均等にパッキングすることでバックパックをバランスよく背負える。登山時のじゃまにならないように外付けは控え、シンプルに。
背中側に重いものを
水筒やガス缶など重たいものを背中側に入れる。こうすることでバックパックの重心が背中側になり、比較的重たさを軽減できる。
レインウエアは取り出しやすく
雨が降ったらすぐに着用できるようにレインウエアのジッパーを解放しておき(上)、雨蓋の間に挟んでおくのもひとつの方法。
フィッティングのチェック
3つのポイントを調節
ショルダーベルト、ウエストベルト、チェストベルトを体にフィットするように調節し、背中と腰に重さが乗るようにすると疲れない。
>>>その2・八ヶ岳山行の前半〜試行錯誤のテント設営へ つづく
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文◉かほ、編集部 Text by Kaho, PEAKS
写真◉宇佐美博之、増川浩一 Photo by Hiroyuki Usami, Koichi Masukawa
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。