BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

ひとり登山って、どうですか?|ソロだからこその楽しみと、その代償とは。<後編>

単独行はとことん自由を謳歌できるだけではない。ソロだからできないこと、ソロだからこそ必要な工夫がある。それでもひとり登山に夢中な3人に、その苦楽を語ってもらったディスカッションの後編。

文◉編集部 Text by PEAKS
写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
出典◉PEAKS 2020年9月号 No.130

>>>前編はこちらから

ひとり登山って、どうですか?|ソロだからこその楽しみと、その代償とは。<前編>

ひとり登山って、どうですか?|ソロだからこその楽しみと、その代償とは。<前編>

2021年07月01日

ひとりだからこその安全管理

――安全管理の面で、ひとりだからこそ気をつけている部分ありますか?

大和田 モバイルバッテリーは忘れていないか、かならず確認してから出発するようにしています。万が一の緊急連絡であったり、電話とバッテリーはセットで欠かせないモノですね。

イタガキ 僕はココヘリに加入しています。ココヘリに入ろうかなと考えたときにプロモーションの映像を見たんですが、そのなかで、もし死ぬようなことがあったとき、見つからなかったら家族への保険金が最長7年間は下りませんという説明を聞いて、それが刺さったんですよね。もちろん一般的には遭難時に救出されるケースのほうが多いと思うんですが、本当の万が一のために必要だなと。

あとは登山計画書を、家族にもわかるように置いてくるようにしています。遭難とか、もしなにかあったときも気づくのは家族が一番早いですからね。

大和田 私は「コンパス」を使って登山計画をメールで家族とシェアしていますね。

茂垣 僕は店のスタッフ同士でシェアしています。店のだれかしらが毎日のように山に行くんで、会社として万が一に備えて、プライベートで山に行くときでも報告してから行くんですよね。

茂垣さんの愛用ギア

軽くてもおいしい食事を

左上の「山飯」はそのまま食べてもおいしいフライドライス。右下はロングセラーのチキン入りフリーズドライカレー。ともにカモシカスポーツオリジナルだ。

コンパクトで明るいソーラーランタン

キャリー・ザ・サンのソーラーランタン。畳むと非常にコンパクトになるが、100ルーメンと明るさは十分。充電のため行動中はバックパックに装着している。

夏は薄手の寝袋で装備を軽量に

ナンガ製のカモシカスポーツ別注寝袋。撥水加工を施したダウンが使われており湿気に強い。ダウン量は200gで、これにSOLのヴィヴィを組み合わせている。

定番ドーム型ツエルトは2人用サイズをチョイス

使用頻度が高めなのが、ヘリテイジのクロスオーバードーム(今年リニューアルし「2G」に)。軽量で居住空間の広い2人用サイズをぜいたくに使っている。

経験とともに変わっていく装備

――ソロ装備について教えてもらいたいんですが、茂垣さんは経験則から持っていくものは固まっていそうですね。

茂垣 だいぶ固まってきた気がします。どの道具が自分に合っているかはわかるし、こういう山に行くならこれくらいの防寒着が必要とかも想像がつきますしね。登山を始めたころは丹沢の日帰りで30ℓのバックパックを背負っていたんですが、いま考えると「中になにが入っていたんだろう」って思いますね。いまだったら必要なものもわかるので、10ℓくらいのパックで行けるかなとか、無駄がなくなった気がします。

大和田 私も少しずつ変わってきましたね。やっぱり装備は軽量にしたいなと思って、ちょっとずつ軽いものに買い替えました。始めたころは、食材でもゴミが出るようなものを持って行っていたんですが、「このパックはいらないな」とか考えるようになって、いまは包装から出してジップロックに入れてコンパクトにして持っていくようになりました。結果的に軽くなっただけでなく、荷物の嵩も減った気がします。

イタガキ 僕は経験値的にまだ増やして試行錯誤している段階かもしれないです。冬山も最近始めたんですが、最初はグローブとか、なにを選べばいいのかよくわからないんですよね。それで、いろいろ買って現場で使ってみて、「結局こういうのがいいのか」とわかったり。まだまだ改善の余地ありですね。

イタガキ▲さんの愛用ギア

デバイス系は中身が見えるケースに

モバイルバッテリー、マイクなどのデバイス関係は。フタがクリアで中身が見えるテンバのケースに収納。こうすると使いたいものがすぐに取り出せて便利。

底から空気が抜けるから圧縮しやすい

底にイーベントを使ったシートゥサミットの防水スタッフバッグ。口を締めてから空気が抜けるので、雑にパッキングをしてもちゃんとコンパクトになる。

万能すぎるレオフォトの三脚

ミラーレス一眼やアクションカムの撮影で使うレオフォトの三脚。脚の節がふたつあるためアングルが自由自在で、重量バランスも良いので安定感抜群。

ドリップしやすいトランギアのケトル

食事は基本的に湯で戻すだけなのもあり、トランギアのケトルを常用。収納時はそれほどコンパクトではないが、コーヒーを淹れる際などに威力を発揮する。

ソロ登山者同士のささやかな交流

――これはソロならではだと思うんですが、山で同じようにソロの人と出会うと、思わず話し込むことってありますよね。

大和田 ひとりの人とすれ違うと、「どこまで行くんですか」とか、さりげない会話から盛り上がる場面はありますね。それもソロならではかなと思います。グループで行くと、基本的にはグループ内での会話に終始しちゃいますからね。

イタガキ 以前、八ヶ岳の編笠山に登ったとき、西岳から縦走で向かったんですが、途中で会ったソロの人が「編笠山の山頂に中学生が200人くらいいてにぎやかですよ(笑)」と教えてくれたんです。そういう感じでなにげない話を聞いたり、話したりすることも多い気がするんですが、それってもしかしたらおたがいに心細さを感じているのかも。だれかとしゃべりたいとか。

イタガキ▲「おたがいに心細さを感じているから、だれかとしゃべりたくなるのかも」

茂垣 僕は寂しがりですけど、あまり自分からしゃべりかけることはないですね。しゃべりかけられても、聞かれたことだけ答えたりとか(笑)。いつも黙々と歩いているかな。

イタガキ そういうときってどんなことを考えているんですか?

茂垣 登り始めはたいてい仕事のことを考えているんですが、だんだんそれが消えていって、「頂上着いた!」みたいな感じですね。そこから縦走し始めると、生活のことを考え出したり(笑)。とにかく、いろんな考えごとをしますね。山のなかだとずっとしているかもしれないです。

ヨガ未経験という男性ふたり。この機会にと大和田さんが簡単なポーズを伝授する。なんとなくキマっているような気もするが、先生と見比べるとその差は歴然?

イタガキ よく「日常のことを忘れられるから山に行くんです」とかいいますが、登っているときとか、なんだかんだ仕事の嫌なこととかグチグチ考えてたりしますよね。「せっかく山に来たのに、オレ、つまらないことばっかり考えてるな」って(笑)。

大和田 考えることで発散しているのかもしれないですね。茂垣さんが頂上に着いたら忘れちゃうって言っていたみたいに、結果的にリフレッシュできているんじゃないですかね。私も始めの30分くらいはキツいなって考えちゃうんですが、そのあとは無心になって、楽しくなってきます。仕事のこととかはあんまり考えないですね。山のなかでは目の前に起きていることに集中したいんで。

茂垣 見習いたいですね(笑)。

大和田 歩くことってヨガのアーサナー(ポーズ)とか瞑想に近いなって思ってるんです。どちらも動いているうちに、自然に頭のなかの考えも薄れていくんですよね。そういう意味で、ひとり登山って、自分自身と向き合える、すごくいい時間だなと思います。

ディスカッションしてもらった三人はこちら!

カリマー プレス/大和田園子さん(左)

カリマーのプレスアシスタントの傍ら、ヨガインスタラクターとしても活動中。ヨガは山など野外での講習を中心に開催。ひとりで行って自由に歩き回る山行スタイルが好き。

登山YouTuber/イタガキ▲さん(中)

ミラーレスカメラとアクションカムを使ったライブ感の強い登山動画を制作しているユーチューバー。山行は日帰りとテント泊が主体。YouTubeチャンネル「ITAGAKI.TV」。

カモシカスポーツ 山の店・本店 スタッフ/茂垣亮馬さん(右)

2012年、カモシカスポーツ入社。トレイルランニングをしていることもあり、登山でもファストパッキング的な山行が多い。地元の東京・町田から近い丹沢がホームマウンテン。

出典

SHARE

PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

No more pages to load