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登山者に愛される山の名湯「白馬鑓温泉小屋」休業のワケは?

白馬エリアの絶景温泉として知られる白馬鑓温泉小屋が、今年も休業することが決定した。昨年に引き続き、今年も休業するその理由とは。白馬館社長・松沢貞一さんに聞いた。

文◉編集部 Text by PEAKS
写真◉鈴木千花 Photo by Chica Suzuki
出典◉PEAKS 2021年8月号 No.141

白馬鑓温泉小屋の “いま” と “これから”

例年、多くの登山者で賑わう白馬鑓温泉。豊富な湯量を誇り、山の絶景が露天風呂から見渡せるのが、最大の魅力だろう。

その白馬鑓温泉が、昨年に引き続き今年も休業することに決まった。なぜ、2年にわたって休業を決断することになったのか。登山者にとっては気が気ではない。白馬鑓温泉小屋、白馬尻小屋などを経営する、白馬館社長の松沢貞一さんにお話を聞かせてもらった。

「場所が場所だけに、建てて壊してを繰り返さなければならないので、収益が見込めないとなると支出を抑えるという選択をせざるを得ませんでした」と、松沢さん。

手前に足湯、奥には石垣が組み上げられた露天風呂が見える。斜面を削った平地の上に浴槽を作っているため、地盤は弱く、石垣を補強する工事も2018年に行なった。

白馬鑓温泉小屋と白馬尻小屋は、毎年シーズン終了後に小屋を解体し、シーズンが始まる前に、また小屋を建てるということを毎年行なっている。冬の間に雪で潰されたり、雪崩に流されてしまうのを避けるためだ。そのため白馬尻小屋ではヘリコプターで除雪機を上げて、埋めておいた資材を掘り起こすという作業から小屋開けが始まり、10人以上、2週間ほどかけて小屋を建てる。白馬鑓温泉小屋の場合は斜面に小屋が建っているため除雪機は上げられないので雪解けまで待つしかないのだが、小屋を建てるために同じだけの人員と期間を必要とする。つまり、小屋を開けるにはこの膨大な出費は避けられないことから、昨年のコロナウイルス感染拡大による自粛ムードの最中、休業という選択に至ったのだ。では、今年はなぜ営業しないのだろうか。

「結論からいうと、小屋の地盤が崩れかかってきていて、非常に危ない状態なんです。その地盤を直す工事を行なうためです」

じつは、その豊富な湯量が原因にあった。小屋が建つ一帯の、い たるところに温泉が流れていて、地中には無数の湯の道が通っている。露天風呂の底からも湧いているし、小屋の裏の大きな岩の割れ目からも吹き出している。この湯の道が、長い歳月をかけて地中に湯の花を堆積させ、土と混ざり、単純な土とは異なった崩れやすい地盤になっているという。そして事件はついに起こった。

「昨年の8月はじめに登山道整備に向かったとき、露天風呂の底に穴が空いてしまい、お湯が流れ出てしまいました。それによって露天風呂横を通る登山道の下にトンネルができてしまったのです」

地盤が緩く、土がつねに温泉の流れに押し出されているため、これをきっかけに地中に大きな空洞ができてしまったのだ。

テント場の脇に流れる温泉。いたるところに温泉が湧く。

「登山道崩落にもつながる、非常に危険な状態です。国立公園の地盤の問題なので、国や県、村の問題でもあります。白馬館だけでは手に負えないので、環境省や林野庁、村に相談し、今年中に工事をしなければ営業再開できないということで、工事の決定とともに休業が決まったわけです」

工事はヘリコプターで機械を搬入し、その準備ができ次第始められ、シーズン中かかる見通しだ。また、それにともない、猿倉から小屋の敷地内を通る白馬鑓ルートも通行止めとなる。敷地内の登山道が工事対象であることと、工事に集中する必要があるため、事故があった場合に小屋のスタッフが遭難救助活動に当たることができないからだ。

「白馬鑓温泉は観光地・白馬にとって大事な資源であり、拠点です。白馬館としては、この白馬鑓温泉という山岳観光の拠点をどうしても維持していきたいと考えています」と、松沢さん。

工事には環境省からの予算が出るが、工事費用の半額にも満たないのでクラウドファンディングなども活用していくことを考えているという。工事を今年中に終わらせ来年には再開させたい。それが目下の目標だ。

お話をうかがったのは…

白馬館 代表取締役社長
松沢 貞一さん

日本最初の山小屋である白馬山荘をはじめ、五竜山荘や、白馬大池山荘など後立山・白馬エリアの山小屋7軒と栂池スキー場を経営する白馬館3代目社長。

出典

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PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

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